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5年前に公開されたアニメーション映画『君の名は。』を覚えているでしょうか。
アニメ映画のみならず、邦画としても大ヒットした超有名作品です。ちなみにこの文章を書いている今日現在の邦画興行収入ランキングは
1位 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年公開) 403.2億円
2位 千と千尋の神隠し(2001年公開) 316.8億円
3位 君の名は。(2016年公開) 250.3億円
4位 もののけ姫(1997年公開) 201.8億円
となっています。
上位4位までがアニメでこの4作品だけが200億円を超えています(ちなみに5位は「ハウルの動く城」でこちらもアニメであり、196.0億円の成績を収めています)。
昨年公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が圧倒的な強さを誇り歴代3位に落ちましたが、『君の名は。』も凄い記録なのです。ジブリ作品に対抗できるアニメ映画が誕生し、新たな時代が切り開かれた気がしました。
ヒットしたしないに関わらずドラマや映画に登場する場所はファンから“聖地”とあがめられ、その場所を訪れる“聖地巡礼”と称される行動を喚起させます。特にアニメは熱烈なファンがつくので大ヒットした映画は多くの人が聖地巡礼をします。また実写と違ってアニメーターや監督がその場所をどのように表現するかを現地(実物)と比較する楽しみもあります。
『君の名は。』の新海誠監督は特に都会を正確に描写する監督で驚くほど現実に忠実です。アニメである以上、キャラクターはどうしても実在の人間よりデフォルメされるし、実際にはできない動きをすることがあります。しかし背景の書き込みは緻密で絵画のよう。そう写真ではなく絵画。実写ではどうしても余計なものまで映ってしまいますが新海誠監督の映像は現実に忠実でありながら色合いやバランスをまとめて実写とは違うテイストにします。新海誠監督は『天気の子』で新宿の街をとても忠実に再現していました。新宿区民の私が見ると一目でどこか分かるほど。都営バスの表示すら忠実に再現していました。
そして『君の名は。』の公開によって注目された場所。それが須賀神社男坂の階段です。
ラストシーンで主人公がヒロインと再会する場所であり、映画の公式サイトではトップページに使われている画像に採用されています。須賀神社についてはまた別の機会に詳しく触れますが、『君の名は。』によって一躍有名になった場所が須賀神社男坂です。
須賀神社は新宿区内にあり、東京メトロ四谷三丁目駅やJR四ツ谷駅から歩いて行きます。四谷三丁目駅とJR信濃町駅の間にある住宅街に鎮座しています。はっきりいって分かりにくい場所と言えるでしょう。近くに有名なスポットがあるわけではないですし大通りに面しているわけでもありません。ずっと新宿区に住んでいる私も行ったことが無かったエリアです。訪れたときは道に迷いました。まさかここにあったとは、と思いました。
須賀神社自体は由緒のあるなかなかの規模の神社です。急な男坂と緩い女坂があり、『君の名は。』で登場するのは男坂の方。何の変哲もない階段ですが作中に出てくるものだと思うとワクワクするもの。公開当時は多くのファンがここで映画の真似事をして写真に収めていたといいます。
しかし新海誠監督はよくこの場所を使おうと考えたものです。
生まれも育ちも新宿区である私もそれまで知らなかった須賀神社。しかもその境内ではなく坂の階段を。神楽坂の赤城神社にも似たような坂が裏手にあってこちらでも問題ないような気がします(神楽坂という知名度を考えると)。
新海誠監督はムー民だと公表しています。ムー民とは日本最大のオカルト雑誌「月刊ムー」の愛読者のこと。『君の名は。』でも次回作の『天気の子』にもムーは作中に登場します。どちらも神社の神事や不可思議な力を描いているので何かしらの意図があるように思います。ムー民は神社が大好きな人が多いのです。
アニメによって地方に活気が生まれることはままあります。地域おこし、村おこしとして有効です。かの大ヒット作品『鬼滅の刃 無限列車編』では架空の無限列車という蒸気機関車が出てくるのですが、似ているという理由で京都の鉄道博物館に人が押し寄せたり、九州のSLに“無限”のプレートを付けて走らせたら大人気になったりしました。『君の名は。』が無かったら須賀神社も全国的に知られることは無かったのではないでしょうか。特にあの坂が有名になるとは思えません。
個人的には新宿区が、四ツ谷が、注目されることが嬉しいです。鍼灸マッサージを学んだ東京医療専門学校も四ツ谷にありますので。ちょっと見つけにくい場所ですが『君の名は。』のファンでしたら一度は訪れてみてもらいたいものです。
甲野 功
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