開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
私はトップ○○とか日本三大○○といった類が結構好きです。
最近も日本三大摩利支天なる区分があることを知り、面白いなと思いました。いつか日本三大摩利支天の残り二箇所も巡ってみたいという気持ちが生まれました。これまで鎌倉五山を紹介しましたが、それも全部行ってみたいと考えて何年もかけて廻ったものです。
ここ数年で気になっていたのが「東京五社」。東京大神宮のことを調べたときに出てきました。東京五社とは東京大神宮、日枝神社、靖国神社、明治神宮、そして大國魂神社です。前の4社は知っていましたし行ったこともありました。それぞれ飯田橋、赤坂、九段下、原宿と最寄り駅は私の生活圏内です。大学は飯田橋、母の実家は赤坂、九段下は自宅から近く中学の頃から日本武道館によく行っていた、原宿は外苑前駅の高校からすぐの距離、という。特に明治神宮は(神道の学校である)國學院高校入学時に1年生全員で参拝しております。
大國魂神社だけが名前も知らなければどこにあるのかも分からない謎の神社でした。昨年こちらの方に行く事情が出来たので長らく気になっていた大國魂神社を参拝してみました。
場所は京王線府中駅から徒歩。府中という駅はこれまで全く縁がなく、通り過ぎたことはあっても降りた記憶がありません。新宿から行く場合は京王線が便利でした。他の東京五社が都心部に固まっているのに大國魂神社は少し離れています。それがよく知らなかった原因の一つでしょう。おそらく東京五社の一つでなかったら気に留めなかったと思います。
まず読み方が分かりませんでした。大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)。神道では魂を「たま」と読むことがあります。荒魂(あらたま)とか和魂(にぎたま)とか。大國も「おおくに」か「だいこく」か、迷うところです。初めて見た時に読み方がすっとわかりませんでした。
神道や古事記を知っていると「おおくに」とくると大国主命(おおくにぬしのみこと)が思い浮かびます。大国主命は八岐大蛇(やまたのおろち)退治で有名な素戔嗚尊(すさのおのみこと)の息子。国津神(くにつかみ)の代表です。国津神は高天原から降臨した天津神(あまつかみ)に対して、最初から地上にいた神々です。天照大神の直系が天津神で、素戔嗚尊の直系が国津神ということになります(天照大神と素戔嗚尊は姉弟で、素戔嗚尊は横暴な行為を働いたため高天原から追放されました)。大国主命ら国津神は天津神に国譲りをした方になります。
(この古事記の内容は元々日本に住んでいた民族が渡航してきた民族に平和的に政権を譲ったことがモチーフになっていると考えられていて、そこで現在の天皇家に繋がる大和朝廷が誕生したと言われています)
大國魂神社のホームページによると御祭神は大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)であり大国主神と同じだそう。大昔に武蔵国を開かれた神で、大國魂大神を武蔵国の守り神として祀っています。神道、古事記などでは名前が違っても同じ神であることが多数あるので面白いところでもありややこしいところでもあります。
ホームページの御由緒の欄を読むと大國魂神社の起源は、第12代景行天皇41年(111年)5月5日大神の託宣に依って造られたものと言います。西暦111年となると相当古く魏志倭人伝の邪馬台国が250年頃ですから、ほぼ神話の世界かもしれません。
正保3年(1646年)に社殿が焼失するも、寛文7年(1667年)将軍徳川家綱公の命で社殿を作り直して現在に至っています。本殿は拝殿の後ろにあり見ることができなかったのですが、三殿を横に連ねた相殿造りの珍しいものです。都の文化財に指定されています。中殿に大國魂大神・御霊大神・国内諸神を祀り、両側に国内著名の神、六所(小野大神・小河大神・氷川大神・秩父大神・金佐奈大神・杉山大神)を祀っているのです。東殿に一ノ宮から三ノ宮、西殿に四ノ宮から六ノ宮を。そのため六所宮ともいうのだとか。
なお六所は下記の通り。
・一ノ宮:小野神社(東京都多摩市)
・二ノ宮:二宮神社(小河神社)(東京都あきる野市)
・三ノ宮:氷川神社(埼玉県さいたま市)
・四ノ宮:秩父神社(埼玉県秩父市)
・五ノ宮:金鑚神社(埼玉県児玉郡)
・六ノ宮:杉山神社(神奈川県横浜市)
他の地域の神様も祀っているわけですね。非常に広範囲で従えている感じがします。そのため御祭神が大國魂大神、小野大神・小河大神・氷川大神・秩父大神・金佐奈大神・杉山大神・御霊大神・国内諸神と多くあるわけですね。
境内には軍艦多摩戦没者慰霊碑、日露戦役記念碑、忠魂碑といった地域に関わる戦没碑があります。他には相撲場があり奉納相撲が行われるとか。またここにも小さいながら東照宮があり徳川家康公との繋がりをうかがい知ることができます(東照宮とは徳川家康を祀る神社で日光東照宮を筆頭に全国に存在します)。大鳥居に門、末社・摂社、神楽殿と色々な建物があり、東京五社の格式を感じさせます。平坦な境内で上下に動くことが無いので歩きやすいです。
長らく謎であった大國魂神社を訪れるために府中という初めての土地も歩くことができました。土地の歴史を含めて神社参拝はフィールドワークだと思います。
甲野 功
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