開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
新宿区にある神社やお寺を紹介しています。
今回は法善寺です。
場所は抜弁天からほど近い余丁町通りから路地に入ったところにあります。近くにお寺があり表通りに面した東福寺の裏になります。住宅街に入り少し奥まったところにあるお寺です。
日蓮宗の寺院で正式名称が「春時山法善寺」といいます。旧本山は大本山池上本門寺。江戸時代の前期に実成院日相により開山しました。開祖の日相は弘法山三澤寺(静岡県)の第10世。三澤寺の寺伝によると承応3年(1654年)12月に七面山で一千日水行(僧侶の修業の一つ)を成し遂げてといいます。そして鳥取藩藩主池田綱清が大病を患った際に日相に平癒祈願を依頼したところ、即座に治ったことから以後深く帰依し寺領48,000坪を寄進したといわれています。
更に時が経ち、池田綱清が大久保(現在の新宿区)の鳥取藩抱屋敷付近に堂宇を建立し、日相を迎え「春時山光清院」を開山します。そののちに法善寺と改称しました。このような経緯から法善寺(東京都)と三澤寺(静岡県)の関係は緊密で、24代にわたる法善寺歴代住職の内、6人が三澤寺から新たに住職に就いています。
法善寺本堂には中正院日護上人(1580~1649年)の作と伝えられる「七面大明神像」(新宿区指定有形文化財)が祀られています。この七面大明神像は木造で約42cmの高さ。唐風の衣装をまとい宝冠をかぶり左手に火炎如意宝珠を右手に鍵を持ち、磐座上に立ちます。七面明神は日蓮宗の守護神の一つであり七面天女あるいは七面大菩薩とも称されます。「七面大明神縁起」によると13世紀末の建治年間に山梨県身延山中で修行中の日蓮上人の庵に、秀麗な女性が法話を聴きに来たので尋ねると、「自分は七面山の天女で日蓮上人の説法を聴いて悪道の苦しみから逃れることができた」と告げ未来永劫にわたり身延山を守護することを誓って立ち去ったという。つまり七面山に住む天女が七面明神ということ。日蓮宗総本山身延山久遠寺の鎮守です。
七面明神像は万治年間(1658年~1661年)に駿河国から移され、江戸府内で最初に祀られたものだとか。上に挙げた鳥取藩池田綱清が延宝年間(1673~1681年)に七面堂を建てて安置したと伝えられます。
更に法善寺には「寿老人」を祀っています。寿老人は七福神の一人で、中国出身の神様であり不老不死の霊薬を持つという長寿の神。老人星の化身。法善寺の寿老人は新宿山ノ手七福神の一つに数えられています。
境内は大きくなく、派手な感じがありません。知らないと気付かないのではないでしょうか。そばにある厳島神社抜弁天のように目立つ場所にあるわけではなく。知る人ぞ知るというお寺という感じです。ところが歴史や仏像の知識があると見る目が変わります。
甲野 功
コメントをお書きください