～箱根弥八七福神～

七福神巡り。昔からあるご利益があるとされる７つの神仏を巡るもの。一種のスタンプラリーとも言えるのではないでしょうか。全国各地様々な七福神巡りがあります。私の住む新宿区では山ノ手七福神めぐりがあり、旧内藤新宿から神楽坂まで。あるいは西新宿の成子天神社では境内に七福神像が点在し、一か所で巡ることができます。

神社仏閣巡りをするようになって七福神巡りも気になるようになりました。注意して見ていると本当に色々な七福神巡りがあることに気付かされます。私個人でも、家族でも頻繁に行くのが箱根。言わずと知れた関東屈指の観光地です。この箱根にも七福神巡りがあります。ところがとても地味であまり知られていません。むしろ知っている人はわずかなのではないでしょうか。観光案内でも大きく掲載されているのを見たことがありません。今回は箱根弥八七福神を紹介します。

場所は箱根の玄関口である箱根湯本駅から箱根登山電車で隣の駅、塔ノ沢駅にあります。塔ノ沢は箱根湯本駅の隣なので歩いてもいける距離にあります。塔ノ沢温泉という箱根十七湯の一つがある温泉地。箱根登山電車の駅境内には深沢銭洗弁財天があります。駅を出て険しい山を登っていくと紫陽花で有名な阿弥陀寺があります。また温泉施設である箱根湯寮や野外アスレチック施設、フォレストアドベンチャー・箱根も。塔ノ沢は箱根湯本の影に隠れてしまいますが様々な施設、名所があるのです。

塔ノ沢駅改札を出て山を下り、早川に向かって歩いていくと国道１号線に出る手前に現われるのが箱根弥八七福神です。まず弥八とは商人の名前でこの地に縁があったようです。情報が見つからず詳しいことは分かりませんが、弥八神社や弥八温泉という施設にその名前が残っています。そして現れるのが弥八恵比寿大黒天。弥八恵比寿と弥八大黒天が並んでいます。商人弥八を見守り続けた恵比寿と大黒天が祭られています。不況に苦しむ多くの人々の救いを願って建てられたといいます。本殿は小さな社です。もちろん大黒天、恵比寿は七福神のメンバー。弥八恵比寿大黒天の境内に七福神像が点在しています。七福神の一人、弁財天は子育弁財天として子どもを横に抱えた像があります。大黒天像と恵比寿像が単独で大きめのものがあります。他にも七福神像が道の道中に点在しています。

更に道に７体の七福神像が並んでいるところがあり、どれも早川の方を向いています。これほど近距離で七福神像が並んでいるのも珍しいです。山を下っていくと国道に出て、そこに境内入り口の案内があります。箱根湯本駅から国道を歩いた場合はこちらから山を上る形で境内に入っていきます。入り口には七福神勢揃いのモニュメントがあります。

高低差はありますが決して広いとは言えない境内。ほとんど狭い山道です。そこに七福神像が密集して点在し。本堂には恵比寿と大黒天の木像が祭られている弥八恵比寿大黒天。それ以外に屋外にある七福神像たち。なかなか稀有な七福神巡りができます。箱根の穴場スポットと言えるでしょう。

甲野　功

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