～卒業＆入学お祝い会での交流～

 

 

個人的に不定期で開催しているアジサイ塾。

 

元々は鍼灸マッサージ専門学校を進学しようか悩んでいる一般の方の相談に乗ることから始まりました。その方は将来の事を考えてこの業界に入って国家資格を取った方がいいと考えていました。その上でどの資格がいいのか、専門学校はどこにしたらいいのか判断ができず。たまたま目についた私のところにメールで問い合わせをしてきたのでした。大卒、会社員経験あり、リラクゼーション業界にいたことがあり、あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師・柔道整復師の免許を持ち、鍼灸マッサージ専門学校の教員免許もあることが質問するのに適した条件だったのかと予想しています。

相談した方はメールで複数回のやり取りをした上で最終的に進学先を決定。専門学校に通うことになりました。入学が決まってから来院しました。そこから乗り掛かった舟ではありませんが、入学後もサポートできることはしたいと感じた私は何度か個人的なセミナーを開催してきました。それが今も続いています。

 

ちょうど１年前にその方は国家試験をパスし、免許を取得して専門学校を卒業しました。入学前から関わった人が無事に国家試験免許を取得。足掛け４年に渡りました。そこで昨年、神楽坂でお祝い会を開催したのでした。

 

そして今年。３月２５日に「あん摩マッサージ指圧師」、「鍼灸師」（正確には「はり師」、「きゅう師」）の国家試験合格発表がなされて、セミナーに来ていたある学生さんが晴れて合格となりました。その学生さんの卒業と国家試験合格を祝う会を行いました。

この学生さんとは慶応大学病院で行われたセミナー会場が初対面でした。まだ専門学校１年生の６月、入学して間もない頃です。しかも大ベテランの講師に質問をしていたのです（このとき、講師が素性を聞いていて「今年の春に入学した１年生です」と答えていました）。私は何という学生さんだろうという驚きがありました。自分が専門学校１年生の時は外部セミナーに行くなど考えに無かったです。さらにセミナー内容は初学者向けとは思えなかったですし。私はセミナー終了後に、質問をした学生さんついつい声を掛けてしまいました。すごい人がいるものだと。

 

その後、当院であん摩マッサージ指圧に関する実技セミナーを行うことになります。発端はこの学生さんの要望からでした。「鍼灸の実技セミナーはたくさんあるのに、あん摩マッサージ指圧のセミナーは全然ない」という声を聞き、私はやりましょうかと提案したのでした。教員免許を持っていますが実技を教えるという場をそれまで持っていなかったため、私にとって初めての徒手実技講習でした。その経験は大きな転機でした。その後もこの学生さんには非公開の実技及び座学のセミナーに参加してもらいました。２年前から当院で始めている『学生ペア割』というシステムの発案者でもあります。そのためここ数年の当院の取り組みに影響を与えた人物でもあるのです。

 

卒業にあたり今年も卒業祝いをしなければならないと思い企画しました。

 

予定の関係でちょうど国家試験合格発表後に開催することになりました。私が神楽坂のお店から候補を出して、学生さんに選択してもらいました。また、マンツーマンというのも寂しいので誰か都合の合う学生さんを探しました。すると、ちょうどこの春に鍼灸マッサージ専門学校に入学する未来の学生さん（プレ学生さん）の都合が合いました。入学前ではありますが当院のセミナーに参加している方です。圧倒的な行動力で既に多くの鍼灸師、業界関係者と会って知見を広めて業界内の企画にも参加している凄いプレ学生さんです。

 

もう専門学校生が終わる学生さんとこれから専門学校生活が始めるプレ学生さん。二人は互いに面識がありませんが会わせてみたいと私は考えました。ちょうど入学祝いも兼ねて。

 

当日は午前中に当院に集まり互いに自己紹介をしました。どうして鍼灸マッサージ専門学校に入ろうと思ったのか。卒業後はどうしていきたいのか。などなど。これから入学、これから臨床現場。学生生活が入れ替わる立場の初対面の二人が会話をしています。１１：３０に予約した近くのレストランに入りランチ。フランス料理を楽しみながら話をします。

ひいき目なしに二人とも“凄い”ので、私は二人のやり取りを見ているだけでワクワクしました。来月から新しいステージに立つ人材がどのようになっていくのか楽しみです。

ここでの“凄い”というのは「行動力があり」「外に発信できて」「継続できる」人という意味になります。

 

今は本当に凄い学生さんがいます。影響力を持つというか。私が学生だった１５年前、またそれ以上以前から素晴らしい学生さんはたくさん存在したし、存在したことでしょう。私の同級生にはとても特徴的な経歴や能力を有した人がいました。今との違いはそれが外に発信されなかったこと。言わば知る人ぞ知るという感じです。今はＳＮＳがあるため、発信していけば自分がどのようなことをしていてどのような人物なのかを外部に知らしめることが可能です。発信ツールがあります。テレビ、雑誌、ラジオなどマスメディアに取り上げられなければ得られなかった知名度を今は自ら取りに行くことができます。かつては渋谷をうろうろしてスカウトを待った若い女性は、今はＳＮＳを通じて自分を表現します。その方が遥かに効率が良いからです。

 

このような時代になり、学生とはいえ色々なことができるようになりました。直接アポイントを取ってやり取りができます。コンテンツを作成して発表することができます。お祝い会に招いた二人はこの人に会いたいと思ったら行動して会いに行ける人です。一方は１年生の６月に外部セミナーに参加し、他方は入学前から鍼灸師に会いに行く。また二人ともブログなどのコンテンツを作ることができます。受け身ではなく実行する行動力に長けているのです。そしてそれを発信できる。それも継続していける。ここまでできる人は学生という括りを省いたとしてもなかなかいません。

 

私からみて、凄い鍼灸マッサージ学生だった方と、これから凄い鍼灸マッサージ学生になる方。お祝い会を理由に会わせてみたことは大きな期待と興味がありました。純粋なお祝いという気持ちと逸れますが。新しい風を感じる場だったのでした。４月からのお二人に活躍に期待しています。

 

甲野　功

 

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