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昨日は東京体育館に行き、三笠宮杯を観戦してきました。
三笠宮杯。正式名称を「第43回三笠宮杯全日本ダンススポーツ選手権(The 43rd His Imperial Highness Prince Mikasa Cup All Japan DanceSport Championships)」と言います。社交ダンスを競技として行う競技ダンス。ダンススポーツとほぼ同じことなのですが、ちょっとニュアンスというかスタンスが異なるダンススポーツ。そのダンススポーツの最高峰と言える大会が三笠宮杯です。
三笠宮杯はその名称からわかるように故三笠宮崇仁親王に由来します。三笠宮杯は、昭和55年(1980年)に故三笠宮崇仁親王が旧日本アマチュアダンス協会(JADA)総裁にご就任いただいたことを記念して創設されました。JADAは現在JDSF(日本ダンススポーツ連盟)という団体となり三笠宮杯を主催しております。JADAが日本アマチュアダンス協会であったように、三笠宮杯はアマチュア部門の競技ダンス大会の最高峰として長らくありました。日本の競技ダンスにはプロフェッショナル部門とアマチュア部門があり、アマチュア部門の中でも特異な存在として学生競技ダンス連盟(通称、学連)があります。私は大学入学とともに競技ダンスを始めた人間で、学連出身です。プロフェッショナルはその名前の通り社交ダンスを生業にしている商業ダンサーで、生徒のレッスンやダンスパーティーでのデモンストレーション等で生計を立てているダンサー。アマチュアとは未成年、あるいは会社員などで社交ダンスを本業にしていないダンサー。そのような区分でした。プロフェッショナル部門ではJBDF(日本ボールルームダンス連盟)という最大規模の団体があり、奇しくも今年の三笠宮杯が行われた10月21日、22日に全日本選手権大会を福岡で開催しております。プロフェッショナル部門の大きな競技会です。対して東京ではアマチュア部門の最高峰、三笠宮杯が開催されていたというわけです。
しかし、現在はプロフェッショナルとアマチュアの区分はかなり曖昧になってきています。アマチュアと言いながらレッスンやデモンストレーションで対価を得て実質それが本業となっているダンサーが多くなっています。そしてアマチュア選手の団体であったJDSFも実質プロ区分であるPD(プレミアムディビジョン)を創設。従来のアマチュア区分をGD(ジェネラルディビジョン)としました。つまりJDSFにもプロフェッショナル部門の選手が誕生し三笠宮杯でもアマチュア(GD)とは別にプロ(PD)区分の競技会が開催されるようになりました。また以前からJBDFでもアマチュア部門の競技会を行っており、福岡でもJBDF主催の全日本アマチュアダンス選手権大会が開催されました。また昨年は(統一全日本戦ではない)バルカーカップという競技会が開催され、プロ・アマ問わない大会が開催されました。そこでの優勝者はスタンダード・ラテンアメリカンの両部門でアマチュアに属する選手が優勝を果たしています。しかも昨年の三笠宮杯と同日開催でした。
アマチュアとプロの線引きは曖昧となっており、選手本人がどちらに属しているかという状況でしか無くなっているのが現状です。また大きな競技会(ビッグコンペ)が同じ日に開催することでアマチュア選手はどの競技会に出るかの選択を迫られることがあります。プロ選手は所属する団体の競技会を優先させるので選択することはあまりありません。今回もアマチュアトップ選手が福岡と東京で分散するという状況がありました。
三笠宮杯。今年は久しぶりに聖地と言える東京体育館開催となりました。長らく三笠宮杯は東京都千駄ヶ谷駅前の東京体育館で開催してきました。新型コロナの影響などもあり、開催場所が変わっていたのですが、今年完全復活という感じです。今回は当院に来院している選手が出場するので応援、視察を兼ねて会場に向かいました。
これまで三笠宮杯会場にはほとんど行ったことがありません。結果は常にチェックしていますがあまり関りが無かった大会です。私自身は出場したことがありません。私が学連にいた頃は知り合いが出場することは少なかったので応援に行く機会もありませんでした。前回会場に行ったのは20年くらい前かもしれません。それくらい近くて縁のない大会でした。プロ団体が主催する競技会の方が圧倒的に会場に行っていました。
本当に久しぶりの三笠宮杯は改めてその規模を実感しました。東京体育館という会場。その立地と大きさはやはり目を見張ります。最高峰の大会と実感します。スポンサーも複数ついており、ダンス関連の出展ブースも華やかです。演出も凝っていてあの場に立ちたいと思わせる空間を演出していました。私が訪れたのは2日目だけですが、その日は芸能人カップルが出場することもあり在京キー局のテレビカメラも入っているのが分かりました。
出場選手は競技区分が広いこともあり、11歳以下のジュブナイル、15歳以下のジュニア、25歳以下のU-25、35歳以上と30歳以上のシニアⅠ、と小学生から中高年まで出場しています。現在のトップ選手はほぼ全員が幼少期からダンスをしている者ばかり。ジュブナイル、ジュニアと競技会に参加してキャリアを積んできています。私の世代のように学連からダンスを始めたという選手がほとんどだった時代と違います。幼いときから競技を始めるため三笠宮杯のレベルは高くなり、年齢は低くなっていきました。選手を育てるという意味で三笠宮杯は特にその存在は大きいなと会場で感じました。親子ほど年齢に幅のある選手が同じ会場で競技をしています。
イベントとしても気になることが多々ありました。SNSでの発信に力を入れていて、より世間に情報拡散を促す取り組みをしている。メインスポンサーの一つであるブルボン社のCMをオーロラビジョンで流します。トップ選手プロデュースメニューのあるキッチンカー。照明も効果的。興行としても工夫が施されており、伝統とノウハウが詰まっていると感心しました。会場は3時間くらいしかいなかったのですがタイムテーブル通りに分刻みで競技が進んでいきます。ここまで正確な競技会は珍しいです。8月に観戦したパラダンススポーツ国際大会は何時間も押していましたから。イベントとしてみたときにこれだけの大会を開催できる主催団体の機能と選手が集まる規模、観客を含めた関連する人や企業、まだまだしっかりしていると会場に居て感じました。新型コロナのことも含めて業界が低迷しているという話は多方面から耳にしてきたので、少し安心しました。会場で実際に目の当たりにし、雰囲気を感じないと分からないことがあります。機会があって三笠宮杯会場に足を運びましたがたくさんの発見がありました。
甲野 功
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