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2021年9月11日。本日は2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件からちょうど20年目。通称9.11(キュウテンイチイチ)と言われる大事件が起きた日です。
20年前の9.11のことは今でもかなり覚えています。当時は大学を卒業し一般企業で働く2年目の社会人でした。ハイジャックされた旅客機が貿易センタービルに突撃するというハリウッド映画でも無いような現実に日本の社会も騒然としました。
この20年目の節目にアメリカでは9.11を知らない若者が増加しているというニュースがでました。
<ライブドアニュース 米国で9.11を知らない若者が増加 学校でしっかり教わったのは10人中2人>
記事の内容は、色々な理由で20代前半までの物心つく前に起きた9.11を知る機会が減っていることを報じています。現在も混乱の真っ最中であるアフガニスタンのことと関係していることを知らないアメリカの若者。当事者であるアメリカで風化されてきているのですから、日本でも9.11とは何だったのか説明できない若い世代が増えているでしょう。
現代史は社会的評価が下されるのが難しく定説にならないため、むしろ勉強しにくいものです。私もそうでしたが資料がない縄文・弥生時代といった古い時代を別として戦国時代や江戸時代はしっかりと勉強して覚えているのに、第一次世界大戦あたりから学習が曖昧で教科書の記述も少なくなり、もやもやして終わりました。というより習った記憶がありません。
私が高校2年生で理科系コースを選択したこともあるでしょうが、近代史、第一次世界大戦から第二次世界大戦終了までの部分は抜け落ちています。理系コースでしたが日本史選択だったのですが。
近代日本史を学んだのは社会人になってから。個人的に読んだ書籍やテレビ番組からでした。オリンピック開会式でアナウンサーが表現する「国と地域から参加しています」の地域とは何か。今大会の東京オリンピックであいうえお順での入場にしたことで台湾が大喜びしたという報道。それはなぜか。学校の授業でその理由を習った記憶はありません。まだまだ当時を経験した人が生きている、資料も多数残っているであろう数十年前のことは曖昧で、数百年前の江戸時代の(学ぶ)内容がはっきりしている。矛盾を感じます。
何かで読みましたが、歴史の評価は50年以上経過しないとできないといいます。関係者の思惑が関わり冷静な公平な判断がしづらいのだとか。アメリカでも9.11という大事件は20年という年月でははっきりと評価できないのかもしれません。9.11のことを深く調べたわけでありませんが、20年前海の向こうアメリカで起きた大事件をみた体験は残っています。世界的な出来事なので当時の記憶やこれまでの社会の変化について書いておこうとおもいます。
2001年。2000年3月に東京理科大学を卒業した私は同年4月から半導体商社で勤務していました。2001年9月は社会人2年目。まだまだ新人の域を脱していない23歳でした。この時点で会社が嫌で何とか毎日をこなしている状況でした。直属の上司とは決してよい関係ではありませんでした(翌年麻疹にかかり入院することになります)。
2001年の9月11日。
最初は何が起きているのかよく分からないニュースが入ってきました。旅客機がハイジャックされてビルに突っ込んだとか。だんだんと情報が出てくると貿易センタービルに飛行機が突撃する映像がニュースで何度も繰り返し流れてきました。その後にビルが真下に倒壊する映像。逃げ惑うニューヨーク市民。同時に色々なところでハイジャック事件が起きている。そして旅客機が落ちている。ペンタゴンにも飛行機が突っ込んでいったらしい。もう何が何だか分かりませんでした。
日本でこのような状況ですからアメリカ本国はもっと混乱していたのでしょう。9月11日以降しばらくビルに飛行機が激突する映像が流れ続けました。当時23歳の私でもアメリカで大変なことが起きたことは理解できました。それはおそらく建国史上初の本土を攻撃されたことになるのだろう。太平洋戦争でもハワイは爆撃されましたがアメリカ本土まで爆撃機が到達することはなかったはずです。まぐれ狙いの気球爆弾が少し落ちただけだと何かの本で読みました。アメリカ中枢があれだけ攻撃を受けたことは無かったはずです。それは20年経った今でも。
世界最強の軍事力を誇るアメリカにテロという軍隊が侵攻するのとは異なる方法で攻撃された。
この歴史的事実に既視感がありました。それは6年前の地下鉄サリン事件。あのときもオウム真理教という軍隊ではない宗教団体がサリンという猛毒を用いて東京の中枢を攻撃しました。あのときも最初は何が起きているかわからず情報が錯綜し混乱しました。9.11はあの地下鉄サリンを彷彿されたのです。
1995年の3月以降。地下鉄はもちろん地上の鉄道もゴミ箱が一斉に撤去されて網棚のゴミがきれいさっぱり消えました。東京ドームをはじめ大会場に入場する際には手荷物検査が行われるように。地下鉄内で液体をこぼそうものなら殺気立った雰囲気になったものです。
2001年の9.11以降も似た空気が日本でもありました。アメリカと同盟を結ぶ日本もテロの対象になるのではないか。アメリカを象徴する東京ディズニーランドが危険だと噂が立ちました。当時の世界中のイスラム教徒が白い目で見られたといいます。海の向こうの出来事と割り切れない恐怖が日本でもあったと記憶しています。
繰り返しますが当時の私は半導体商社のサラリーマン。直接は関係ありませんでしたが会社は半導体製品を海外にも卸していましたから影響を大いに受けたはずです。いち若手社員でもその混乱は肌で感じていました。
それと同時に世界的陰謀論が生まれたきっかけだと私はみています。
日本では1999年のノストラダムスの大予言が大いに注目されました。決して少なくない人が1999年の夏(7月か8月)に人類が滅亡するくらいの大事件が起きると信じていました。年末には2000年問題もありました(2000年問題とは下2桁で年を計算していたコンピューターが2000年になった瞬間に1900年と判断して矛盾により暴走するかもしれないという懸念)。世紀末の不安がありました。
2001年になり無事21世紀となった世界。その矢先に起きた同時多発テロ事件は多くの謎を残し陰謀論が世に広がる事件でもあったと思います。
本当に旅客機がビルに激突したのか。熟練のパイロットでも管制官の指示なしには飛行することはできずテロリストがマニュアルで操縦できるはずがない。
まるでビルの発破工事のように真下に崩れ落ちる様子は元から爆薬を仕掛けていたのではないか。
ペンタゴンに突撃した旅客機の大きさと衝撃で生じた穴のサイズが合わない。
主にこれらのような疑問が話題になりました。本当は大いなる陰謀の元行われたテロ事件なのではないかと噂が生まれました。実ははるか前から予言されており、計画通りに起こされたものだと。
現在もアメリカではDS(ディープステイト:裏で世界を牛耳る秘密組織のようなもの)の存在を信じる人が一定数います。そのような陰謀論が始まったのは9.11からのように思います。というのも私は学生の頃からムーというオカルト雑誌とその関連本を読んでいたのでその前から陰謀論がどのようなものか知っていました。9.11以降はマニアックな知る人ぞ知るというものから、現実味を帯びた身近なものになった気がします。
9.11から20年。あのアメリカで起きた同時多発テロ事件を忘れてはいけないと思います。それは多くの犠牲者を出したということだけでなく、20年後の今にも直結する出来事だったからです。あと10年すれば日本では東日本大震災が同じようなことになるかもしれません。26年前の地下鉄サリン事件をよく知らないという若者も増えています。20年前の今日、アメリカが変わった(変わるきっかけになった)のかもしれません。
甲野 功
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