開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
ここ一週間で劇的に新型コロナウィルス新規感染者が減っているようです。
当初は9月13日に緊急事態宣言が解除されるはずだったので9月後半は家族旅行に行きたいなと思っていました。ところが周知の通り9月30日まで東京都は緊急事態宣言が延長に。この夏休みも子ども達には何も大きなイベントが無かったので、少しくらいは何かできないかと考えていたところ、長女がモノづくり体験をしたいと言い出しました。伝統工芸とかの。そして自らネット検索して吹きガラス体験ができるというサイトを発見。私に見せてきました。
場所は中野。ガラス教室なかむらというところ。遠くはないですし、密になるようでもないので連れて行くことにしました。次女もやりたいというので二人分。
子ども達とは今年7月に箱根ガラスの森美術館に行っています。ガラス細工の作品を鑑賞しました。サンドブラスト体験でガラスのコップに模様を付ける体験もしました。今度はその前段階であるガラスでコップを制作する。ステップアップです。
東西線神楽坂駅から中野へ。久しぶりに中野駅に降りました。会場まで駅からは結構歩く距離。中野ブロードウェイで有名な駅前を通り過ぎて住宅街の方へ。台風一過の晴天で気温があがり夏模様となった午後歩きました。グーグルマップを片手に。子ども達はまだつかないのかと文句が漏れるくらいの距離と暑さ。みんなで「アイスの実」を食べながら向かいます。
着いたところは都営バスが通るくらいの道路に面したところ。こんなに住宅街にガラス工房があるとは予想していなくて驚きました。何となく山奥の一軒家にあるイメージだったので。
中に入るとうっと声が漏れるくらいの暑さ。扉は開けっ放し、扇風機は2台とエアコンが作動、更に空気を輩出するダスト管があるにも関わらず。視線の先には真っ赤な炉心が見えます。
受付をして作る作品の形を決めます。いくつか選択肢がありその中から選びます。二人が選んだのはコップ。色は一色追加するごとに料金がかかり、それぞれ2色にすることに。長女は青と水色、次女は赤と青。好みが出ています。
作品制作は一人ずつ行いました。まず次女から。次女のやり方をみてから次に長女が行う。軍手を上腕を守るカバー、それに目を守るサングラスを装着。専用道具のピンセットや木の板、何重にも重ねられた紙、などがあります。
作業工程は
・溶けたガラスの塊を吹き棒の先に付ける
・チップ上の色を付けるためのガラスの破片を付ける
・熱して溶かして捻じり模様をつくる
・息を吹き込み徐々に成形する
・逆さまにして重力でコップの高さを決める
・縁の部分を補足して切り離す
・コップの底にあたる部分に棒を付け替える
・コップの内面を成形する
・縁を広げる成形をする
・棒を切り離ししてコップの底の部分をバーナーで成形する
・急激に冷えるとひび割れるので徐々に温度が下がるように温度管理炉に入れる
という感じでした。完成には1週間ほどかかるといいます。
作業工程はほとんどをインストラクターの方が行い、子ども達ちょっとお手伝いしたという感じです。まさに体験。専門の道具を持ってガラスからの熱を感じながら作業をしました。炉心は1,000℃にもなるといいます。熱されて溶けた色ガラスはほとんど赤色で、本当に青色があるのかなと思うほど。冷えることで色が発現して鮮やかになるそうです。
普段は完成品しか見たことがないガラス製品。特に今は割れないプラスチック製の方が多いくらい。人間の手でガラスを自由に操って形になっていく様は面白かったです。
そしてあの暑さ。強烈な熱が発している炉と向き合うのは本当に大変だろうなと想像します。工房を出たらまだ外気温は高いはずなのに、涼しい!と爽快な気持ちになりました。
よく行く箱根ガラスの森美術館でみるヴェネチアンガラスの作品たち。凄い技術によって生まれたのだと今回の吹きガラス体験でちょっとだけ理解できました。間違いなく一点もの。世界に二つと無いもの。制作過程を見たことで工芸品への敬意が増しました。
もうしばらく待たないと子ども達が体験した完成品を目にすることはありません。あの溶けたガラスと色ガラスのチップからどのようなコップが出来上がるのか楽しみです。細かい部分はインストラクターがグラインダーで整えてくれるというのできっといいものができることでしょう。
子ども達にはちょっとした社会科見学になりました。
甲野 功
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