開院時間
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東京都文京区には「文京花の五大まつり」というものがあります。つつじ、桜、紫陽花、菊、梅の5つの花がテーマです。「文京さくらまつり」が播磨坂さくら並木で、「文京あじさいまつり」が白山神社、「文京菊まつり」と「文京梅まつり」が湯島天満宮で行われます。なお「文京あじさいまつり」が開催されているときの白山神社には行ったことがあります。そして最後の「文京つつじまつり」が根津神社で行われます。有名なので写真を見たことがある方がいるのではないでしょうか。つつじと鳥居のトンネルが映った写真を。この鳥居のトンネルですが、根津神社境内ではあるのですが、正確には乙女稲荷神社のものです。稲荷神社の総本山である伏見稲荷大社が有名ですが鳥居を何基も連ねてトンネルにするのは稲荷神社の特徴です。過去に根津神社を紹介しましたが今回は乙女稲荷神社を紹介します。
東京十社の一つ根津神社の末社になりますが、存在感がある乙女稲荷神社。その名前の通り古くから女性の味方とされていて縁結びにご利益があるとされています。社殿の奥に風穴があり、それが女性の象徴とされているところから乙女の名前がついたとか。古くは穴稲荷と称されていました。
稲荷神社ですのでご祭神は倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)。根津神社の創建は1900年前とされておりますが、乙女稲荷神社は宝永3年(1706年)に根津神社が現在の場所に遷座したあとに社が置かれました。
根津神社の表参道から鳥居をくぐり神橋を渡ると左手に乙女稲荷神社の石鳥居があります。そこをくぐると左手につつじ苑、正面に千本鳥居があります。本当に千基も鳥居があるわけではありませんが連なってトンネルのようになっています。ここを北から南に通り抜けると邪気を払えるのだとか。千本鳥居は外国人にも人気で写真映えします。京都の伏見稲荷まで行かずとも東京では赤坂や上野、そしてこの根津でも規模が小さいながらも体験できます。この乙女稲荷神社のものは背が低い鳥居なので私の身長(176cm)だとやや屈まないといけません。こういう不都合も楽しめる要因になってしまうのが面白いです。
千本鳥居の途中には「徳川家宣胞衣塚」があります。見た目は大きな石を置いてあるだけのようです。この下には江戸幕府6代将軍である徳川家宣の胞衣(胎児を包んだ膜と胎盤)が埋められていると伝わっています。家宣はこの地で生まれました。昭和49年(1974年)に徳川家宣胞衣塚は文京区指定有形民族文化財に指定されています。私は日本史が、理系大学卒にしては、詳しい方だと思います。それでも徳川6代将軍は名前すら覚えておらず。家康、秀忠、家光、家綱までは何となく分かるのですが、家公となると何をしたのかさっぱり分かりません。東京の寺社を訪れて紹介する文章を作成するにあたって知らなかった知識が得られます。歴史上の人物が実在する建物、遺跡に直接関わっている。それを学ぶ機会になっています。
千本鳥居の先には赤い社があります。稲荷社らしく狛狐が置かれております。社の奥に穴があることが伺えます。現在の乙女稲荷神社はコンクリートの近代的な建物が周囲を囲んでいます。そこに数百年前から変わらず、こういってはあれですが穴が再開発されず守られている。何か特別なエネルギーがあるのか、守る必然があるのか。社が主ではなく風穴が主。それが令和の現在も残っている不思議。
社は高い位置にあり、眼下に池を望みます。そして根津神社拝殿を上から眺める位置にあります。神社やお寺では高い位置に位の高いものが置かれるのが一般的。根津神社を見下ろすように高台に乙女稲荷神社社があるのです。下から社を眺めると池と社の朱色が映えます。摂社、末社というのは元の神社に比べると見劣りする感じがあるのですが乙女稲荷神社は根津神社とひけをとらない佇まいだと感じるので別にふれてみました。
根津神社の境内社ですが見どころがある乙女稲荷神社。文京つつじまつりの時期は大勢の人が訪れることでしょう。もう少し先が見ごろになります。
甲野 功
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