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今年の3月にこのようなニュースが沖縄新報で出ました。
専門学校「SOLA」教職員ら労組結成 「不当命令で過重労働」主張 学園側「対話で対応」
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学校法人SOLA学園(野村美崎理事長、宜野湾市)が運営する専門学校の教職員らが13日、労働組合を結成した。労組は「不当な業務命令が過重労働となり、場合によっては処分や解雇に至っている。退職者も続出している」と主張している。労組は現状を改善するため、学園には団体交渉の開催、県に監査と指導を求める考えだ。本紙取材に学園側は「対話の場を設けて対応する」と答えている。
同労組は全日本建設交通一般労働組合県本部のSOLA学園支部で、支部長に柳楽聡治郎さんが就任した。専任職員の過半数超が参加したという。SOLA学園は2校、7学科を設置。スポーツ健康や柔道整復などで、救急救命などの学科は県内唯一という。留学生らも含め学生は400~500人が在籍する。
学校法人の運営に当たる理事会メンバーは2020年5月から入れ替わった。労組によると、教職員の雇用条件などの不利益な変更が始まったのは理事会の変更が契機という。
学科教員の1人は「経営幹部から勤務形態の変更を告げられ、応じなければ、これまでの月給の2割近くを下げると通告された。合理的説明はない」と指摘した。
21~22年にかけての教職員の退職者は30人近くに及ぶという。学校要職に就く教員は「大幅な賃金カットを告げられた。賃金以前に教育体制がなっていない」と話している。SOLA学園は賃金など雇用条件の変更の経緯について「お答えできない」としている。
退職者が相次いでいる影響で、学科によっては専任教員が不在の事態もあると労組などから懸念の声が出ている。学園側は「教員の募集はしているが、不在という状況ではない」と話している。
(斎藤学、友寄開)
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これは沖縄県にある学校法人SOLA学園沖縄医療工学院において教職員が労働組合を結成したという報道です。沖縄医療工学院は柔道整復師科を持つ専門学校です。その教職員が30人近くの退職者が出ているといいます。その理由は雇用条件が不利益に変更されたというものです。
続いて新学期となった5月にはまたニュースが出ました。
「正常な学校運営に戻って」 SOLA学園 大量離職で職員の負担増 休職も 悪循の改善訴える>
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専門学校を運営するSOLA学園(沖縄県宜野湾市、野村美崎理事長)で今年3月までの1年間に職員40人以上が労働環境悪化を理由に離職している問題で、本年度から在職中の職員が担当する1人当たりの授業数が増加し、準備などに追われて休職者が出る悪循環に陥っている。大型連休明けの授業再開への影響が懸念され学生にも不安が募る中、現在休職中の男性職員が本紙の取材に応じ、労働環境の早期改善を訴えた。
労働組合の中心的役割も担う休職中の男性職員によると、学園側から昨年度末、柔道整復学科の職員がこれまで5人で担当していた実技の授業を1人で務めるようにとの打診があった。昨年度まで1コマ90分の週7~8コマだった授業数は、本年度から11コマに増加した。
「労組として学習環境の改善を学園に求めている手前、授業数が増加しても質を落としてはいけない」と、責任感から勤務時間は増えたという。
増加した授業の準備で四六時中不安が付きまとい、食事は喉を通らず、不眠状態も続き、医師から「適応障害」「3カ月休職」の診断を受けた。診断後の4月25日以降、自宅療養している。
柔道整復学科は昨年度、3人が離職している。男性職員は「非常勤職員がリモートなどを交えて授業する方法はあると思うが、実技は教師と学生の対面実施が原則。離職した方を呼び戻さないことには、大型連休明けに対面授業を継続することは困難だと思う」と打ち明ける。
同科3年の学生は「5月になっても担当教師が決まってない時間割が配られている」と説明。「新年度になって常勤の先生もいない。放課後などの国家試験対策で先生に聞きたいとき誰に聞けばよいのか」と不安を吐露した。
労組側は職員の労働環境改善のため時間割の編成権を現場が持つことなどを求めているが、学園側は認めていない。一方、学園側は教師や学生の不安について「実技も含めて既存の先生と新しい先生で補填(ほてん)対応している」と回答し、授業には支障がないとしている。(社会部・松田駿太)
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柔道整復師科の教員が増大した業務により不調をきたし、適応障害から3ヵ月休職の診断を医師から受けたとあります。記事はこれまで5人で担当していた実技授業を一人でこなすように打診され、90分授業が週7~8コマだったので新年度から11コマに増加したとあります。
私は柔道整復師でもあるので分かりますが、生徒の数にもよりますが実技の授業を一人で行うのはかなり難しいものがあります。柔道整復師の実技はその多くを急性外傷の応急処置に費やします。特に脱臼・骨折の際に正常ではないところに外れた、あるいは折れてずれた、骨を元に戻す整復操作、そして速やかに包帯や装具で固定する包帯固定が非常に重要です。これらの実技は術者、第1助手、第2助手といった役割が必要でいわばチームプレー。たった一人でできるものもありますが、原則複数名で行います。そうなると教員1人で実技授業をすること自体無理があります。
待遇に不満があり多数の教職員が退職。学校側に意見を通すために教職員が労働組合を発足。残された教員の負担が倍増して体調を崩している。このような悪循環が記事からみてとれます。
またこのような記事もあります。
教員が大量退職の専門学校、実技もオンラインで実施…正常化求め保護者会結成
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教職員の大量退職などが問題となっている学校法人SOLA学園(宜野湾市、野村美崎理事長)が、対面が原則の実技をオンラインで実施していることが7日、学生らへの取材で分かった。保護者らは同日、学園運営の正常化を求めて保護者会を結成した。教職員の労組は学校を運営の正常化を求める署名を集めており、保護者会と共に県に提出する予定だ。
同日、浦添市社会福祉センターで開かれた保護者会結成集会に参加した柔道整復学科の学生が、オンラインで実技指導を受けていると明かした。学生によると、新型コロナウイルスの感染予防策ではなく、講師が休職したことに伴う措置で、県外講師が指導している。
学生は「実技は包帯や機材を使うこともあり、口だけの説明では感覚がつかめない。対面が原則なので、オンラインの授業が認められず、後で実技をやり直すことにならないか心配だ」と不安を訴えた。
また「大型連休明けには整うと説明を受けたが、担当の講師が決まらず、まだ受けられない授業もある」と説明した。
保護者からも「授業数が足りないようだ。今から予定されていたカリキュラムをこなすことができるのか」などの疑問の声が上がった。
教職員や保護者が集めていた署名は2千筆程度になっているという。署名と要請書は12日に県に提出する予定。県議会への陳情も検討している。(稲福政俊)
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対面授業でやる実技授業をオンラインで行っていることが取材で明らかにされました。書いた通り整復操作、包帯固定の実技授業は実際に人の身体、包帯、機材に触らないと授業になりません。また柔道整復師の特色として自ら固定器具を作成します。綿包帯なら一反の布を割いて包帯にします。厚紙を固定する部位に合わせてハサミで切り、綿を当てて装具にします。既存のものを使うだけでなく、その場で作り上げる。それは鍼灸科やあん摩マッサージ指圧科との大きな違いなります。他の科以上にオンライン授業ではまかなえない実技授業です。授業を行う講師がいないため沖縄県外にいる講師が指導しているということ。これは大変なことです。学園側に対して署名活動をしているといいますから、かなり混乱していることが伺えます。
<世界日報 沖縄県宜野湾市 SOLA学園で不当な解雇・減給 By編集部 2022年5月10日>
世界日報には2年前に理事長が代わったことで現場の混乱が始まったとあります。内容が恣意的にも取れる部分があるので詳しくは紹介しませんが問題の根幹は新理事長にあるという内容です。
沖縄県労働組合総連合ホームページには労働組合がいかにできたのかという視点でブログが掲載されています。
<一人のしかたないからみんなで変える!建交労SOLA学園支部を結成>
この内容からもかなり教育環境が悪く、新しい理事長及び学園側への不満が強いことが伺えます。
このあとどうなったのか情報が無いので不明です。通っている学生が無事に国家試験に合格し柔道整復師になれることを願います。
今回紹介したのは沖縄県の(主に)柔道整復師専門学校に関する内容です。通っている生徒からすると、学校の裏側は分からず入学するでしょうし運営・経営に問題があるなど露ほども思っていないはず。事前に分かっているなら入学を回避するでしょう。
柔道整復、鍼灸ともに専門学校は2000年以降、解禁されたせいで大量の新規参入がありました。既にピークは過ぎて専門学校は減少に転じている状況です。ここ数年、閉校といかないまでも学科の閉鎖による募集停止は増えていますし、学校法人が変更になる、学校名が変わるということも出てきています。既に自然淘汰は始まっていると考えていて、専門学校に文句を言おうにもその学校は無くなる、という状況はこれから増えていくと予想しています。今回の例は一例に過ぎませんが経営側と現場側の対立により、学生が苦しむ状況が他にも出てくる。そう考えています。
甲野 功
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