開院時間
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5月14日の日曜日。グランドオープンしたばかりの総合ダンススタジオ『DANCE GRAND Harajuku』で行われたグループレッスン、『OBOGダンス同好会』に参加してきました。参加資格は学生競技ダンス連盟(学連)を卒部した者(=学連OBOG)。多いに汗をかきました。
学生競技ダンス連盟、通称“学連”。社交ダンス界において特異な存在。全国の大学にある社交ダンスを競技として行う競技ダンス部で作られる団体です。所定の大学に在籍していないと参加できない仕組みになっており、原則大学4年間しか参加できません。私は東京理科大学でこの学連という世界を知り、4年間の情熱を注ぎました。はっきり言って選手としては3流で大した成績を残せませんでしたが、その後の人生に大きな影響を与え現在の人生を築いたといえます。社交ダンス関係者、特に競技ダンス選手、もっといえば学連選手のサポートをしたいという動機が、一般企業に就職した私は今の道にジョブチェンジされたのです。
4月30日。オープン内覧会の招待を『DANCE GRAND Harajuku』様から受けて行ってきました。社交ダンス業界において革命的な施策といえる施設であることは既に書いた通り。そのときに挨拶して話が弾んだのが新井健伊稚・新井由紀子先生の御二人でした。プロラテンA級のカップルで有名です。また当院からほど近い市ヶ谷駅前のスタジオに勤務されていたので以前からチェックしていました。そして、何より私は御二人の学連時代を知っていました。御二人は同じ大学の先輩後輩という関係で、学連では別々の相手と組んでいました。超強豪選手でしたから大学は違いますがその名前はよく知っていました。私はモダン(スタンダード)専攻で先生達はラテン専攻。種目が異なりますが、東京理科大学のラテン専攻選手からすればライバルですから無関係ではありません。
学連は“学校を背景とした団体競技”という原則があり団体成績が必ず出ます。私が3年生のときは互いの大学が東部Ⅱ部校といって東部日本ブロックで下位グループの大学にありました。秋のⅡ部戦という大会で団体成績上位6校の枠を取るために鎬を削る間柄でした。その段階で強豪校に向かう過程にあった新井先生達の大学。翌年には圧倒的な強さでⅠ部校となり全国トップレベルになります。私の東京理科大学は依然としてⅡ部校のままでした。
新井由紀子先生は私と同学年で、学連時代は全く面識がありませんでしたが(こちらが一方的に知っていた)、オープン内覧会で同期と知り一気に親近感が芽生えました。この年齢になると同じ時代を生きた同志という意識すらあります。私のところと同じくらいの子どもがいることも相成って。そして5月14日に『OBOGダンス同好会』という企画があることをSNSで知り、参加することにしました。講師が同世代なら参加者も同世代が多そうかも、という期待があって。もう体が動かないことを実感するこの頃。記憶は四半世紀前の学連時代で止まっていますが体はそうはいきません。あまり若いOBOGの参加者と一緒だと不安がありましたが、新井由紀子先生が学連OBOGイベントを今年開催したことを知っていて、その様子から今回も大丈夫そうだろうと。
当日は予想通り参加者はほとんど同世代。上の人も下の人もいましたが、なんと私と同期が4名もいました。しかも全員学連時代に面識のない人でした。それでも共通の知り合いの選手、一緒に体験した大会などの話題があるのですぐに心理的距離が縮まりました。社交ダンスの場合、相手との物理的距離が近いのでそちらが大事。予選落ちばかりだった私にはあの頃のスター選手がいる、という憧れの気持ちになりました。後輩たちはどんどん強くなりましたが私の頃の東京理科大学モダン部門は本当に弱くて。全日本のファイナリストなど別次元の存在でした。そのときにコンプレックスが今の自分を創ったともいえるのですが。
レッスンは入念なストレッチ、準備運動から始まりました。今や身体のことに関しては専門家であるので、ストレッチの仕方から、おおよく分かっているなと心の奥で感心しました。僭越ながら。股関節の動きについて注意している点が流石だと思いました。
有名アーティストの曲に合わせたステップ。この時点で体が動かなくて参りました。ラテンができなくてモダン専攻にした私は思い通りに体が動かない。足と手が同時に動かない。運動とは別の汗が出てきました。
チャチャチャ(ラテン種目の一つ)のショートルーティン(短いステップ)。ほとんどベーシックステップなのですが、1年生の夏合宿でチャチャチャのスピードに付いていけなくてモダン専攻を決めた私にはきつい。学生時代に練習会で習ったことのないことはできないので頭が混乱。そんな音の取り方知らないぞ、と心の奥底で叫んでいました。
合間にダンスタイムが入ります。組んで踊るのは本当に久しぶり。パーティーだと自分よりずっと年上の女性とばかり踊るので運動量はかなり少ないのですが、今回は全員学連卒の元競技選手ばかり。フルパワーで動けるし動かないといけません。これだけ大きく動いたのは何年ぶりでしょう。身体が壊れないかビクビクしました。
後半にタンゴ(スタンダード・モダン種目の一つ)のショートルーティンをしました。これはよく知っているステップなので問題なし。学連時代タンゴは一番成績が出せたのです。楽しくできました。
ダンスタイムでは段々と動きを大きくしてバリエーションという複雑なステップを試してみました。社交ダンスの特徴として事前に互いにこのステップをしますからねという取り決めはなく、その場で男性側が動きを決めて女性側に伝えます。そこが男性側の腕の見せ所。ラテンは本当に大学の練習会で学んだことしかできませんが、スタンダードは体が温まってくるといくつかやってみようかなと。由紀子先生がクイックステップでバリエーションでいいですよと言われ、学生時代の当時非常にポピュラーなものをやってみました。クイックステップは最も好きな種目で組んであれだけ動き回ったのはいつ以来かと思いました。ダンスパーティーではまずやることができず。十数年ぶりだったかもしれません。それだけで本当に良かったです。
女性と組んで踊ると考えと体の動きが一致せずにストレスが溜まります。昔から組んだときに想定していることができなくて苦労しました。4年間の学連競技生活中、満足できたことは2回しかありませんでしたし。スタンダードは考える余裕があるので踊りながら意識が途切れている、バランスが崩れている、重心線が逃げている、など気になることばかり。もっと上手くできるようになりたいと思います。
社交ダンスは見栄っ張りがするものだと考えます。それか社交ダンスをやるから見栄っ張りになるのか。他人より姿勢よく、優雅に、素早く、力強く、カッコよく、ありたいと願う。参加者も指導者も私よりずっと年下だったら年齢を言い訳にしたと思いますが、参加者が同期や同年代だと見栄っ張りの感情がふつふつと生まれます。
レッスン後の軽い懇親会では社会人としての話がたくさんできて、ダンスとは別の意味で励みになり刺激を受けました。翌日は若干体が重たいくらいで酷い筋肉痛にはならず。身体に活を入れられた感覚です。心身ともに若返るような。数年前より子どもの手が離れてきました。これから臆さず挑戦しようと前向きな気持ちになりました。
甲野 功
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