開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
先週のシルバーウィーク。月曜日と金曜日が祝日でした。当院も祝日を休みにしているので、この2日間でそれぞれ子ども達を連れてお台場に行きました。それは課外活動の様相。次女はお台場海浜公園の海岸で石や貝殻を拾いました。長女は日本科学未来館に行って展示や体験をしました。お台場から帰宅しても子ども達は自宅での学習が続きました。
長女とは日本科学未来館で学習になるお土産を買うことを事前に約束していました。理科の実験キットみたいなものです。組み立てて電池を入れると動く車、回るプロペラ。電気を流すと磁力を発生するモーター。これまでにこのようなものを長女に買い与えて自宅で組み立ててきました。日本科学未来館でもそういうキットが欲しいというのでした。お土産ショップを眺めると様々な面白そうな科学グッズが売っています。次女のために宝石のガチャガチャを買って帰ることは決めて、長女自身が一つ買いたいものを選んでもらいました。そこで選んだのが顕微鏡キットでした。2000円くらいで自ら組み立てるものです。電池が別売りですが、ボタン電池を入れるとライトがついて被写体を照らします。
小学校にある光学顕微鏡の簡易版です。これを選んだのはちょっと意外でした。組み立てる行程にやりがいが無さそう(簡単)だと感じたのです。案の定、長女はあっという間に組み立ててしまいました。
仕組みは顕微鏡と同じで、簡単ではありますが対物レンズと接眼レンズが付いています。プレパラートはありませんが試料プレートが3枚付属で付いていました。覗いてみるときちんとした光学顕微鏡に比べると倍率は低いですし小さくてとても見づらいのですが、それなりに拡大されます。
最初は組み立てたら満足したようでそこら辺に置いたままにしていた顕微鏡キット。それを使って次女が拾ってきた石やミネラルマルシェで買った宝石を私が観察し始めました。最初は立体の石は平面の試料プレートと異なりピントが合わず何が見えているのか分かりませんでした。しかしコツを掴んでピントを合わせることができて、その様子を子ども達に見せました。石の表面が拡大されて肉眼ではよく分からなかった凹凸や模様がはっきり見えました。そうなると自らやりたがるのが子どもというもの。自分でやると顕微鏡キットを私から取り上げて色々と試してみます。
外で拾ってきた石はよく見ると層になって重なっている様子。色が違う斑点のような模様。それまで分からなかったことが判明します。
続いて宝石を見てみようとなります。ミネラルマルシェで購入したアメジストやロンドンブルートパーズ。顕微鏡キットで見ると光が反射して複雑な輝きが分かります。
最初はピントが合わなくて苦労していた子ども達はすぐにコツを掴んでいきます。
立体であるためピントを合わせる範囲を狭くします。台に乗らない大きさであれば顕微鏡キット本体を手で持ってみます。それだと不安定で揺れてしまうので消しゴムやレゴブロックを用いて支えにします。見ることができなかった石、宝石の表面をどんどん観察していきます。
更に顕微鏡キットで見える光景をスマートフォンで撮影することを始めます。私が小学生の頃は色鉛筆でスケッチをしましたが、今は生徒一人一人にタブレット端末が配布される時代。ツールで撮影して記録に残すことは授業でも行っていること。長女は機用にたった一人でスマートフォン撮影を敢行します。やはり宝石の表面は拾ってきた石と違って綺麗です。
撮影してしまえばその画像を拡大することでより細かく観察することができます。ミネラルマルシェで購入したブルートパーズ。とても安価なので宝石の価値はほとんどないのでしょう。表面に濁りのようなものが確認できて、長女はだから安いのかもと予想。またカットした跡が分かると長女は言います。私はそこまで考えていなかったので感心しました。物理、化学、数学をメインに勉強してきたので地学に分類される石(宝石)の観察などきちんと学んだ記憶がありません。一本取られたような気持ちです。こちらが教えていたはずなのに、と。
更に顕微鏡キットで子どもたちは色々なものを観察していきます。長女はレジンで作った作品。細かいラメの様子を顕微鏡キットで確認。人工的に作った物体(それも自分で工作した)の表面を拡大して観察。とても綺麗で細かいと発見がありました。次女はコレクションしている拾ってきた様々な石。色は見れば違いが分かりますが細かい凹凸の違いを観察しています。研究の初歩は観察ですからいい学習を二人がしていると思いました。
勉強というより学習。答えがはっきりしている問題を解くのではなく、自ら学ぶ姿勢。それが大切だと考えています。スマートフォンで撮影するというやり方も現代らしい。紙にスケッチをしろというより作業が早く合理的。その画像をパソコンの大きな画面で見て明るさ調整をすることで、より細かい観察することができます。ツールの発達によって方法は変わります。きっかけを与えただけで子ども達が能動的に観察を始めたことが嬉しいです。
1週間の間に別々に連れて行ったお台場。そこで得たもの(石、顕微鏡キット)で自宅で更に学習に繋がりました。
甲野 功
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