開院時間

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休み:日曜祝日

電話:070-6529-3668

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~なりひら治療院 鈴木恭平先生~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 なりひら治療院鈴木恭平先生
なりひら治療院の鈴木恭平先生

 

 

本日は以前から気になっていた「なりひら治療院」に行ってきました。

 

なりひら治療院

 

こちらの鈴木恭平先生の存在をTwitterで知り、興味がありました。というのもかなり私の経歴に近いものがあったからです。

 

鈴木恭平先生は関西外国語大学で学生競技ダンスをしていました。私も東京理科大学で同じように学生競技ダンスをしていて、我々のいう“学連”という世界にいました。現役時代が重なることは無かったのですが共通の知り合いが多数いることが分かりました。しかも二人とも同じモダン(スタンダード)専攻の選手。

 

つい最近、私が大学時代からお世話になり今も親交のあるプロの本池先生と鈴木恭平先生が一緒に写真に写っている姿をみて本当に共通の知り合いがあるなと感じました。

卒業後一般企業に就職し脱サラしてこの業界に入ったところも一致しています。私は東京医療専門学校に進学しあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、柔道整復師を取得しました。鈴木恭平先生は長生学園に進学しあん摩マッサージ指圧師を取得しています。

 

私が鈴木恭平先生に興味を持ったのは学連からこの業界に入ったという経歴以上に長生学園卒のあん摩マッサージ指圧師という点でした。

 

業界の背景を少し説明します。

昔から我が国では視覚障害の生業としてあった按摩師(あん摩師)。全国の視覚支援学校や盲学校ではあん摩マッサージ指圧師になるためのカリキュラムがあります。対して視覚障害のない健常者(晴眼者といいます)向けのあん摩マッサージ指圧師養成学校は数が限られており、学校を新設することは法律で制限されている状態です。

 

晴眼者向けのあん摩マッサージ指圧師養成学校の多くは関東にかたまっています。そしてあん摩マッサージ指圧師だけの学校は全国にほとんどなく、鍼灸も同時に取る鍼灸マッサージ科(通称、本科)が大多数。あん摩マッサージ指圧師のみの専科がある学校は(このブログを書いている時点で)日本指圧専門学校(東京都)、長生学園(東京都)、京都仏眼鍼灸理療専門学校(京都府)の3校のみ。特に鍼灸科を持たずあん摩マッサージ指圧師科のみという学校は日本指圧専門学校と長生学園だけです。

 

日本指圧専門学校は故浪越徳次郎先生が設立した指圧の学校です。その内容は知られています。対して長生学園の技術はほとんど外部に出ることがなく、同業者の私もどのような技術があるのかよく分かりませんでした。数年前に長生学園卒のあん摩マッサージ指圧師さんとお会いして独自の脊椎矯正の術があるということを聞いたくらい。本当につい最近まで私にとって謎の存在でした。

 

今回鈴木恭平先生のことを知り、長生学園卒のあん摩マッサージ指圧を長生術を実際に体験したいと思いました。いつか長生学園の技術を体験したいなと願っていたのですが該当する先生が見当たりませんし、いたとしてしても信頼できる人柄であることが望ましい。SNS上で鈴木恭平先生の人なりが分かってきたので予約を取りました。

 

なりひら治療院は東京スカイツリーのすぐ近く。幸いなことに都内でした。緊急事態宣言下で新型コロナ感染者数が増加している時期ですから都外であれば断念しているところでした。調べてみて自転車でいけない距離ではないと判断。なるべく公共交通機関も避けたいところなので電動自転車に乗り炎天下のなか向かいました。行ってみると大きな通りを真っ直ぐ進むことが多く思ったほど大変ではありませんでした。

 

初めて目と鼻の先まで近づいた東京スカイツリー。ここまで大きいのかと見上げながらなりひら治療院に入ります。隅田川のそば、浅草通りの路面店でした。スタッフ2名で運営していました。

問診表を書いて一番奥のスペースに通されます。鈴木恭平先生の施術を受けました。

 

私も本職のあん摩マッサージ指圧師で臨床歴も10年を越します。教員免許もありますから教科書にある按摩、指圧、マッサージは分かっているつもりです。

やはり気になるのが長生術です。

 

長生術についてなりひら治療院ホームページには

90年以上の伝統を持ち、今では限られた治療師にのみ伝承されている手技「長生術」

脊椎矯正・精神療法・プラーナ療法による三位一体の治療法

とあります。

 

注目するのは脊椎矯正。鈴木恭平先生の話によればカイロプラクティック、オステオパシーの技術が組み込まれているとか。教科書の話では指圧はアメリカ三大整体(カイロプラクティック、オステオパシー、スポンディロセラピーの3つ)の技術を組み込んで成立したとあります。アメリカ三大整体は主に脊椎に対してアプローチするもの(とても大雑把に言っています。正確にはもっと複雑です。)。この部分に関する知識が私は乏しく、母校の東京医療専門学校ではほとんど触れずに終わりました。

 

再びなりひら治療院のホームページから脊椎矯正の部分を引用すると

長生術は全身の筋緊張を緩め、全身のバランスを整え、脊椎の歪みや捻れを矯正する事で本来あるべきホメオスタシス(恒常性)を回復・向上させる事を目的とします。

矯正というと骨をパキパキ鳴らす痛くて怖いものというイメージがあるかもしれませんが、必ずしも鳴らすことが必要ではなく、全身の筋緊張を緩めていくだけでも脊椎の配列は整えられていくのです。

とあります。

 

個人的な感想ですが、脊椎矯正に着目しているあん摩マッサージ指圧師はとても珍しいと思っています。むしろ避けている人が多いという印象です。なぜかというと脊椎矯正はカイロプラクティックに印象が強く、厚生労働省管轄の国家資格より民間資格の整体のものというイメージがあるからです。

私はこれまでカイロプラクティックやAKAの基礎を学んだことがありますが、何となく国家資格のあん摩マッサージ指圧師は触れない方が得策という印象があります。脊椎には脊髄が通っており事故が起きやすいからです。技術として知っていますがあじさい鍼灸マッサージ治療院を開業してからは臨床で用いることは少なくなってきました。

 

鈴木恭平先生の施術は確かに脊椎に対してアプローチしていることが受けていて実感できました。手足も押すのですが注目しているのは脊椎なのだと。ただし骨を鳴らすような手技はなく受けていて怖いと思うような場面はありません

私も40歳を過ぎて若い頃ほど身体の耐久性が無くなっています。変なことをされると壊れるなという怖さが出てきました。20代の頃はそのようなことが無かったのですがこの歳になると下手な押され方をされると危険だと体がサインを出すようになります。そして変に力が入っているとより危ないことは経験上知っています。ですから信用できる術者でないと受けたくないわけです。鈴木恭平先生は体を預けていても大丈夫だという安心がありました。

 

押し方についても独特でした。指圧の原則である漸増漸減圧、持続圧という感じではありませんし、私が用いるような揉捏という感じでもありません。圧を入れながら揺らすような。文字で説明するのが難しいのですが、これまで受けたことがない押され方なのです。似たような技術はこれまでに受けたことがありますが、粗暴な感じがありました。鈴木恭平先生の手技は割と大きく動かしているようで繊細なのです。私にはこういうやり方(考え方?)が無いので新鮮ですし悩みます。

 

受けながら頭の中で何を探り、どこを操作し、どの目的にむかっているのか?を考えます。おそらく身体のバランスを整えるための指標があってそれが良い位置になるように仕向けているのだろうなと思いました。

 

中にはこれは知らなかった!という体の使い方をする技術がありました。これは画期的だという。まだ想像もできないような新しい手技があるのだと思うと術者として感動し興奮します。発想・着想がすごいなと。月並みな言い方ですが世界は広い、まだまだ知らないことばかりという感じです。

 

私の行う施術は何に対してアプローチしているかで大まかに分類できます。

筋・筋膜、関節(骨)、神経のような。東洋医学を入るとこれらに経絡、気血津液などが入りますし、メンタル(精神面)も加えてもいいかもしれません。

鈴木恭平先生の手技は確実に関節(骨)に注目して行っていました。それが新鮮です。あん摩マッサージ指圧師養成学校で脊椎矯正に正面から向き合うところがあるのだと思いました。

 

もちろん長生学園の技術はもっと深くて複雑なのでしょう。鈴木恭平先生も上の先生がたくさんいると仰っていました。ただその長生学園関係の先生や技術を知る機会がほとんどありません。今回やっとその片鱗が見えたような気がします。按摩、指圧ではなくやはり長生術だったなと。

 

施術が終わった後、立ってみると体が整っている足に乗りやすい感覚がありました。ああ効いた~!という感覚よりも、活性化している!という感覚。帰りの自転車が行きよりもずっと楽でした。

 

あまり使わないだろうと技術の引き出しの奥の方にしまっていた脊椎に対してアプローチするという考えを、もう一度引き出して向き合ってみようと思います。一段階自分の技術ステージを上げてくれる予感がしています。

 

なりひら治療院鈴木恭平先生の施術を受けて良かったです。どうもありがとうございました。

 

甲野 功

 

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