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~浅草寺淡島堂~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 浅草寺淡島堂
浅草寺の淡島堂

 

 

東京都内で最も古いお寺とされる浅草寺。その格式と規模は今でも健在で浅草という街の象徴になっています。浅草寺があったからこそ人が集まり経済が発展したともいえるでしょう。その浅草寺境内には様々な建物があります。今回はその一つ、淡島堂(あわしまどう)を紹介します。

 

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淡島堂は元禄年間(1688~1704年)に紀伊国(現在の和歌山県と三重県南部)加太の淡島明神を勧請して建てられました。和歌山県和歌山市加太に淡嶋神社(あわしまじんじゃ)があります。島の字が嶋になっていますが全国にある淡島神社(および粟島神社、淡路神社も)の総本社になります。古事記において日本を創造したと伝えられる少彦名命(すくなひこなのみこと)と大己貴命(おほなむじのみこと)の祠が神島(淡島)に祀られたことが始まりとされています。神社がなぜお寺に?という話になりますが、これは明治時代の神仏分離が影響しているようです。

 

淡島明神(淡島神)についても諸説あるようで、浅草寺のホームページには少彦名命が淡島明神であるとしていますが、他にも諸説あるようです。加太淡島神社を始めとする多くの淡島神社が淡島明神=少彦名命という説をとっています。他の説には淡島明神は女神であり女性を守るというものがあり、女性の守り神として信仰を集めてきました。江戸時代には『淡島の願人』と呼ばれる人々がいて江戸市中で婦女子に淡島明神の信仰を説いてまわっていたといいます。そのため淡島堂は“女人守護のお堂”とされています。

淡島堂の行事として2月8日の針供養会があります。針供養とは折れる、曲がる、錆びるなどによって使えなくなった縫い針を供養して近くの神社・社寺に納める行事をいいます。主に淡島神社または淡島堂がある寺院で行われるのです。

淡島堂の側には魂針供養之塔があります。これは昭和57年(1982年)に和服裁縫教師の方々により建立されました。女性を守る、針供養、が関連したものですね。わたしははり師として鍼(はり)を使うので少し親近感を覚えます。我々にも鍼(針)供養の儀式がありますので。

 

また、ホームページによれば一時期浅草寺の御本尊を淡島堂に置いて仮本堂となったとあります。それは第二次世界大戦中の東京大空襲により浅草寺本堂が焼失したときのこと。そののちに影向堂(ようごうどう:観音様を助ける守り本尊のお堂)として現二天門の南に移り、そして平成6年(1994年)に現在の場所に移築されました。今は浅草寺本堂の西側に位置しています。淡島堂には本尊である阿弥陀如来像、淡島明神像と本地仏虚空蔵菩薩像取子地蔵尊などが安置されています。本地仏とは日本の神は仏教の仏が姿をかえて現れたものとする“本地垂迹説”によるもので神の本当の姿である仏を指すもの。日本の歴史で育まれた神仏習合が生み出した説ですね。

 

他にも信徒が浅草寺に納められた写経の経題と巻数を奉納している写経供養塔があります。平成6年(1994年)に完成。これ以外にも天水桶石灯籠といった建造物が淡島堂にはあります。

 

広い浅草寺の一区画、数ある建築物の一つといえばそれまでですが、なかなか興味深い存在です。仏と神様、お寺と神社。神仏習合という歴史があり、明治時代の神仏分離。長い歴史を持つ浅草寺だからこそのものだと思います。本堂五重塔が目立ちますが、浅草寺を訪れた際は淡島堂も見てください。

 

甲野 功

 

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