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~インラインスケートで身体と向き合う~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 インラインスケートの様子
インラインスケート

 

 

今年のテーマは「身体を鍛える」。昨年、冗談ではない体調不良に見舞われ、コロナ禍と子ども達が成長してきたことが重なり運動不足に拍車がかかったことを機に、身体を鍛えることを今年のテーマにしました。体重を落とすことを一つの指標にしていますが筋力、そして柔軟性が落ちていることを痛感しています。子ども達が小さいときはとにかく抱っこをしていました。赤ちゃんの時は軽くて可愛いですみますが、10kg、20kgと体重が増えてくると大変。特に熟睡した子どもは重たい。それに自分と子どもの荷物を持って。ベビーカーに乗らなくなっても抱っこすることは頻繁にあり、子どもを抱えて地下鉄の階段を登り降りしたものでした。その頃は自然と筋トレをしている状態でした。今は子どもを抱っこすることがなくなり体の負担は減りましたが、足腰も弱ったと思います。コロナ前はプール、スキーと旅行先で動くことがありましたが、この3年でかなり減ってしまいました。

 

どうにかしようとまた運動を再開しているところです。年末から年明けで良かったのが長女と一緒にインラインスケートをすることです。後楽園の青ビルにあるローラースケート場。私が小学生の頃からある会場に娘を連れていきます。私の頃はアイススケートのようにローラーが縦に1列に並ぶインラインスケートはありませんでした。4つのローラーがついているローラースケートのみ。当時は光GENIJI全盛期でローラースケートブームでした。長女にやらせるとローラースケートだと上手くできなくてインラインスケートを選択することになりました。教える手前、私もインラインスケートを履いて滑り方を教えました。

 

長女が最初にしたのは小学校1年生だったと思います。立ち方、歩き方、滑り方を教えました。教えたといっても、私も大人になって初めてインラインスケートを履いたのでアイススケートとローラースケートの感覚で教えました。教えておいてあれですが、自分自身もインラインスケートの滑り方を学びながらの手探りでした。

今では長女は手を差し伸べなくても滑ることができるようなりました。後楽園のスケート場は狭い初心者用のリンクと大きなリンクの二つがあります。もう一人で大きなリンクを周るようになり、最近は連続で10周滑っています。後ろから長女の様子を確認しながらついて滑るのですが段々スピードが上がっていて付いて行くのが容易くなくなっています。

 

長女のことを全力で見守らなくてよくなった分、自分自身のスケートに集中できるようになりました。

 

足の裏から床(フロアー)の感触を掴む。この感覚が最近生まれたのです。私も初心者に近く、インストラクターに滑り方を習ったことがありません。スケート場には上手な人がたくさんいますし、おそらくフィギアスケートの選手と思われる人も滑っています。動きを観察すると大して力を入れているようには見えないのにスピードが出ています。何より無駄に足を動かしていません。反対に、小さな子ども達がもがくように足をバタバタ動かしても全然進まない様子がよく見られます。この違いは何か考えながら滑っています。

 

つい最近、何か感覚が掴めたような気がします。足の裏の感覚が鋭くなったような。フロアーを掴めるような。そういう感覚です。それは懐かしい感じでした。大学から始めた競技ダンス。どのスポーツもそうでしょうが上達するには基礎練習が必要です。それも地味な地道な。学生競技ダンス選手だった頃、ウォーク練に時間を費やしました。何かというと歩くこと。歩くことを突き詰めるのです。ルンバウォークという独特の歩き方もあるのですが、私が専攻していたのはモダン(スタンダード)種目だったので、それは本当に通常の歩き方をまず習います。つま先から床について踵から抜ける。姿勢よく。下を見ない。ごく当たり前の日常動作を細かくチェックします。そこから歩幅を大きくし、膝を曲げてもっと足が出せるようにし、前進だけでなく後退もする、とレベルアップしていくのです。そのとき意識するのが足の裏や膝・股関節、上半身の状態など。全身に意識をいき渡らせて歩きます。

 

そのときと同じような感覚をインラインスケートでも覚えたのです。

 

通常歩行よりも遥かに繊細に重心の位置をずらしていきます。滑るので重心の位置が立てる範囲をちょっとでも逸脱するとバランスを崩してしまいます。しかし安定し過ぎてはスピードが出ません。スピードが出ないから余計に足を動かします。それは理屈で分かるのですが(解剖学、運動学、力学などこれまで得た知識から)、現実に動こうとすると思ったようにいきません。どうしたらよいのか。滑りながら考え続けます。上手な人は膝関節が曲がっている、下手な人は膝が伸びている。スケートシューズは足首ががっちりと固定されているので膝を曲げようとすると足首の動きは制限されてしまい、使うのは股関節。股関節で調整しないと膝を曲げることができない。そう気づいて股関節を使う意識を持つと前よりもスムーズに滑ることができました。

 

膝の向き、膝が曲がる方向も考えました。インラインスケートはローラーが一列に並んでいるのでその方向にしか体が進みません。膝の向きがローラーの向きと同じ方向にして曲げると無駄な力が減ることに気付きます。それは競技ダンス(スタンダード種目)で必要なつま先の向きと膝の向きを同じにしないといけないことに通じます。そうしないと膝に捻じれが生じるのと足の裏をしっかりとフロアーに使うことができないのです。同じようにインラインスケートでも膝の使い方を意識したら床に吸い付くような感覚が生まれました。

 

また肩甲骨を動かすと滑り方が変わります。社交ダンスのラテン種目では基本中の基本であるクカラチャという動作の上半身。その感触で肩甲骨を動かすと滑り方にうねりが生じるような気がします。通常の歩き方では一切感じませんが摩擦がほとんどない滑らかな状態だとダイレクトに走行へ影響するのでした。

 

基本動作に集中して向き合う長らく忘れていた感覚でした10代終わりから20代はいつもこういう感じで身体と動作と対話していたような気がします。こういうのを身体意識と呼んでいるのですが、肉体が衰えたことと共に身体意識が衰えていたのだと気付かされました。数年前までは子どもと一緒にいると意識の大部分を子どもの動向に向けていました。集中して動くことがなかなかできなかった。懐かしさを伴いながらもう一度身体を鍛えようという気持ちになっています。この心意気は本業の按摩、指圧、マッサージ、鍼などにも還元されるはず。

 

身体を鍛える。それは身体の感覚や意識と向き合うこと。今年のテーマにそって2023年を過ごします。

 

甲野 功

 

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