～東京スカイツリー～

東京スカイツリー。言わずと知れた東京墨田区にある名所です。今年初めて東京スカイツリーを上りました。その東京スカイツリーについて書きます。

東京スカイツリー

完成は２０１２年。今年はちょうど１０周年の節目になります。比較的新しい施設ですね。言い換えると同じ東京都内２３区にありながら１０年間上ったことがなかった都内有数の観光地です。私の今の年齢になると１０年前は最近という感覚です。

東京スカイツリー建築計画が決定した１０数年前は凄いフィーバーだった記憶があります。東京スカイツリー沿線となる東武鉄道は「これは千載一遇のチャンス」と語り完成前から猛烈なアピールを繰り返してきました。日光にある世界の建造物を精巧なミニチュアで展示する東武ワールドスクウェアに、その完成前から東京スカイツリーの模型を設置します。訪れる来場者に、完成したらこれくらい高い塔ができることを示し完成を待ち遠しい気持ちにします。そして東京スカイツリー完成前から東武ワールドスクウェアに、“東京スカイツリーの模型”を見たくて多くの人が足を運びました。

更には「東武伊勢崎線」において浅草駅～東武動物公園駅間および押上駅～曳舟駅間には「東武スカイツリーライン」という路線愛称名を付けてしましました。私は大学時代によく東武伊勢崎線「松原団地」駅（駅名は当時、現在は「獨協大学前（草加松原）」駅）に行っていたので、東京スカイツリーラインの表記が出てきたときは大いに違和感を覚えたものでした。傍から見ていても分かるビックプロジェクトでした。

東京スカイツリー完成が２０１２年。つまり２０１１年の翌年です。東京スカイツリーの完成には前年の東日本大震災を避けては通れないでしょう。建築途中で既に相当な高さまで建設が進んでいた東京スカイツリー。東京も東北程ではないにせよ甚大な揺れが襲いました。その瞬間も工事がしていました。あれほどの揺れですから最上部はとてつもなく揺れたことでしょう。３月１１日その日だけでなく、関東でもしばらくの間余震が続きました。余震を含めた東日本大震災にあっても建築途中の東京スカイツリーは倒壊することなく、翌年の完成に至ります。建築技術の高さを示すエピソードではないでしょうか。

また、その構造は日本の伝統建築である五重塔を参考にしており、『心柱』があることが有名です。それどころか日本伝統建築の『起り（むくり）』や日本刀の緩やかな『反り』の曲線といった発想を駆使していると言われます。東京スカイツリーの底面は正三角形であるのに、高くなるにつれて中心にまとわりつくようになり高さ３２０ｍで円の形になります。外観の美しさと機能を兼ね備えた日本らしい建築といえるでしょう。

その高さは知っての通り６３４ｍで世界一。ギネス世界記録に認定されています。第２位のアメリカのＫＶＬＹ－ＴＶ塔の６２８.８ｍを上回り、電波塔を含めた人工建造物でみてもドバイにある超高層ビル、ブルジュ・ハリーファの８２８ｍに次ぐ世界２位という高さ。細長い形状でこれだけの高さを誇ります。

色も日本伝統の『藍白（あいじろ）』をベースにした青みがかかった白のオリジナルカラー『スカイツリーホワイト』。浅草そばという江戸時代の中心地にあることを考え粋な演出です。藍染の品を集める当院にとっても親近感を覚えるのです。有名な話ですが高さ６３４ｍは武蔵野国（むさし＝６３４）から決めたと言われていています。当初は東京タワーの高さ３３３ｍを２倍した６６６ｍで計画されていたとか。

中に入ると専用エレベーターで高さ３５０ｍの展望デッキへ。この時点で周りに並ぶ建築物は存在せず、遥か遠くを見渡せます。個人的に高所恐怖症であるのでここだけでもお腹いっぱいです。更に追加料金を支払ってその上、４５０ｍの天望回廊へ。回廊とあるようにぐるっと回るのですが上にらせん状になっており、坂を上っていきます。私は高さに加えてこの坂（傾斜）がより恐怖を増すので困りました。展望デッキは広くて窓に近づかなければそこまで怖くなかったのですが、天望回廊は狭いので視界に外界の景色が入ってきてより怖かったです。一般来場者が行ける最高到達点がソラチカポイント高さ４５１.２ｍ。５０ｍも歩いて登った計算です。飛行機に乗らない限り見ることができない景色がありました。

高所恐怖症の私はそう何度も行きたい場所ではありません。

ここからは余談ですが、都市伝説やムー的な話でよく引き合いに出される東京スカイツリー。当初の予定高さ６６６ｍの６６６は反キリスト・獣の数字。実は現在の東京スカイツリーも地下施設を合わせると合計６６６ｍになるという噂。東京の新たな結界という話も一部ささやかれています。６３４ｍは日光東照宮の（標高を含めた）五重塔と同じ高さだとか石鳥居のある標高と同じだとか。日光東照宮のエネルギーを東京で受けるために建てたとか。そもそも日光と東京スカイツリーは東武鉄道で繋がっていて、日光東照宮のエネルギーを運ぶために東武鉄道が作られたという話も。更に東京スカイツリーがあるのはレイラインと言われる霊峰富士山、明治神宮、皇居（江戸城）、鹿島神宮を結んだ直線状にあるとか。上から見ると正三角形の中心に円があるのは呪術的な意味があるとか。色々と噂されています。個人的にこういう話が好きなので何が本当なのかは分かりませんが興味深いところです。

完成から１０年。やっと今年のぼった東京スカイツリーです。

甲野　功

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