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~美味しいものを食べに行く理由~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 広島の牡蛎
広島で知った牡蛎の美味しさ

 

 

もう10年以上前のこと。国家試験に合格し、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の各免許を取得した私は鍼灸整骨院に就職していました。30歳になる年の29歳でした。大学卒業後に一般企業に就職、そして退職。数年に渡る専門学校時代を経て、ここから第2の社会人生活を本格的にスタートさせるという時期でした。

当時の職場の院長兼オーナーに、きちんとしたレストランに行きなさいと言われたことがありました。「外食するときにどのようなお店を選ぶか?」という問いがあり、「安くていつも通っていて味が分かっているところに行きます」という私の答えに対して諭す意味で出た言葉でした。その時は本当に意味が、真意が理解できず、食事にお金をかけることなど無駄、お腹が満たせれば大した差がない、という気持ちがありました。なぜこのようなことを言われたかというと、この仕事(鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師)は人に行うものであるから対人サービスを体験する一環として勉強をしてこい、という意味合いがありました。安ければ、栄養が偏っていなければ、お腹に入れば、便利であれば、勝手を知っていて安心だから、といつものところに行っているだけだと視野が広がらない。その先になぜこれだけの価格を提示するのか考える必要を述べていました。

 

この鍼灸マッサージ師、ルーキーの年に指摘されたことはその後、年々意味合いが深くなり、幾度となく向き合うことになりました。食事、レストラン、料理、食べ物。どんどん掘り下げて考えるようになりました。

 

まず食事は“不特定多数と分かち合える娯楽”という面があることに気付きます。

食にこだわりが無かった私は結婚式を挙式する際に、妻が披露宴は食事にこだわる姿に少し驚きました。今は違うかもしれませんが結婚式は新婦のためにするものという考えが残っていた当時。妻の希望するように神前式で100名規模の披露宴をすることに賛同していました。3ヵ所式場を見学しましたが、その時に敢えて追加料金を支払って会場の料理をチェックしました。披露宴に参列する人の一番の楽しみは食事だから、と。その考え方になるほどと感心しました。それだけが決め手ではありませんが、最も食事が美味しい会場を選びました。

このようにまさに老若男女、出席者の状況を問わず楽しめるのが食事でないでしょうか。人間の基本的な欲求であり、誰もが生きていく上で必要な行為。同じ釜の飯を食う、という言葉があるように食事を共にすることは大きな繋がりを生みます。古事記でも死者の国で食事をした伊邪那美命(イザナミノミコト)は生者の世界に戻ることができないと言いました。

 

価格は料理だけで決まるわけではない

新型コロナウィルスが大流行して家食、内食が大いに広まりました。感染対策と自宅で食事をとる。その際にレストランの食事を持ち帰るスタイルが一気に広がりました。言い換えるとそれまでは持ち帰り文化が浸透していませんでした。多くの名の知れたレストランほど持ち帰りをしていなかったのです。それは料理だけでなくその環境にも価格が繁栄されているからでしょう。食器、給仕、内装、ロケーション、など。料理そのもの以外にも料理を楽しめる要素が多数あり、一流レストランであればあるほどそれらにも力を入れているものです。持ち帰りとなれば使い捨ての容器に料理を積めることになります。こだわりの食器も、美しい盛り付けも、料理を出すタイミングも関係ありません。レストランによってはサービス料を別途取るところもありますが、もちろん持ち帰りではそのようなことはできないでしょう。サービス料を取るということはそれだけのサービスを提供しているという自信があるから。プロの仕事をしているということです。美しい夜景が見える場所も、歴史ある古民家を改装したことも、食事に関係が無くなってしまいます。

レストランに入ったら料理以外のところにも目を向けて学ぶ必要があるということ。視野を広げる練習になるのです。

 

食事は外交カードになる

のちにあるテレビ番組で知ったことでした。優秀な外交官は素晴らしいレストランを網羅しているというのです。美味しい食事を提供すると分かると、相手は交渉のテーブルに出てくる。だから何パターンも調べて美味しい料理を出すレストランを知っておく必要があると。これはなるほどと思いました。

大学卒業後に半導体商社に就職しました。技術よりの部門にいたので接待というものをほとんど経験しませんでしたが、営業部はだいたい食事が接待の基本でした。新卒の私は理系出身ということもあり、営業という仕事を下に見ているところがあり、接待などしないで技術で交渉を有利に進めればいいのに、というおごりがあったものでした。30歳を過ぎて経営者の観点が生まれてくると美味しいものを知っていることがどれだけ大切なことか分かるようになりました

この頃になるとレストランだけでなく、食べ歩きやお土産でも美味しいものを知る必要を感じていました。旅行に行った同僚、家族、知人、友人が渡すお土産。これが美味しくないと(口に合わないと)印象が良くない。というよりお土産が美味しいと非常に印象が良くなることを感じるようになりました。そこでお土産にしてもきちんと渡して喜ばれるものを選ぶ姿勢ができました。よく行く、鎌倉、箱根、日光ではこれを買っておけば大丈夫というお土産を見つけています。例えその土地の名産品でも、本当にお土産で貰って食べて嬉しいのか、という問いをするようにしています。

 

美味しさは料理そののだけではない

お土産に関わる事ですが、その土地で食べるから美味しいということあります。私は高校生のとき山岳部でした。夏の合宿でテントを担いで山の中で泊まったとき。食料も燃料も限りがあるのでカップ焼きそばが主食だったことがあります。そのときに初めてインスタントのカップ焼きそばを食べたのですが、あまりの美味しさに感動しました。こんなものが世の中にあるとは。その気持ちを持ち帰り、後日東京の自宅で同じ商品を食べてみると。美味しくない。まずいわけではないのですが、山の中で食べた時の感動は皆無。あの時、あの場所、あの状況で食べたから美味しかったのだと知りました。

同じような経験で、2年前に子ども達を連れて箱根大涌谷に行きました。自宅から地下鉄、ロマンスカー、登山電車、ケーブルカー、ロープウェイと複数の乗り物と長時間かけてやっと着いた大涌谷。噴煙が上がる晴天の下で食べた黒たまご(温泉卵)。子ども達が本当に美味しいと声をあげていました。噴煙で作られて黒く変色した卵。まだ触ると熱いできたて。それを現地で皮をむいて塩をかけて食べる。それだけなのに美味しい。きっと持ち帰って東京で食べたらここまで美味しく感じないことでしょう。そのロケーションも混みでの味だったはず。今でもあのときの黒たまごは美味しかったと子ども達はいうのですから、1個100円に満たないものでも状況が味を変えるのです。

 

その価格に見合っているのか

これは開業してから、あるいは開業することを視野に入れてから得た感覚です。現在、当院のコースでは按摩指圧30分で4000円です。鍼灸+按摩指圧60分で7500円です。普通に考えて決して安い金額ではないはずです。一つの買い物で5000円くらい支払うことは日常生活では多くないでしょう。これがコース料理の外食をしたらどうでしょう。ちょっとしたディナーに行ったら。お酒を含めると3~7000円くらいは簡単いくのではないでしょうか。つまり私が提供する施術と同じくらいの価格帯がレストランでの外食に近いのです。この価格帯で万人が触れる可能性が高いものはだいたい外食か遠出するときの交通費という気がしています。子どもができてからはこれくらいの一人単価になるレストランに入ることは随分減りましたがそのような機会があったときは色々なことに注意しています。

 

美味しさと価格の関係を考える

料理(食べ物)の美味しさと価格は正比例するとは限りません。産地に行けば東京で食べるものよりもずっと美味しいものが東京より割安で食べることができることもあります。20年近く前に広島に旅行に行ったときのこと。宮島に渡ると多くの露店で牡蛎が売られています。食感が苦手で嫌いだった牡蛎ですが、広島の名物ですからちょっと食べてみようと買いました。その味にとても驚きました。美味しい。生臭い感じが一切ありません。これが産地の牡蛎というものなのかと。東京で食べたものとは大違い。そこから牡蛎が食べられるようになりました。当時の流通技術ではこれだけの牡蛎を東京で食べるには相当な価格になったことでしょう。希少であることや流通コストによって同じ美味しさ(品質)でも価格が変わります。この品質なのになぜこの値段なのだろう、と探るようにしています

 

自分をグルメとは言いませんが生活圏内、目の届く範囲で美味しいものを求めるようにしています。時に少し背伸びをしてお金を払って。“美味しい”を構成している要因は何か。価格は見合っているのか。その価格を決定するものは何か。食事は毎日することなので学ぶことがたくさんあります。

 

甲野 功

 

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