開院時間
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これまで度々話題にしてきた東京五社。都内にある格式の高い5つの神社、すなわち大國魂神社、(山王)日枝神社、靖國神社、東京大神宮、明治神宮を言います。この東京五社全てを一日でまわる「東京五社巡り」がパワースポットブームで人気があるようです。かく言う私も年月をかけて五社全て参拝しに行きました。
改めて東京五社について調べてみると、どのような理由でこの5社が選ばれたのか定かではありません。あるネットの記事よると、『21世紀になってから、各社の横のつながりを基調として連携し、「東京五社会」を結成、毎年一回総会を行うなどの取り組みを行う中で生まれた、新しい五社めぐり。』とあります。
より。
21世紀、つまり2001年以降だとするとかなり最近の出来事です(比較しての話)。大昔から(例えば江戸時代から)決まっていたわけではないのですね。この情報を裏付けるものが見つからなかったので真偽が定かではないのですが、確かにかなり新しい神社が多いことに気付きました。改めて東京五社のデータを比較してみました。
●大國魂神社
ホームページ:https://www.ookunitamajinja.or.jp/
所在地:東京都府中市
最寄り駅:JR府中本町駅、京王線府中駅
社格等:武蔵国総社・旧官幣小社・別表神社
創建:(伝)第12代景行天皇41年(111年)
主祭神:大國魂大神(小野大神・小河大神・氷川大神・秩父大神・金佐奈大神・杉山大神・御霊大神・国内諸神)
●日枝神社
ホームページ:https://www.hiejinja.net/
所在地:東京都港区
最寄り駅:地下鉄赤坂見附駅、溜池山王駅
社格等:官幣大社・別表神社
創建:文明10年(1478年)
主祭神:大山咋神
●靖國神社
ホームページ:https://www.yasukuni.or.jp/
所在地:東京都千代田区
最寄り駅:地下鉄九段下駅
社格等:旧別格官幣社・勅祭社
創建:明治2年(1869年)
主祭神:護国の英霊246万6千余柱
●東京大神宮
ホームページ:http://www.tokyodaijingu.or.jp/
所在地:東京都千代田区
最寄り駅:JR、地下鉄飯田橋駅
社格等:別表神社
創建:明治13年(1880年)
主祭神:天照皇大神・豊受大神・天之御中主神・高御産巣日神・神産巣日神・倭比賣命
●明治神宮
ホームページ:https://www.meijijingu.or.jp/
所在地:東京都渋谷区
最寄り駅:JR原宿駅、地下鉄明治神宮前駅
社格等:官幣大社・勅祭社
創建:大正9年(1920年)
主祭神:明治天皇・昭憲皇太后
このように見ると大國魂神社が異質というか別格の歴史を誇ることが分かります。西暦111年、景行天皇の時代に創建されたと伝わります。景行天皇は12代天皇。初代神武天皇と10代崇神天皇は同一人物なのでは、という学説があるほど歴史が分かっていません。存在がはっきりしてくる15代応神天皇よりも前の時代となると神話の世界に近いくらい。とても古くからあります。更に大國魂神社があるのは府中市。もちろん江戸と言われる遥か昔からあるわけですが、東京五社の中でも一つ場所が大きくずれています。
創建年数でいうと次が日枝神社になります。赤坂にあり、太田道灌が勧請しました。太田道灌とは徳川家光の前に江戸を治めていた武将。元をたどると創建は文明10年(1478年)よりも古いのかもしれません。大國魂神社に比べると遥かに新しい神社ですが、それでも江戸幕府成立前ですから歴史があります。場所は現在の政治の中心、国会議事堂からほど近い赤坂、山王。現在は政治家の参拝がとても多いとか。
そこから一気に神社の歴史は新しくなり近代になります。靖國神社は明治時代に創建。明治維新後、日本を護るために命を失った御霊を祀る神社となっています。場所は千代田区九段下。日本武道館と目と鼻の先。境内には西洋軍服の銅像があり、近代に作られた神社です。
そして東京大神宮。意外にも明治13年とかなり新しい神社です。場所は千代田区飯田橋。都会のど真ん中にあり、他の東京五社に比べると規模はかなり小さくなります。御祭神から分かるように伊勢神宮直系の神社です(伊勢神宮内宮と外宮の御祭神と同じ)。我が家もずっと参拝している神社で日本初の神前式結婚式を行ったことが有名です。縁結びで有名で若い女性に大人気です。
東京五社で最も新しいのが明治神宮。明治天皇・皇后を祭っているため、もちろん創建は大正時代。約100年に創建されました。当時荒地だった現在の神宮の杜を計画的に開発し、今でも発展途上にあると言われています。神社の中では圧倒的に新しい神社の一つです。原宿駅からすぐという都心部でも特に繫華街にあります。
このように歴史と場所を確認すると大國魂神社以外は東京23区、それも港区、千代田区、渋谷区と23区の中でも特に中心に位置する区にあります。大國魂神社は歴史も場所も別格という印象です。この5社がなぜ一括りになったのでしょう。大國魂神社以外は比較的立地が近いので納得しやすいのですが。
私にとって大國魂神社だけが名前も知らなければどこにあるのかも分からない謎の神社でした。昨年こちらの方に行く事情が出来たので、長らく気になっていた大國魂神社を参拝してみました。現在の行政区分で言えば東京都になりますが、江戸と武蔵野国のような違いを感じます。少なくとも江戸時代では一緒になることは無かったでしょう(もちろん大國魂神社以外は存在していなかったことも踏まえて)。
現地に赴くと大國魂神社は本当に古くからあるという印象を受け、明治神宮は近代国家が力を入れて創り上げたと分かるのです。東京にあり格式が高いからという理由で東京五社とまとまっていますが、各々背景が異なります。何となく東京五社と言っていましたが、きちんと調べてみると意外な組み合わせなのだと思いました。
甲野 功
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