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~新海誠監督と東日本大震災~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 新海誠本
来場者購入特典 新海誠本

 

 

昨日、新宿に出て子ども達とアニメーション映画『すずめの戸締まり』を観てきました。最近映画館で映画を観ることが好きになった長女。少し前は暗くて怖いと言っていたのですが。今年は何作もアニメ作品を観るのに連れて行っており、8月の『ワンピース』以来です

ご存知『君の名は。』で大ヒットを飛ばし有名映画監督として名を知らしめた新海誠監督。その次回作『天気の子』も大ヒット。録画でこれら2作品を観た長女は、アマゾンプライムやテレビ放送された過去の新海誠監督作品も視聴。最新作『すずめの戸締まり』も観たいと希望していました。そこで公開直後の日曜日に次女も連れて新宿に行ったというわけです。

 

映画『すずめの戸締まり』を観た感想

 

新海誠監督作品が特に好きということではない私。大ヒット作品ですから『君の名は。』も『天気の子』もテレビ放送を視聴しました。特に『君の名は。』では新宿区四谷の須賀神社が大人気になりました。また『天気の子』では新宿から代々木の街並みを驚くほど正確に映像化していました。長女の要望についていくという気持ちで特に強い動機をもって映画館にいったわけではありませんでした。

 

強いていうと、新海誠監督は日本が誇るオカルト雑誌「ムー」の愛読者であることに共感があります。前作品でも「ムー」が作中に登場します。そして神道というか古事記の物語をモチーフにしているところがままあります。「ムー」も神社もオカルトも好きな私には今作品でもマニアックな、分かる人にしか分からない、細かい視点があるのだろうと期待していました。

その観点で『すずめの戸締まり』を観ると、やはり古事記神話を題材にしていることがみてとれました。主人公は「岩戸鈴芽(いわとすずめ)」。扉を閉めるということから、名字の岩戸は“天岩戸(あまのいわと)”、名前のすずめは“天宇受売命(あめのうずめ)”から取っているであろうと思われます。一緒に旅をする青年「宗像草太(むなかたそうた)」の名字は宗像大社から取っていそう。物語の始まりの土地が九州というのは天孫降臨をした地、高千穂と関係がありそう。扉の向こう側にあるという「とこよ」は古事記で出てくる”常世(とこよ)”と同じ意味なのでしょう。

 

はじめのうちはどこかスタジオジブリ作品の様だと感じました。宮崎駿監督と新海誠監督との比較として、宮崎駿監督は自然を美しく描き新海誠監督は都会を精微に描くという意見があります。新海誠監督は特に東京都新宿周辺の大都会を写実的に美しく描きます。私は生活圏が新宿であるので作中に出てくる風景がとてもリアルに描かれていることがよく分かります。監督の過去作品『言の葉の庭』では新宿御苑が重要な場所として描かれるのですが、本当に御苑そのまま。そして美しく。大都会にあって森に囲まれた別世界。現実にそうなのですが、それを見事に表現しています。

この『すずめの戸締まり』では過疎化の進んだ田舎の港町からはじまり、のどかな風景そして廃墟が、スクリーンに広がります。話の展開やファンタジーなアクションシーンもどこかスタジオジブリぽいというか宮崎駿監督作品の匂いを感じました。

舞台が東京になるとお茶の水の景色が非常に正確に描かれていて、新海誠監督ぽくなったと思いました。私が実際に歩いた場所を本当に忠実に再現していて。やはりと思いました。

 

それから物語が進み、だんだんと気づいてきました。この作品は東日本大震災を題材にしているということを。

 

凄く期待して事前情報を集めていたわけではなかったので、このことはとても驚きました。一気に現実的になったというか。上映後にはこのことについて賛否意見が出ているようです。

 

『すずめの戸締まり』新海誠監督・本気の「震災描写」に賛否「トラウマの扉をあえて開いた」「人に容易に勧められない」

 

これは本当に観る人の立場によると思います。ある意味、老若男女問わず楽しめる娯楽作品にこのテーマを入れたことは大きな挑戦だったと思います。冒頭のシーンからもちょっと気になる部分があったのですが、それはこういうことかと納得しました。

公式サイトではネタバレにならない範囲で注意文章が出ています。

 

映画『すずめの戸締まり』公式サイト

 

●『すずめの戸締まり』ご鑑賞予定の皆様へ

 

映画『すずめの戸締まり』が完成致しました。

ご鑑賞予定の皆様、楽しみにして頂ければ幸いです。

本作には、地震描写および、緊急地震速報を受信した際の警報音が流れるシーンがございます。警報音は実際のものとは異なりますが、ご鑑賞にあたりましては、予めご了承いただきます様、お願い申し上げます。

「すずめの戸締まり」製作委員会

 

映画『すずめの戸締まり』ご鑑賞後、本編中に登場する、または関連のある場所への訪問をされる皆様におかれましては、近隣住人の方々へのご配慮、及び節度のある行動、マナーに十分心掛けながらお過ごし頂きます様、お願い申し上げます。

「すずめの戸締まり」製作委員会

 

前半は緊急地震速報及び地震の描写があることを注意喚起しています。これがはっきりと東日本大震災のことを描いているとは思いませんでした。そして後半はいわゆる聖地巡礼、作中の舞台になった土地におもむくこと、に対して住人へのマナーを忘れずに、というもの。これが東日本大震災を題材にするとなると意味が深くなると思います。

作品を観る前は子どもも楽しめるファンタジー作品だと思っていたのですが、後半になると一気に気持ちが引き締まりました。そういうことかと

 

更に来場者特典の「新海誠本」にある監督インタビューを読み、真意を知るとまた気持ちが揺さぶられました。新海誠監督は1973年生まれ。私の4歳上。同い年とはいいませんがすごく年が離れているわけでもありません。2011年の3月、監督は東京で震災を経験し0歳の子どもがいる自宅まで歩いて帰宅したのだとか。私は翌年の2012年に長女が生まれて、2012年3月11日の東日本大震災から1年というとき、赤ちゃんの長女を抱っこしながら自宅で黙とうをしました。そういった意味では近い感覚があったのかもしれません。

『君の名は。』では彗星の激突というフィクションで、『天気の子』では長雨で東京が水没するというフィクションで、東日本大震災を感じさせる作品にしたのだとか。そして震災から10年以上経過し、しっかりと向き合える時期がきたと本作『すずめの戸締まり』で扱ったという。またインタビューでは子どもが成長し、この年齢になったからこそ作れる作品だと語っています。声優ら作品に携わるキャストには東日本大震災の記憶がない(よく覚えていない)、実感がないという人もいたのだとか。同じように私は映画館で“あ、これは”と感じるところが多かったのですが、小学生の娘たちには何も感じませんでした。次女と話をしましたが、そもそも東日本大震災というものがよくわかっていません。東日本大震災後に親になった私だから感じるものがあるでしょう。東北出身の方、実際に被災された方は感じ方が違うことがあるでしょう。

 

公開前も今も多くの映画に関するプロモーションが行われています。そこで目立つのが「新海誠監督 集大成にして最高傑作」というフレーズ。それを私は、どのクリエーターにとっても最新作はその人の“集大成”でその時点での“最高傑作”になるのでは?といういぶかしげな眼でみていました。今はそのキャッチコピーの意味が理解できた気がします。大ヒットした過去2作品を経て、正面から東日本大震災と向き合うことができたということなのだろうと。

 

子ども達の付き添いという気持ちで映画館に行きましたが、観て良かったと思います。公開直後で来場者特典を読むことができて考えさせられました。細かいことはネタバレになるので書きませんが、ああそういうことかと後で思い返すことが多々ありました。

 

甲野 功

 

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