～地域散策　ミセスキングスマン～

神楽坂はミシュランの星付きレストランが多数ある都内、いや国内でも有数のグルメエリアと言えます。ミシュランやビブグルマンと言わないまでも多くの名店があります。その分、生存競争は厳しく飲食店の入れ替わりが激しいです。それだけでなくとも２０２０年からの新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言は多くの飲食店へ大きなダメージを与えました。老舗、神楽坂の顔ともいえるくらいの有名店でも閉店や規模縮小となりました。

しかし新陳代謝があることが明るい話題で、コロナ禍でも新たな飲食店が続々とオープンしています。閑散とすることなく、閉店したらまた別のお店が登場する。そのような状況が２０２０年以降神楽坂では続いています。シャッター街、ゴーストタウン化することなく。そのブランドの強さに、地元民としては、心強さを感じます。

さて神楽坂と言ってもどこまでを“神楽坂”というのでしょう。最近は奥神楽坂とか裏神楽坂などといった名称も登場しています。なお神楽坂とつく駅は２つあり、東京メトロ東西線神楽坂駅と都営大江戸線牛込神楽坂駅です。最も賑わっているのは実は飯田橋駅が一番近いのです（神楽坂下エリア）。東西線神楽坂駅周辺は奥神楽坂と言われるようなところになります。そして駅名ではないのですが神楽坂中央通りという通りがあり、そこも以前からレストランが並ぶグルメストリートになっています。過去に神楽坂中央通りがテレビ番組「アド街ック天国」で特集されました。神楽坂下に出店する前にここで試す場合があると。神楽坂中央通りは東西線神楽坂駅の矢来口（飯田橋からより遠い出口）から外堀通りに向かう道。通り名に神楽坂が入っていますが、最も賑やかな神楽坂下から距離があります。神楽坂中央通りと神楽坂通りの間に都営大江戸線牛込神楽坂駅があり、そこ周辺は便宜上牛込神楽坂エリアと呼べるでしょうか。大久保通り沿いに密集はしていないのですがお店が点在しています。

さて昨年夏にこの牛込神楽坂エリアで大久保通り沿い路面店のカフェレストランがオープンしました。ミセスキングマンです。

Mrs.KINGSMAN（ミセスキングスマン）

昨年夏というと新型コロナ終息の兆しが見えてきた頃。もう慣れてきて規制緩和がされそうだという辟易として気持ち期待が入り混じった雰囲気があった頃。青と金色の外観が目立つお店ができたのでした。オープン当初から気になっていたのですが、この時代とこの場所なので様子見をしていました。最初の数ヵ月は繁盛しても風景に馴染んでくると失速して知らぬ間になくなってしまうことが珍しくないからです。

年を越えて春を迎えた頃に、知り合いが行ってみたという事を知り、私もランチに訪れました。

まず外観が自分好みです。濃い目の青を基調としています。私が青色が好きなので。

場所は大久保通りに面しています。牛込神楽坂駅Ａ３出口のそば。並びには焼肉店、中華料理店が、大久保通りの反対側にもレストランがあります。少し飯田橋寄りに進むと神楽坂上交差点があり、地元の人が多く訪れるが神楽坂通りから少し足を延ばせば観光客もやってくるという立地です。大久保通りから後ろに下がっているのですが、これは大久保通りの道路拡張計画があるためです。いつになったら実行されるのか定かではありませんが大久保通りが拡張される計画があります。私が子どもの頃から言われているので３０年以上遅々として進まない計画。そのため前が空き地になっています。本当に道路拡張がなされたら印象が変わるでしょう。つまり将来立ち退く必要がない立地なのです。

コンセプトは青と金色で統一されたアイリッシュ空間だそう。英国テイラーハウスをイメージしているといいます。外観も内装もテーマパークのように作り込まれています。外観から目を引き、中に入ると感心する。カウンターが並び、その横にテーブル席。奥に細長い造りでした。照明を意図的に落としているのでやや薄暗く感じます。私はお酒が飲めないのでよく分かりませんが、バーに来た雰囲気でしょうか。

食事はランチのバーガーセットを頼みました。いった時にはパスタセット、バーガーセット、グラタンセットがありました。ファストフードではない、ハンバーガーはやはり違いました。パンもハンバーグもしっかりとしています。

食べませんでしたがスイーツもお勧めのようで白いプリンと黒いティラミスという対照的な色のものが美味しそうでした。お酒が飲めないので料理とスイーツが気になるわけです。

絶妙に目抜き通りから外れて、規模も大きくなく。それでいて悪い立地ではない。残っていきそうな気がします。カジュアルレストランと謳っているので神楽坂でも入りやすいレストランでしょう。まだまだ知名度が低いと思うのでチェックしておくといいと思います。

甲野　功

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