開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
いつか泊まってみたいと思うホテルが3つあります。
箱根富士屋ホテル。
日光金谷ホテル。
そして目黒の雅叙園です。なぜこの3つかというと個人的な趣味が合致するのです。レトロな雰囲気がありながら当時の最先端を走っている、時代が過ぎてレトロモダンという雰囲気。老舗旅館の雰囲気を残すホテルです。
箱根は神奈川県、日光は栃木県と他県ですが雅叙園は東京都ということで一番近くて泊まりやすいホテル。だからこそ観光旅行に行くわけではないのでおそらく挙げた3つのホテルの中で一番泊まる可能性が低い気がします。反面、近くにあるので訪れる機会が簡単にあるので、もう15年前のことになりますが雅叙園に行ったことがあるのです。
なぜ行ったかというと「百段階段」を見たかったからです。「百段階段」とは通称で建物のこと。現在はホテル雅叙園東京ですが、前身が目黒雅叙園。その3号館にあたる建物で昭和10(1935)年に建てられた木造建築です。平成21(2009)年3月、東京都の有形文化財に指定されました。折り返すことなく一直線に99段の階段が伸びていて途中7つの部屋があります。各部屋で内装の趣向が異なっていて豪華絢爛です。百段階段は通常宿泊しないと立ち入ることができないのですが、そのときはとバスツアーで百階段に入れること知り申し込んだのです。東京都新宿区に住む人間が都内を周るはとバスツアーに参加するのもおかしな話かもしれませんが、雅叙園に泊まらずに(つまり安価で)百段階段を拝めるということが魅力的でした。また百段階段以外にも雅叙園の中を巡ることができてとても盛り上がりました。
昭和3年(1928年)に創業者である細川力蔵氏が東京芝浦にあった自宅を改築した、純日本式料亭「芝浦雅叙園」が発祥。北京料理などを提供する高級料亭でした。それからより多くの方に楽しんでもらえるよう目黒の地に昭和6年(1931年)「目黒雅叙園」という料亭を開きます。ここが日本国内最初の総合結婚式場にもなるのでした。中華料理の店で一般に見られる円形のターンテーブルは目黒雅叙園から始まって、その後中国へ伝わったという説があるそうです。本当だとすると中国から逆輸入されて広まったのですかね。
お客さんに料理はもちろん目でも楽しんでいただきたいと考えた雅叙園は館内を豪華絢爛の装飾を施すのでした。この装飾センスが日光東照宮に通じる伝統的でありながら、色彩が激しいどこか猥雑な印象も受けるのです。昭和の竜宮城と呼ばれたその装飾美。そこに私は魅かれるのです。平成29年(2017年)に「目黒雅叙園」から『ホテル雅叙園東京』に名称変更します。
百段階段は撮影できませんでしたが建物内は本当に美しい作りでした。綺麗という表現の他に“豪華”が出てくるというか。私が訪れたときは着物が展示されていました。偏見かもしれませんが海外の方が分かりやすく楽しめる日本という感じ。
庭園は想像以上の広さで滝まであります。なおかつ滝を裏側がから見ることができました。庭園だけでもどこかテーマパークのような感じがあり、わびさびを感じさせるお寺の日本庭園と異なる、何か回遊していてわくわくする気持ちが芽生えます。凄いことに天井がサンルーフ。つまり屋内なのです。雨でも庭園を楽しめるという作り。海の底にある竜宮城を確かに彷彿させるかもしれません。
豪華絢爛な雅叙園でも特に有名なものがトイレ。億単位のお金がかかっていると言われています。トイレの中に川が流れ天井は金箔の天井画。螺鈿、朱塗りの伝統工芸品があしらわれていました。
百段階段を含めて雅叙園内を散策しました。噂以上、想像以上の空間。宿泊施設というよりテーマパークに来たようなワクワク感でした。東京都目黒という、箱根や日光のようなメジャー観光地ではない場所にある雅叙園。目黒は浅草のように歴史のある寺町でも神楽坂のような古都を感じさせるようなところでもありません。都心部の日常が溢れるところに雅叙園があります。しかし中へ踏み入れると日常を越えた異空間がありました。
甲野 功
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