開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
先週金曜日に東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科の卒業論文発表会がありました。私は毎年参加している恒例行事なのですが、今年はもう一つ違った狙いがありました。それは外部の、東京医療専門学校外の先生を呼ぶこと。それもあん摩マッサージ指圧師を。
東京医療専門学校の鍼灸マッサージ教員養成科(以下、教員養成科)はその名称の通り、鍼灸マッサージ専門学校の教員免許が得られる学科です。専門学校で授業を持つには原則として専門学校の教員免許が必要になります。現在、晴眼者(目の障害がない健常者)向けの教員養成科は全国に4校しかありません。東京に2校、関西に2校。当然、入学するにはあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師のいずれかの国家資格を取得することが条件です。東京医療専門学校教員養成科には全国から学生が集まります。各地の専門学校を卒業して資格を取った。ちなみに私は教員養成科30期だったのですが、北は北海道から南は鹿児島まで、まさに全国から学生が集まりました。
教員養成科には鍼灸科、鍼灸マッサージ科卒の学生がほとんどなのですが、たまにあん摩マッサージ指圧師科卒の生徒が入学します。たまにというのは日本であん摩マッサージ指圧師単独の科がある(晴眼者向けの)専門学校は3校しかありません。かつあん摩マッサージ指圧師科だけで鍼灸科がない学校は2校のみ(2023年2月現在)。それが日本指圧専門学校と長生学園。この2校の卒業生が東京医療専門学校の教員養成科に入学することがあるのですが、数は当然少なくなります。鍼灸のある専門学校は全国で数十校ありますが、あん摩マッサージ指圧師単独の科はそれに比べれば遥かに卒業生が少ないのです。
さて今年の卒業論文発表会はトップバッターが指圧の研究であることが事前に得た抄録からわかりました。その前から現在教員養成科2年生に日本指圧専門学校卒の生徒がいるという情報を得ていたのですが、研究内容を指圧にしたこと、更に演題順が一番目ということは今年に入ってから判明しました。この偶然を活かせないかと私は考えました。
どういうことかというと、当校教員養成科卒業論文発表会でも徒手療法(指圧やあん摩、マッサージなど)の研究演題は非常に少ないのです。当然あん摩マッサージ指圧師資格がない生徒はやりません。私のようにあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師の資格を持っていても研究内容は鍼灸を選択する場合が多くなります。今年、指圧の研究テーマがあること自体が珍しい。それならば私が面識のあるあん摩マッサージ指圧師の先生を会場に呼んで発表を聴くというのはどうだろうか、という思惑です。
卒業論文発表会は金曜日の平日開催です。私は毎年日程を空けますが、仕事をしている先生は無理があります。ところが今年は朝一番の発表ですから、最初だけ聴いてその後会場をあとにするならば参加できるのではないかと思ったのです。更に呼ぼうと思っていた先生方のうち3名は代々木に職場があり、東京医療専門学校教員養成科校舎も代々木。仕事前に聴くことができるのではないかと。もう一人の先生の職場は代々木ではないのです、個人的に代々木に縁があるのです。全員が知らない土地ではない。誘えば来るのではないかと考えました。
個別にお誘いした結果、4名中3名が参加できる運びになりました。
そしてもう一つ重要なことが、長生学園卒の先生と日本指圧専門学校卒の先生が会うことです。このことが最も私が願っていたことでした。
前に書いたようにあん摩マッサージ指圧師単独の専門学校は長生学園と日本指圧専門学校しかありません。他はあん摩マッサージ指圧と鍼灸が併設されている学校しかあん摩マッサージ指圧師を育成する専門学校はありません(晴眼者向けに限った話)。あん摩マッサージ指圧師養成専門学校の両雄が日本指圧専門学校と長生学園なのです。この2校はあまり交流がありません。少なくとも20年近くこの業界にいる私は両校の関係者が同じ場にいるところを見たことがないのです。学会や教員の集まりではあるのでしょうが。長生学園は長生術、日本指圧専門学校は浪越指圧と独自の指圧技術を確立しています。どちらも私は受けたことがあるのですが技術体系が大いに異なるのです。その2校の卒業生が東京医療専門学校校舎で一緒に会うという状況がわくわくするのです。長生、浪越、呉竹(呉竹とは東京医療専門学校の学校法人名)。異なる学校出身のあん摩マッサージ指圧師が集まることが珍しく、とくに浪越と長生が並ぶということに。
晴眼者向けのあん摩マッサージ指圧師養成施設は北から
・赤門鍼灸柔整専門学校(宮城県仙台)
・呉竹医療専門学校(埼玉県大宮)
・湘南医療福祉専門学校(神奈川県東戸塚)
・神奈川衛生学園専門学校(神奈川県横須賀)
・呉竹鍼灸柔整専門学校(神奈川県新横浜)
・東洋鍼灸専門学校(東京都大久保)
・東京衛生学園専門学校(東京都大森)
・東京医療専門学校(東京都四ツ谷)
・東京医療福祉専門学校(東京都八丁堀)
・日本指圧専門学校(東京都後楽園)
・長生学園(東京都雑色)
・国際鍼灸専門学校(東京都青砥)
・日本鍼灸理療専門学校(東京都渋谷)
・東海医療学園専門学校(静岡県熱海)
・名古屋鍼灸学校(愛知県尾頭橋)
・中和医療専門学校(愛知県奥田)
・京都仏眼鍼灸理療専門学校(京都府七条)
・大阪行岡医療専門学校長柄校(大阪府天神筋六丁目)
・関西医療学園専門学校(大阪府あびこ)
・四国医療専門学校(香川県宇多津)
・鹿児島鍼灸専門学校(鹿児島県鹿児島中央)
の21校です。
それぞれに設立の経緯があり伝統があります。同系統(同じ学校法人)もあれば単独のもの。各校のあん摩マッサージ指圧技術にどのような特徴があるのでしょう。それを知りたいという欲求が、私にはあります。一術者としての好奇心。そもそもあん摩マッサージ指圧師という言葉の通り、按摩とマッサージと指圧の3つの技術を一まとめにした資格。しかも指圧には各種徒手療法をまとめた名称であり幅が広い。全国21校の技術を知りたいのです。そして各校の横の連携を持ちたいと願っています。その一環として日本指圧専門学校と長生学園の卒業生が同じ場に会する機会を持つことにしました。
鍼灸に比べて人数が少なく、各学校の技術について知られていないことが多いあん摩マッサージ指圧師。年月をかけて調査し研究したいのです。そして連携していけるような場が作れれば。
甲野 功
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