～地域散策　アッタ～

うん十年という期間にわたり当院の近所にある大通りが拡幅工事をしています。都営大江戸線牛込柳町駅がある場所は大久保通りと外苑東通りが交差するところ。都営地下鉄大江戸線は大久保通りの下を通っています。大久保通りが外苑東通りと重なる市谷柳町交差点付近に駅があり、出口はその交差点周囲にあります。大久保通りと外苑東通りの幅を拡張するという都市計画は私が子どもの頃からありました。一体いつになったら完成するのか分かりませんが道路拡幅工事は続き、外苑東通りにあった２つの商店街は実質消えました。大久保通り沿いにあった店舗も数多く無くなってしまいました。外苑東通りの方は工事の終わりが見えてきた感じで市谷柳町交差点から弁天町に向かう部分の道路工事が進んでいます。３０年前に比べると市谷柳町交差点交は非常に広くなりました。横断歩道の距離はまし、十字路は大きく空間ができています。ここまで広くする必要があるのか分かりません。その周辺にあったたくさんのお店や建物はたて壊されてしまいました。

その交差点に路面店があります。それがA.t.t.A（以下、アッタと表記）です。

Food & Items A.t.t.A

２０２１年７月にオープンしたのでまだまだ新しいお店です。コロナ禍の最中にできました。当初は店の前に建物や遮蔽物があったのですが段々と交差点が広くなるにつれて視界が良くなり目立つようになっていきました。当時は新型コロナウィルスが流行して２年目。１年延期した東京オリンピックが開催されるも観客不在という情況。国立競技場がある東京都新宿区も世界的イベントがあるにもかかわらず盛り上がりは感じられませんでした。オリンピック反対のデモ隊が集団になっており、三密だよね、と報道をみていました。そんなお世辞にも明るい雰囲気があるとは言えない時期に新店舗がオープン。コロナ禍前から都市開発のせいでどんどんお店が消えていった場所に。お店は減りマンションが増えるこのエリアに。こう言っては失礼ですが定着するのかと観察していました。

実際に店舗を訪れると食料品とお弁当、さらに雑貨も扱っていました。お弁当、総菜、スイーツ。ジュース、調味料、加工品。セレクトショップに近いイメージでした。来院したお客さん向けにケーキやプリンを買ったり、お土産に味付きの塩を買ったりしてきました。約３年の月日が経ち地域に定着したなと感じました。

調べてみると店舗に先立って２０２０年に墨田区で食料品・日用雑貨の製造及び販売を事業とする『株式会社Thirty-Four Market』が設立されます。そして翌年に東京都新宿区、都営地下鉄大江戸線牛込柳町駅前に店舗をオープンしたのでした。自前で製造できる強みがあるのだと分かりました。＜『食』で人の幸せを彩る＞をコンセントとしています。お弁当が充実していますし総菜もあります。食に対するこだわりが感じられます。コロナ禍の２０２１年当時は外食産業が苦境でテイクアウト需要が高まっていました。かつて大久保通りを挟んだところにオリジン弁当があったことを思い出します。そこをよく利用していたのですが道路拡幅工事のために無くなったのです（最近はすぐ近くにオリジン弁当が再出店しました）。

食品だけでなく雑貨もあります。屋号の由来は来店の旅に新しい発見が「あった！」と感じてほしいからとのこと。お店のコンセプトは私の好みに近いなと感じました。お弁当屋さんという印象だけでなく。ちょっとしたプレゼントにできる小物がそろっていることで来院目的が増えるのではないでしょうか。個人的に猫のイラストが好印象です。猫好きなので。店主の親族が自宅で飼っている猫をモデルにして描いたロゴだそうです。こういうところも私のところと似ているなと思いました。

駅からすぐの路面店。道路拡幅工事が終わっているので立ち退きの恐れがありません。長く続いて新しい駅前の風景として定着するといいです。当院に来院した際には足を向けてください。

甲野　功

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