開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
いつの頃からかラーメンは高級料理になったような気がしています。繁華街にあるラーメン屋に入るとだいたい800~1000円くらいが相場。トッピングなどをすると一杯1000円を超えてしまうことも珍しくありません。もういいオッサンが昔を語るのもあれですが、小学校の頃は新宿でまだ一杯100円でラーメンを出していたところがあったことを記憶しています。まあ消費税導入前だと思うので大昔になってしまいますが。
私が小学校3年生くらいの頃、世はバブル景気だったはず。子供なので実感がわきませんでしたが、タクシーが当たり前のように乗車拒否をしていたことは覚えています。私が住む地域は銀行の社宅がたくさんあったので確実に子供の貧富の格差がありました。貧しい子供が多いのではなく、凄く裕福な子供がいる、という感じ。そのような時代にラーメンは100円で出したところもあった。
時代が進んで日本の経済はデフレスパイラルに陥ったとか、賃金が上がらないとか、言われています。それにも関わらずラーメン相場は値上げされ価格が落ちません(安いところもありますが)。これは一体どういうことでしょう。それはラーメンが進化の一途をたどり複雑な工程を踏まえた料理になったからではないでしょうか。今や単純な醤油味のラーメンを、お店で探す方が難しいのではないでしょうか。色々な具材を用いて何時間も煮込み、非常に手間暇をかけて提供する一品が普通になりました。
またラーメン市場はラーメン愛好家によって成長したと言えるでしょう。シビアな目で一品を審査。ラーメンを食べ歩く“プロとも言えるお客”が多数産まれました。彼らによりブログやSNSで評判は拡散されます。ファンは美味しければ炎天下でも並び、そうでなければ素晴らしい立地でもお客が入りません。専門誌や専門サイトが現れ全国のラーメン店の評価が可視化されています。
このような状況の変化が具材や手間を考えると一杯1000円ものラーメンを生み、その価格でも味が良ければ行列ができるということでしょう。もはや海外の人にはラーメンは中華料理ではなく日本食であり、ジャパニーズグルメなのだとか。中国人が来日して日本のラーメンを食べることを楽しみしていたという記事を目にしました。
気が付けばラーメン屋が生き残るのは大変な時代になっています。かつては、仕事が無かったらラーメン屋でも始めるか、など言われるほど安直にできる仕事と思われていましたが。そのラーメン屋業界でずっと近所で残っているお店があります。曙橋駅近くの「克味」です。
いつオープンしたのかは記憶にありませんがもう何年もある気がします。生まれてからずっとこの地域に住んでいて、いわゆる町中華、ラーメン屋がたくさんありました。その中でも残っているのは数が少ないです。できても気付けば閉店していたり、反対にいつまで経ってもお客さんが全然入らないのに潰れないところがあったり。このご時世でラーメンをメインにしていて生き残っている事は素晴らしいことだと思っています。
曙橋駅から防衛相側に行く大通りから少し中に入ったところにあります。中学校の頃に通った塾の側。個人的に思い出があるところです。もう少し進むと旧フジテレビ通り商店街があり、商店街に入る手前というところ。路面店ですがテナント料の面でも続けやすいのかな、と邪推してしまいます。
常連というほど入ったことはありませんが、何かの機会にちょくちょく食べに行くお店です。安いとは言えませんがそこまで高くもない。相場にあった価格帯。現代のラーメンを食べられるお店という感じです。凝り過ぎていないが手を抜いている感じもない。混まない時間帯に行くこともありますが、いつも落ち着いていて好感が持てます。他のそれなりに繁盛しているラーメン屋に入ったときはずっとオーダーを取りに来てくれなくて黙って出てしまったことがあります。店員を呼べばいいでしょうという意見もあるでしょうが、こちらも対人サービスの仕事を生業としているのでそれならば別のところに行くよ、という気持ちが芽生えてしまいました。
克味さんは色々なことが安定していて安心できるお店です。
甲野 功
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