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~成果を上げる能力 「ドラッガーのマネジメント見るだけノート」から~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 成果を上げる能力
成果を上げる能力について

 

 

あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、柔道整復師である私はあじさい鍼灸マッサージ治療院を開院して9年。独立開業して11年が経過しています。国家資格と同時に、10年以上個人事業主としてやってきました。臨床の勉強はもちろんのこと、少なからず経営、経済の学習をしてきました。大学で経営学を学んだわけではないので、ほぼ独学。開院する以前の経験と照らし合わせて書籍を読み、時に東京都が行う中小企業向けセミナーに参加し、学んできました。

 

重宝しているのが宝島社の『見るだけノート』シリーズ。これまでに何冊も読んできました。たくさんのイラストと少ない文章でエッセンスを紹介します。この本を読んでより詳しいことを学ぶために別の本を読んだり、検索したりして学習を進めています。最近勉強しているシリーズがこちらです。

 

毎朝5分で学ぶチーム全体で成果を上げる方法「ゼロ」からの教科書!

ドラッガーのマネジメント 見るだけノート

宝島社  監修 藤屋伸二

 

ドラッガーとは著名な経営学者(本人は社会生態学者を自称)であるピーター・ファーディナンド・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)のこと。氏が提唱した“マネジメント”の最低限の知識をまとめたものです。ドラッガーの名前は開業する前からよく知っていました。前職で管理職に就いていたときに勉強しました。今回、『見るだけノート』で、特にマネジメントに関することを、再度学ぶことができました。

 

今回はその中で“成果を上げる能力”について紹介し、それに対する私見を述べます。

 

ドラッガーは、成果を上げるには「経験」に加えて「学習」が必要だと説きます。その前に「知識」について。「知識」とは『資質」をもとに身につける“成果を上げる能力”のこと』だと定義しています。単なる頭に入っている情報というものではなく、成果を上げる能力であると。またその成果を上げる能力である「知識」は「資質」をもとにしているといいます。そして「経験」を積むだけでは成果が上がるとは限りません。「経験」から得られるものは限りがあるからです。例えば私の業界では、自身がスポーツ障害を経験したり、大病を患たったり、慢性的な疾患に悩まされたときに鍼灸に救われて鍼灸師を目指したという人が少なくありません。自己の経験から臨床に役立つ(=成果が上がる)ことはあるでしょうが、世の中にある全ての疾患を経験することなど不可能です。成果を上げるには「経験」以外にも学習することが必要になります。

 

ドラッカーは『ビジネスは「資質」が必要であるとともに「科学(学習)」も必要』と述べているのです。元々ある「資質」は必須であるが体系的な学習を行わなければならない。才能だけではビジネスは上手くいかない。感覚的に納得できます。鍼灸師の世界で言えば、持って生まれた才能で鍼を刺す、お灸を据える、経穴(いわゆるツボのこと)を当てられる、といった技術が優れた人がいたとします。そのまま優秀な鍼灸師になれるか、成果を上げる臨床家になれるか、と言われると答えはNOでしょう。他にも体系的に学ぶことは山ほどあり、技術だけでなく関連するあらゆる知識が必要になるでしょう。鍼灸師を養成する専門学校では実技以上の時間を割いて座学を学びます。才能という「資質」だけでなく「学習」も重要な要素であるはずです。

 

 

ここで改めて本書では各用語の定義や説明をどうしているか書きます。

 

成果を上げる能力」:知識、ノウハウ、強み、知恵。

資質」:適性や才能の活用(持って生まれたもの)。

学習」:ビジネスを科学的に分析する(後天的に身につけるもの)。

経験」:仕事をしながら経験を積む(後天的に身につけるもの)。

そしてこれら4つの用語は以下のような関係にあるといいます。

 

成果を上げる能力=資質×学習×経験

 

「成果を上げる能力」は「資質」、「学習」、「経験」の掛け算になるのです。掛け算という数学的表現であるのが重要で、3つの要素のうちどれか一つでも0だとすると、成果を上げる能力は0になるのです。他の2つがどれだけ優れていたとしても。

資質」という先天性なものに「学習」と「経験」という後天的に身につけるものを掛け合わせることで生まれる「成果を上げる能力」。それが知識でもある。「学習」には科学的に分析するという行為があり、ただ受動的に学校やセミナーで学ぶだけでなくしっかりと再現性があるかなど分析、解析することが必要。また現場での経験は机上の空論にならぬよう実体験を踏まえて習得していきます。その「経験」からまた「学習」を深めていく。

 

私は今の仕事に関連する専門学校を通算10年以上通いました。そして開業して10年ほどの「経験」。学校の授業による学習の他に、臨床現場で経営面を含めて「学習」してきました。日々の業務を漫然と過ごすのではなくそれを科学的に分析する「学習」が大切であると知りました。

 

甲野 功

 

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