開院時間
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
新宿区の神社、寺院を紹介するシリーズ。
当院から大久保通りに出て大久保駅方面に進みます。抜弁天まで来たら反対側に渡り少し大久保方面に進むと永福寺というお寺が現れます。本日はこの永福寺を紹介します。
慶安元年(1648年)に創建された曹洞宗の禅寺になります。さほど大きくわけではなく目立った外観をしているわけではありません。有名かどうかと言えば、知る人ぞ知る、という感じでしょう。永福寺を紹介するのは新宿山ノ手七福神めぐりの一つになっているからです。ここには福禄寿が祀られています。
福禄寿は中国出身の長寿の神様。七福神はご利益のある神様仏様を集めたグループなので海外の仏様や神様もメンバーに入っています。福禄寿は幸福(血のつながった実の子に恵まれるという意味)、封禄(財産がある)、長寿(健康を伴った上での長寿)の三徳を具現化したものであると言います。しかも南極星の化身だそう。北極星は有名ですが南極星とは。真南に位置する星は厳密には無いそうで(目視できないくらい遠い、暗い星まで入れれば何かしらあるでしょうが)。南極星にまつわる珍しい存在かもしれません。短身・長頭の容貌が特徴です。
境内に入ると福禄寿よりも目立っているのが二つの仏像です。それが大日如来像と地蔵菩薩像です。目立っているのは屋外にあるからです。当然のことですが屋外で雨風に晒されれば傷みます。そとに置くことは保存が大変でしょう。
大日如来像は宝暦6年(1756年)の建立で抜弁天の別当寺であった二尊院に安置されていたもので、二尊院が明治元年に廃絶されたことで永福寺に移ったそうです。明治政府は廃仏毀釈令を出していますからそれと関係するのでしょうか。
大日如来は密教における最高位の仏様。曼荼羅の中心に位置します。如来とは仏様の種類を表す言葉で位の高さを示します。釈迦如来、薬師如来など。大日如来像は2種類の印があり、手で作る形が2種類あるのです。永福寺の大日如来像は智拳印をしています。そのため金剛界大日如来像だと分かります(もう一つは定院の胎蔵界大日如来像)。大きさは1.70mなので大人くらいの大きさがあります。
地蔵菩薩像は嘉永6年(1853年)に造られました。半跏という片足を前に出して座っている珍しい体勢の像です。多くの地蔵菩薩像は立位であるのですが。粉川市守藤原國信の作で4体しかないうちの1体です。
菩薩も仏様の種類です。悟りを求め修行している者。如来は悟りを開いています。大きさは1.08m。大日如来像と並んでいます。どちらも新宿区指定有形文化財に指定されています。
仏像に興味がある方には見応えがあるお寺だと思います。少し高台になっていて境内の外は新宿の街並みが広がります。大都会の一角に紛れているお寺という感じです。
甲野 功
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