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今月は京都に行きました。京都というと関東の人間から嘘か本当か耳にする聞く滋賀問題。京都の水は滋賀県にある琵琶湖から引いているので、滋賀県民が京都府民にバカにされると「琵琶湖の水止めるぞ」というもの。近接地域の小競り合いはどこにでもあり、関東だと埼玉県の浦和・大宮とか神奈川県の海老名・厚木などがあります。土地勘の乏しい東京都民の私には琵琶湖の大きさとその水路インフラに感心します。
さて琵琶湖からの水を通している様子が今でもはっきりわかるのが南禅寺にある水路閣です。南禅寺には昨年の京都訪問で行きました。そのときに水路閣もしっかりと見て歩いてきました。
京都に数多あるお寺の中でも特に有名な名刹、南禅寺。京都五山、鎌倉五山という禅寺の格式においても五山の上、別格とされます。観光名所の多い京都エリアでのお寺で清水寺、金閣寺、東寺と並んで特に人気があります。その理由は由緒あるお寺とか桜の名所ということだけでなく、この水路閣の存在が大きいでしょう。南禅寺のホームページには「疎水」として紹介されています。疎水(疏水)とは他の水源から水を引く目的で造られた水路のことをいいます。南禅寺には琵琶湖疏水の枝線水路が通過しています。なお琵琶湖疏水は日本三代疏水に数えられています。
水路閣とはレンガ造りのアーチ橋の水路。この建築物が南禅寺の風景に溶け込み(設立には大きな時代の隔たりがあるにも関わらず)写真撮影スポットになっています。若い女性が着物で写真撮影、動画撮影をしてSNSに投稿します。実用性だけなく芸術的な建造物として南禅寺を象徴の一つと言えるでしょう。重要文化財の三門と並ぶかそれ以上に南禅寺だと分からせるアイコンといいますか。
水路閣の建築は明治18年(1885年)に始まり、明治23年(1890年)に竣工しました。全長93.17m、幅4.06m、水路幅2.42mで、アーチ構造の13個の橋脚があります。この橋脚の連なりが写真に映えるのです。レンガ造りの近代建築は下から見ると迫力と美しさ、そして歴史を兼ね備えています。水路閣は造形だけでなく機能面ももちろん優れています。水源の確保や水力発電、防災など多岐に渡って活用されています。
水路閣の上、水路も歩くことができます。上がって歩いてみると山から現れた水路がまた山に消えていく様が見てとれます。軽い散歩コースですが眼下に南禅寺境内を見下ろしながら幅の狭い水路脇を歩くのは冒険心をくすぐられます。現役で使用されている水路だと水の流れを見て実感します。
南禅寺に来たらまず間違いなく写真におさめる水路閣。できれば上まで上がって水路を歩いてほしいです。明治時代にこれだけの建造物を作ったことに感心します。当然明治の前は江戸時代。明治維新、文明開化を経て作られた近代建築。南禅寺境内で映える外観の美しさだけでなく、この水が琵琶湖から流れてきたと思いを馳せながら先人の技術を感じてもらいたいものです。京都は観光名所があまりに多いので複数回行く場所はほとんどないのですが、南禅寺は2回訪れました。特にあの水路閣をもう一度見たい、写真にしっかりと納めたいという気持ちがあったからです。
甲野 功
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