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~鎌倉宝戒寺~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 宝戒寺
宝戒寺

 

 

大河ドラマが変わり鎌倉から徳川家康に時代が移行した感じがあります。しかし私は別の作品で未だに鎌倉に注目しています。それは現在少年ジャンプで連載している『逃げ上手の若君(松井優征作)』を読んでいるからです。こちらは史実を元に少年マンガにしています。舞台は1333年から始まります。当時北条氏によって支配されていた鎌倉幕府が幕臣足利高氏(後の足利尊氏)の謀反によって滅亡するところから。鎌倉幕府の正統な後継者である幼い北条時行の活躍を描いた作品です。私は日本史が好きな方ですが主に戦国時代と幕末で鎌倉~南北朝、室町時代は苦手でした。鎌倉幕府成立の頃は割と分かるのですが執権・北条氏に政権が移行してくると知識が疎くなります。更に南北朝時代になるとますます知識がありません。高校2年生から理科系コースになった私には社会や歴史は受験科目にあまり関係のないものでした。この『逃げ上手の若君』を読むようになってこの時代のことが分かるようになりました。

 

さて今回紹介するのは鎌倉の宝戒寺です。

 

宝戒寺 公式サイト

 

鎌倉駅から鶴岡八幡宮に向かい、右手に曲がっていくとあります。正式名称を金龍山釈満院円頓宝戒寺

元弘3年(1333年)に滅亡した北条氏を弔うため、建武2年(1335年)に創建されました。誰がその命を出したかというと後醍醐天皇。そして創建したのが(つまり開基が)なんと足利尊氏なのです。北条氏を滅亡に追い込んだ張本人である足利尊氏。後醍醐天皇の命というのも何ともいえませんね。また開基を足利尊氏ではなく後醍醐天皇とする説もあるようです。宝戒寺がある場所は、かつて北條義時の小町邸があり義時以降は北条氏歴代の執権屋敷がありました。境内に入ると手間に北条執権邸跡碑があります。また北条氏と鎌倉合戦東勝寺戦没諸精霊を供養する慰霊塔である宝篋印塔もあります。

 

開山は天台宗座主5代国師円観恵鎮慈威和上。座主とは住職最上位の別称で一般には天台宗を代表する僧侶への敬称となります。慈威和上は宝戒寺を人材育成の道場として戒壇院を置きます。そのため、加賀白山の薬師寺、伊豫の等妙寺、筑紫の鎮弘寺と共に遠国四箇の戒場(僧に戒律を授ける式場のこと)といわれました。

 

御本尊は木造地蔵菩薩坐像。貞治4年(1365年)仏師憲円の作で国の重要文化財に指定されています。そして鎌倉二十四地蔵尊の第一番とされています。他にも鎌倉三十三観音第二番である仏母准胝観音や鎌倉・江ノ島七福神の毘沙門天など多くの仏像が本堂に祭られています。以下の通り。

 

①聖観世音

②不動明王

③毘沙門天(鎌倉・江ノ島七福神)

④不動尊御前立

⑤仏母准胝観世音(鎌倉三十三観音 札所第二番)

⑥聖徳太子

⑦帝釈天

⑧子育経読地蔵大菩薩(鎌倉二十四地蔵尊 札所第一番)

⑨梵天

⑩十王尊 

⑪伝教大師

⑫閻魔大王

⑬五代国師慈威和上坐像 

⑭弘法大師

⑮唐仏地蔵尊 

⑯福徳の天女 

⑰結縁の天女

 

本堂以外にもお堂があります。

聖德太子を祭った聖德太子堂。聖德太子は仏教を厚く保護し、また優れた工芸技能者の育成したため諸職人の守護神として信仰されてきました。毎年1月22日に職人の技術向上、商売繁盛、家内安全を祈願し聖德太子講が厳修されます。

北条高時を德崇大権現として奉った德崇大権現堂。お寺の境内に鳥居があります。北条高時公が自刃した5月22日に大般若経を転読し歌舞音曲が奉納されます。転読とは大般若経を流し読むことで、舞うように流し読みされた経典の風に当たると功徳があるともいわれています。

秘仏で一般公開されていない木造歓喜天立像を祭る大聖歓喜天堂。毎年5月23日に諸願成就を祈念し大聖歓喜天供が厳修されます。歓喜天像は一般に小さいものだが、宝戒寺の像は像高155cmという大きさで珍しいそう。

 

そして「萩寺」の異名を持ちます。鎌倉には○○寺という異名があるお寺がいくつもあります。報国寺の竹寺、明月院のあじさい寺などが有名です。宝戒寺は萩の花が有名。萩以外にも四季折々の花が咲くことが知られています。

 

北條氏、足利尊氏、後醍醐天皇と縁のある宝戒寺。時代の移り変わりを示すお寺と言えます。鎌倉にはたくさんの神社仏閣があるためそこまで有名ではないように思えますが歴史を知った上で巡ると興味深いものがあります。

 

甲野 功

 

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