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~東京医療専門学校中村先生インタビュー~

ハリトヒト。インタビュー 中村真通先生より
ハリトヒト。インタビュー 中村真通先生より

 

 

私は東京医療専門学校の鍼灸マッサージ科柔道整復師科鍼灸マッサージ教員養成科の3つを卒業しています。そのどれもが今の仕事に繋がるものですが、とりわけ最後に進学した鍼灸マッサージ教員養成科での2年間は非常に重要なものでした。3年間の鍼灸マッサージ科であん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格を取得し現在の仕事をスタートしたと言えます。臨床現場に出ながら通った柔道整復師科の3年間では学校の授業で知識をインプットし、放課後は現場において技術をアウトプットするというステップアップする時期であり、柔道整復師免許取得をしました。そしてより実践的な学習という意味で2年間を鍼灸マッサージ教員養成科で過ごし、卒業と同時にあじさい鍼灸マッサージ治療院開業に至ります。

 

東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科(以下、教員養成科)で過ごした経験があまりに大きいことは繰り返し書いてきました。その当時、教員養成科の科長だったのが中村真通先生(以下、中村先生)でした。現在は東京医療専門学校鍼灸マッサージ科・鍼灸科の科長を務めています。その前は10年に渡り教員養成科科長を務めて数多くの人材を育ててきました。その中村先生が今回鍼灸業界のWebメディア「ハリトヒト。」のインタビューに登場しました。

 

ハリトヒト。インタビュー 教員養成科という選択肢があることも知ってほしい/鍼灸師:中村 真通

 

「ハリトヒト。」は現役鍼灸師によって5年前に創設されたメディアです。現在は外部の人間がサポートに入っているようですが、ずっと鍼灸師によってインタビュー、撮影、編集等がされてきました。主に鍼灸師にインタビューをして、鍼灸学生のキャリアパス(資格取得後どのようにキャリアを積んでいくのか)において参考になるコンテンツを創ってきました。

 

今回、鍼灸師免許取得後進路の選択し一つとして教員養成科について話を聞こうという企画で、中村先生がインタビューを受けたのです。中村先生とは私が教員養成科30期として入学してから現在も関係があり、わずかですが仕事を受け持つ間柄。身内の登場に心が躍ります。そのインタビュー内容は学科長の立場からの言葉で、今まで知らなかったことが多々ありました。内容について触れながら感想を書いていきます。

 

まず東京医療専門学校の教員養成科があまり知られていないという事実。私は当然その存在を知っていたから進学したわけで、しかも卒業後も毎年教員養成科卒業論文発表会に参加し、知っていて当然という感覚です。業界一般的に知られていないというのは意外というか、私の感覚が全体とずれているということを思い知らされます。特に、“教員養成”科という名称から教員になるための課程という印象を持たれている、ということに驚きました。私の場合、臨床能力を上げることを主目的に進学したので。そもそも入学試験入試の面接で中村先生に「教員の就職口は多くないですよ」と説明されていたのです。わが校の教員養成科は臨床重視のカリキュラムであることが説明されます。

 

次に中村先生の経歴が判明。学歴や前職を知らなかったのでその内容は意外でした。特に、良い待遇を求めて生命保険会社に就職するも会社が倒産したという点。そこで次の進路としてこの業界に興味を示し、国家資格を取りたいと鍼灸マッサージの道に進む。ここら辺が、大学を卒業し一般企業に就職するも3年目で入院するほど体調を崩し脱サラを決意し結果的に鍼灸マッサージの道に進んだ私と重なるものがあります。更に、中村先生は高校1年生のときに柔道で捻挫した体験から医療の道を一度志したというエピソードも私自身の経験に通じるものがあります。

教員養成科25期から教員養成科科長補佐に就任。この25期というのは私に関係のある代でして、鍼灸マッサージ科の同級生2名が教員養成科25期なのです。もしも私が鍼灸マッサージ科を卒業してそのままストレートに進学していたら25期だったということです。そしてこの25期には関係が深い現関東鍼灸専門学校副校長である内原先生もいます。また私が柔道整復師科に進学した際には、東京医療専門学校の柔道整復師科と教員養成科は同じ代々木校舎にある関係で、同じ学び舎で1年間被ったのでした。

 

そして29期から中村先生は教員養成科学科長となります。29期は私の1期上の世代。柔道整復師科の同級生3名がそのまま教員養成科に進学しており、この同期から教員養成科の素晴らしさを聞いていました。鍼灸マッサージ科3年時に教員養成科の説明があり、そのときは少し興味があったのですが現場に出て働くことが最優先と考えて進学という選択肢を消しました。何よりクラスの成績上位者が進学するという場所で、私より成績がいい人が落とされていて、当時の私には場違いなところだったのです。鍼灸マッサージ科を卒業して5年。柔道整復師にもなった私は29期の柔道整復師科同級生の充実した姿に憧れて教員養成科進学を決意したとも言えます。その充実して環境を作っていたのが科長となった中村先生ということでした。

 

私が卒業した後に教員養成科のカリキュラム改正があり(鍼灸マッサージ、柔道整復とともに平成30年カリキュラム改正が行われました)、その新カリキュラム作成に携わった中村先生。これにより全国の教員養成科課程でより臨床能力が重視されることになります。東京医療専門学校の教員養成科は(専門学校の教員養成課程において)我が国で最も古くからあり、業界を牽引する立場にあることが分かりました。その作成過程において、中村先生が立てた、どんな人材を育成したいか、について3つの方針があります。

開業しても自信を持って治療ができる鍼灸師

チーム医療ができること

鍼灸教員として、学校方針に沿って柔軟に対応できること

この3つです。

一つ目は開業してやっていけるように、二つ目は組織に勤務したときのこと、三つ目は教員としての対応について、を想定しています。開業(臨床)勤務(臨床)教員という3パターンでやっていける人材。これら3つの方針は知らなかったので興味深いです(まあ、私が卒業してからの内容なので知らないのは当然なのですが)。

 

そして中村先生が教育を行う上で大切にしていることについて『時間』を挙げていました。中村先生のときは一人前の鍼灸師になるのに10年かかると言われ、それでは今の時代にそぐわない、だから短時間で効率よく育てて社会に貢献できる鍼灸師を養うことを目標にするのだと。これがよく言われるわが校教員養成科の「10年分の修業を2年間でおこなう」というものですね。そのために中村先生は治療スタイルの共通点・相違点を見出しながらカリキュラムを作成したといいます。このやり方が私にとって本当にためになりました。比較鍼灸学という分野が必要だと考えていて、数多ある鍼灸の流派を比較検討できる視点・知識が非常に大切だと考えていますし、教員養成科でそれを知る出発点を学んだのでした。

 

教員養成科のいいところは座学だけでなく臨床をがっちり行うことにあります。記事では出てきませんでしたが付属施術所に来るのは少額ながらも実費を支払う外部の患者さんです。学生、身内(学校関係者など)ではないのです。ですからプロの鍼灸師としてその技量が評価されます。そこで我を押し通そうとしても現実は甘くないよ、という実体験があるのです。私は鍼灸マッサージ免許を取って5年間の臨床経験があったので身に染みて分かっていましたが、新卒の同級生には教員養成科での臨床がその洗礼であったという人も少なくないでしょう。同時に自身の鍼灸術によって患者さんが喜んでくれる、感謝されるという素晴らしい経験もありますし、同期や指導教官に助けられるという体験も得るのです。

 

一方で、鍼灸師は稼げないとか、ネガティブなイメージを持つ学生も多いのではないでしょうか。

よく耳にする意見をインタビュアーがぶつけます。それに対する中村先生の回答がはっきりしています。

 

鍼灸業界も規制緩和で競争が激化しているので、もちろんネガティブな意見も頷けます。でも教員養成科の学生からはあまり聞いたことないです。今、鍼灸師は食えないと言っているのは敗者の声で、勝者になっている人の声が届いていないのかもしれません。きちんとした教育を施せば開業もできます。いろんな卒業生がいますけど、開業して継続しているケースが多いですね。この業界のさまざまな領域で頑張っている卒業生は僕の財産だと思っています。

きちんとした教育を施せば開業できて継続できる人が多い。それだけのことをしているよ、という自負が感じられます。この意見に大いに賛成で、私自身30期で最初に開業していまだに継続できています。全員が上手くいくとはいいませんが、かなり高い確率で教員養成科卒の先生は業界で継続できていると思います。元々大いに稼いで次なるステップとして教員養成科に進学する方もいますし。

 

反対に困った鍼灸師の駆け込み寺という一面があることにも触れています。高い年齢で就職先が上手く見つからないという鍼灸師に2年間でがっちり教育をして独り立ちできるようにする。この選択は良いと思いますし、受け入れ先として教員養成科が存在すると考えてもいいわけです。私自身も臨床に出て5年間が経ち、これより先に行くには大きな挑戦をしないといけないと感じていた部分もありました。例えば海外に修行するとか地方の有名先生に弟子入りするといったことと比べれば遥かに現実的で実行可能な選択だったかもしれません。中村先生の話を聞いたインタビュアーが『それは、知られざる教員養成科の魅力の1つですね。鍼灸の世界で何か壁にぶつかったとき、リスタートを切れる場所のように感じました。』という感想を述べていて、確かに!と私も共感できました。

 

中村先生は『教員養成科の魅力は、一生涯の仲間です。』と言います。結局、人。その言葉は重く、私も同感です。同級生はもちろん、一つ上と一つ下の学年の生徒も強い繋がりができるのが教員養成科です。それは同じ東京医療専門学校でも鍼灸マッサージ科、柔道整復師科には無いカリキュラムです。更には教員や講師も含めて貴重な出会いがあります。一生涯の仲間はどこでも作ることができるのですが、東京医療専門学校で3科を経験した私にはその意味が特に分かります。国家試験合格に向けて一緒に学んだ同志という感じの同級生から、国家試験をパスして免許を持った者たちが共に更に学ぶ場での同級生はより“仲間”という感覚があります。同級生同士による放課後の自主練習は本当にいい修行になりました。全国の学校から集まり知らない技術や考え方を学ぶ。それは学校の授業では得られないものでした。

 

今回のインタビューで学校運営側の考えが知ることができました。そして今の教員養成科は新しい科長になり、中村先生科長時代からまた変化しています。また当院に来る東京医療専門学校の学生さんの話から中村先生による鍼灸マッサージ科・鍼灸科も変化していることを知ります。学校教員がこのようなインタビュー記事に登場することは少ないですし、ある意味でリスクを伴います。それでも『ハリトヒト。』からの取材要請を許可した中村先生及び東京医療専門学校の決断。もともとそういうことを避ける校風だということは知っていますから。記事が完成し公開されて良かったです。

 

甲野 功

 

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