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~金光先生の学連OBOG練習会に参加~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 ダンスグラン原宿にて
OBOG練習会にて

 

 

先日は原宿にある社交ダンススタジオ『DANCE GRAND Harajuku』で行われた学連OBOG練習会に参加しました。

 

DANCE GRAND Harajuku

 

学連とは学生競技ダンス連名の略称であり、大学で競技ダンスをしている団体です。北は北海道から南は九州までの大学が加盟しています。

 

この練習会は月に一度、代々木『BEST ART』の本池淳先生と原宿『DANCE GRAND Harajuku』の金光進陪先生が、交代に行っているイベントです。本池先生がスタンダード(かつての学連用語でいうとモダン)種目を、金光先生がラテンアメリカン(ラテン)種目を担当しています。本池先生は武蔵野美術大学ダンス部出身で、部歴でいうと私の1学年上。学生時代に大変お世話になりました。金光先生は東京外国語大学出身で私の3学年下で学連時代からトップ選手でした。お二方は私の大学時代と世代が被る、広い目でみると同世代になります。プロ選手に転向してからも素晴らしい成績を納めトップ選手でした。引退してから学連OBOGに向けてレッスンを行ってくれるようになりました。

 

先月、本池先生のモダン練習会に参加し、次は苦手なラテンの方も参加しようと決めていました。学連は2年生以降、専攻種目を決めてほとんど片方の種目しか練習しません。競技会が分かれるからです。私はモダン専攻だったので1年生までしからラテン種目に出場せず、1年生の夏からモダン種目ばかり練習していました。2年生以降も、現在は無くなっていますが、ラテン新人戦という大会で年に一度だけラテン種目に出る機会がありました。それも2、3年生時のみで4年生のときは専攻種目のみ。正直なところラテン種目(具体的にチャチャチャ、サンバ、ルンバ、パソドブレ、ジャイブ)は苦手です。しかも今回の内容が「みんな大好き、サンバのロールとパソドブレのツイストターン」というもの。私の大学は1年時に出場する公式戦ラテン種目はチャチャチャとルンバのみ。サンバとパソドブレは公式戦がありません(国公立戦はありますが)。特に馴染みのない2種目です。

 

伝統的に、また私が大学時代の頃は特に、母校の東京理科大学舞踏研究部(社交ダンス部)はラテン強豪校。同期には全日本選抜ラテン総合チャンピオンが、入部時の主将は全日本サンバチャンピオンがいて、ラテンが強かったのです。そのためラテンの基礎練習はみっちりやってきました。それは真面目に取り組んでいました。ただそれもチャチャチャ、ルンバまで。サンバ、パソドブレまで練習はしていなかった。そんな人間がプロフェッショナル部門の元日本チャンピオンの金光先生が行う練習会に参加しても平気なのか。不安がありました。

ただ参加者には同じあん摩マッサージ指圧師の鈴木先生や、かの本池先生も参加するということで一歩踏み出してみようと参加を決意したのでした。それまでに会場であるスタジオを訪れていたのも後押しになりました。当時は雨の中、何年前に購入したのか記憶にないラテン専用シューズを引っ張り出して、スタジオに行きました。

 

参加者は20名弱でしょうか。基本のルンバウォーク前後ベーシッククカラチャを行います。どれも大学時代に練習会で習った内容だったのでこれはついていけました。しかし途中で足元の違和感。最初は靴紐が解けたのかと思ったのですが、よく見たらシューズの底に貼ってある部分が剥がれていました。急いで完全に剥がして隅に置いておきます。真剣に練習をしたらあっという間にシューズが壊れてしまいました。金光先生のレクチャーは流石としかいいようがなく。どこかで聞いたことのあった指摘をより論理的に伝えてくれます。なぜこうしないといけないのかという理由があります。大学では先輩が練習会で教えるのですが、理科系学生なのに感覚派の先輩ばかりで、体現できなかった低学年時の記憶。あの頃言われたことはそういう意味だったのかと再認識します。

 

続いてサンバのロール。やったことのないステップであるのですが足の運びがワルツのナチュラルターンと同じ。先月のウィンナーワルツとかなり近いのです。それゆえに足型は踏めてもサンバらしさが出せません。というよりサンバらしさって何ぞや?という気持ち。そこの点もかなり金光先生が教えてくれました。ちょっとしたコツ(テクニック)で変わるものだと納得です。

パソドブレのツイストターン。こちらもステップ講習会で一応覚えただけのステップ。動きはナチュラル回転で男女組んだ状態でするのでモダン選手がやりやすいもの。パソドブレとはどのようなダンスなのか、それを理解した上でこう表現する、ということを順序だててレクチャーしてくれました。だからあんな独特の姿勢をするのかという納得。きちんと意味があってツイストターンというステップがあるのだと分かりました。また体の使い方がパソドブレは独特でその知識があるだけでも大きな進歩でした。

 

先月の本池先生のときも思いましたが、知識は絶対の武器です。トッププロは知識の絶対量があり(それはダンス以外の体のことや文化のことなど多岐にわたるもの)、それを用いて言葉で説明できます。それがとても面白い。凄い動きをさらっとするのはプロフェッショナルですから当然のことで、どうのようにその動きができているのか実現するのかをきちんと言語化できることの素晴らしさ。究極はやってみせて、同じ動きをしなさい、でレッスンは済むわけです。ごく一部の才能がある選手はそれでできるのでしょうが、大多数の習い手はそうはいきません。鍼灸マッサージの学生さんに教える機会があるので、この姿勢は非常に勉強になります。トップ選手であり、コーチャーとしてもトップであるということ

 

練習会後は二次会という名の飲み会へ。学連時代は何かと飲み会がありました。私は体質的にお酒が飲めませんが参加するのが嫌いではありませんでした。20世紀の頃は、今でいうアルハラ、パワハラが横行していましたが、この時代でいい年齢の社会人たちにはそういう悪い面の体育会系の雰囲気はありません。なお私は自らお酒を飲もう、飲みに行こうという気は全く起きないのでこういう機会でないと居酒屋に入りません。ですから練習会後の飲み会というのは、より学連時代を思い出します。初めてきちんと話をした方2名が、他大学の先輩で1年生時の4年生。ギリギリ同時代を過ごしました。この年齢になっても学連の先輩と一緒になるという機会があることに驚きます。学連という環境は特殊で、大学が異なろうが初対面であろうが、部歴は絶対的なヒエラルキーがあり、先輩は先輩らしく後輩は後輩らしく、自然と振る舞います。そのことを再認識しました。

 

新たな発見と、過去の思い出、両方を喚起させる学連OBOG練習会。ノスタルジーだけでなく今の仕事に活用できるヒントがたくさんあります。

 

甲野 功

 

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