開院時間
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先週の19日に突如当院のホームページにアクセスが増えました。
アクセス解析ツールがあるのですがそのグラフをみるとずば抜けて数字が跳ね上がっていることがわかります。これはどういうことなのかと驚きました。内訳を調べてみると~ズンズン運動死亡事故~というブログにアクセスが集中しています。他のページに比べて数百倍という数。訪問者数とページビューの2つが数字として現れるのですがこのブログにはほぼ同数になっています。つまり当院の当該ブログだけを見に来たという事が分かります。他のページを幾つか見た上で閲覧したのであれば訪問者数に対してページビューがもっと増えるのです。
昨年1年間のブログアクセスランキングでも3位に入るのが~ズンズン運動死亡事故~というタイトル。投稿したのが2020年1月24日ですからちょうど4年前のこと。まだ新型コロナウィルスの影響が日本ではほとんどなかった頃です。根強くアクセスがあります。それにしても今年の1月19日に急激にアクセスが集中したのは何故なのでしょうか。
それには思い当たる節があります。というよりそれ以外原因は考えられません。
何かというと自称理学療法士を名乗るアカウントがXにポストしたものです。既に削除されているのでその画像や詳細は挙げませんが非常に問題がある内容でした。キーワードになる文言だけを紹介します。
まずこのアカウントはアカウント名に「Dr.」を入れております。海外では紳士という意味でマスター(Mr.)に近い意味で付ける場合がありますが、日本ではほぼドクターすなわち医師が使用することが多いと思われます。というのは医師法に医師免許を持たない者が医師を名乗ることを禁止する名称独占が記載されております。非医師があたかも医師だと認識されるようなことを禁止しています。ですから鍼灸院がクリニック、診療所などの屋号を付けるのは認められていません(所轄の保健所が許可してしまう場合があるかもしれませんが)。鍼灸科という○○科という表現もできません。内科、外科のような病院を彷彿させるからです。そのためアカウント名に「Dr.」を入れるのは医師でないならばちょっと引っ掛かるところです。既に述べているように理学療法士だとプロフィールにはあり、国家資格を取得しているなら関係法規も習っていると思うのですが。まあ俗称としてドクター○○というのは無きにしも非ずという感じです。
投稿内容が問題で“生後3ヵ月の赤ちゃん”に対して“噴門から肝臓をリリースしようとしたとき”という点が大いに注目されました。解剖学が分かる人には理解しがたいことだと思いますが噴門とは胃の入り口です。そこから肝臓をリリースとはどういうことでしょう。肝臓を引きはがすということでしょうか。何かの比喩表現かもしれませんがあまりに荒唐無稽です。このポストに対して整形外科医を名乗るアカウントは本当に行うなら血の海で死亡すると指摘しています。更に対象が赤ちゃんということがより一層問題に。当該ポストには顔にモザイクを入れた赤ちゃんの画像が添付されています。赤ちゃんに何をしたのでしょうか。
さらに“全く無反応な深い眠りに入っていました”、“だらりと脱力”という状況になったとあります。これは昏睡状態ではないのか?という疑問が浮かびます。少なくともポジティブな状態と受け取っていいのだろうかという。肝臓のリリースだけでなく“腹筋の裏側の癒着、大腰筋とS状結腸の癒着などをリリース”という外科手術かのような表現をしています。この文言通りのことを徒手で行うことなど不可能です。本当にできるのであれば超能力の世界。医学知識がある者であれば万人がそういうでしょう。小児科医を自称するアカウントからは苦言を呈していました。実際に何を行っているのか不明ですし、ネタなのかもしれません。しかし医学知識のない人が見たら素晴らしい技術だと思って施術依頼をするかもしれません。そのことを危険視しています。
このポストが問題なのは赤ちゃんに施術して効果があるかのような印象を与える内容だからなのです。赤ちゃんは言葉を発することができません。泣く、笑うといった感情表現しかできません。意思疎通が大人や子供に比べても非常に困難です。不快なことをされてもその程度が分かり辛いのです。赤ちゃんにとって泣くことは当たり前で命の危険を感じているのかぐずっているのかの区別は容易ではないのです。だからこそ赤ちゃんへの対応は非常に注意をしなければいけません。このポストに対する危険を感じたのは通称「ズンズン運動」と言われる乳幼児に対する施術によって死亡事故が起きた過去を想起させます。このポストから知った人もいると思います。新潟県で起きた事件で医学知識のない者が乳幼児の首を過度に捻るような手技を行い死亡させたのです。あの悪夢を再び起こすのではないか。そのように考えた人が多かったはず。これが当院のブログにアクセスがあった原因なのでしょう。当該ポストがあったその日に急激に閲覧数が上がりました。「ズンズン運動」で検索をしたらヒットしたのでしょう。
今回のアクセス急上昇は色々と嫌な気持ちになりました。うちのホームページがたくさん見られてラッキー、などの気持ちはありません。こんなことで注目されても仕方がないです。匿名で発信している以上、どれも自称○○であり、本当に何をしているのかは定かではありません。全て嘘、虚偽である可能性だってあります。しかし真偽はどうあれ、はっきり言って良くないことです。冗談では済まされないですし本気だったらなお問題です。
甲野 功
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