開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
昨年12月には3年ぶりに全日本学生競技ダンス選手権大会(通称、冬全)が1日開催、有観客、マスク無しという条件で開催されました。学生競技ダンス連盟に加盟する全大学が参加できる冬全。夏の全日本選抜戦と異なり、本当に全国の学校が出場対象となる大会。4年生にとって集大成となる、最後にして最大の公式競技会です。この冬全、2020年以降は密を避けるために2日間に分けて開催、観客は入れないという状況で行われてきました。昨年2022年は運営する学生さんの尽力もあり有明アリーナという大会場で開催。そのキャパシティーから観客来場可能、1日での開催が実現しました。事前では2日間、無観客開催という方針が示されていたのですが、会場を抑えることができたといいます。
昨年はコロナ前の2019年を超える学生競技ダンス選手が来院しました。本当に嬉しく、ありがたかったのです。
2020年に新型コロナウィルスが流行し、大きな影響を受けたものの一つが社交ダンス界。豪華客船のダンスパーティーによってクラスターが発生したという報道があり、非常に印象が悪くなりました。相撲だって柔道だってレスリングだってラグビーだって密着するものですが社交ダンスが目の敵にされたような雰囲気がありました。社交ダンスは屋内で不特定多数の人と接触し、かつ愛好者は高齢者が多い、そのような条件がより影響を受ける要因でした。ダンスパーティー、競技会、サークル、ダンススタジオとありとあらゆるイベントが中止や自粛に追い込まれました。
当院に来ていた社交ダンス関係者もぱったり来なくなりました。社交ダンス業界や飲食業界に比べれば、結果的に影響は小さなものだった当院でも、心理的にも経営的にも辛かったです。個人事業主ですから患者さんが来なければ売上はゼロ。マッサージ院、鍼灸院は東京都の判断で医療機関区分になるので休業要請に該当せず。すなわち休業したとしても補助金が出るわけではなかったので、営業する以外選択肢はありませんでした。あの寂しさは開業当初以来。むしろ社会状況がどうなるか分からなかった分、もっと不安でした。
それから約3年が経ち、多くの学生競技ダンス選手が来院してくれました。本当に感謝ですし、段々と学生競技ダンス活動が再開していく様を知り安堵しました。少なくない大学が活動休止、廃部という話を聞きましたし。
昨年の冬全が終わり、最後の大勝負を終えた4年生たち。来院してくれた選手の皆さんには特に感謝の気持ちが芽生えました。それをどうにか返せないかなと、年が明けて考えるようになりました。
現役生であればまた大会応援割引キャンペーンなどができますが、卒部した皆さんは該当しなくなります。そこで昨年4年生の来院回数に基準を設けて、それ以上の大学には2名限定で1回無料の施術体験していただくという考えに至りました。学生競技ダンスの基本方針に『学校を背景とする団体競技』というものがあります。上級生への恩はその学校の下級生に向けることがいいことであろうと。今回3つの大学に対して代表者に連絡を取り、下級生で来院希望があれば推薦してくださいというお願いを出しました。希望者がいなければ仕方ないという気持ちで。そして各校2名ずつ来院することになりました。
学連割というものを当院は採用しており、社交ダンサーケアというコースを一般の方よりかなり安く設定しますが、社会人の数千円と大学生の数千円は価値が違うでしょう。特に練習にバイトに忙しい学生競技ダンス選手は。人によるでしょうが、私の経験も含めて、本当に金欠の選手を多数見てきたので割引といえど料金を取ることに躊躇があります。しかしこちらも仕事なので無料にとはいきません。それと学生の時間を使ってもらっている自覚もあります。近所に住んでいるという選手はほぼいなくて、皆さん電車に乗ってきます。電車賃に移動時間を費やして来るのです。ときに、当院に来る時間を仲間たちと過ごすことに使った方がいいのではないかと思うことがあります。この年になると大学生の時間が非常に尊いものという感覚があり、申し訳ないという気持ちもあります。だからこそ選手を前にして真剣に向き合うのですが。
昨年の4年生が当院のために費やしてきた時間とお金に感謝してそれを後輩たちに還元する。これが趣旨です。ある選手が、「タダでこれだけしてくれてありがとうございます」、と言ったので、「それは先輩方のおかげですよ」、と返しました。今年初めての企画ですがやって良かったです。
甲野 功
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