開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
3月7日の夜、神楽坂で当院に来ていた鍼灸学生さんの国家試お疲れ様会をしました。
今年の2月末にあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師国家試験を受験した学生さん。当院に勉強に来ていた専門学校3年生で複数回来てくれた方を中心にお声掛けしました。5名を当院からほど近い神楽坂に呼び、国家試験お疲れ様、卒業おめでとうございますという会です。お店は過去に何度か利用したことがあり、かつ鍼灸師同士の会合に以前利用した『神楽坂てしごとや』でした。コロナ禍のときに閉店したのかと思ったら内装をリニューアルしただけでした。普段、一切お酒を飲まない私はお勧めの飲み屋というものがありません。過去に何度か同様のお疲れ様会を開いたのですがそれは全てランチ。ランチならたくさん勧めるお店があるのです。参加者の都合もあり夜開催にしたので、やはりお酒の席になるだろうと。そうなると数少ない入ったことのあるお店しか思い浮かびません。地域密着をコンセプトにしていることもあり、場所は神楽坂にしたいという都合もあり、こちらのお店にしました。
以前分かったことですが日本酒の純米酒だと少量なら飲んでも気持ちが悪くならないようです。『てしごとや』は日本酒が売りの一つで少しだけ飲みました。日本酒の良さがほんの少しだけわかるところです。
今回は専門学校入学前から来ていた学生さんを中心に考えました。パンデミックが起きる前から鍼灸あるいはあん摩マッサージ指圧の世界に興味があり進学を考えている方の相談に乗るようになっていました。そのこと自体は今に始まったことではなく、約20年前から東京医療専門学校鍼灸マッサージ科に入学してから、何人かの知り合いに母校を紹介してきました。卒業してあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師になってからも柔道整復師の専門学校に進学したこともあり周囲に自然とアピールしていました。柔道整復師専門学校時代の同級生や当時の職場で一緒に働いていた人が鍼灸専門学校に進学する影響を少なからず与えていました。あじさい鍼灸マッサージ治療院を開業してからはSNS経由で質問、相談をされることが出てきて進路(本当にあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師を目指した方がいいのか)、進学先(どの養成機関にするのか。専門学校か大学か。どの学校がいいのか)、更には卒業後のこと(開業する、就職する、更に教員養成科に進学するなど)までも相談にのるようになりました。その中で何の資格を取るか、どの専門学校に行くのか、をかなり細かく相談に乗った方がいました。その方は業界研究を重ねた結果、私と同じ東京医療専門学校を選択して入学。いわば後輩になります。これも何かの縁と入学後も個別にセミナーをしていました。その際に同級生も参加し、今の学生向け講義になっていきます。卒業時には神楽坂でお祝いをしたのでした。同じように4年前に専門学校進学前から業界のことを教えていた方が無事に国家試験を乗り越えたのでした。
一つの大きな区切りです。感慨深いものがありました。まだ互いに顔も知らないときに業界のシステムについてSNSのダイレクトメッセージで説明したことがきっかけでした。私は情報が不正確にならないように細かく長文で送るのですが、それをめんどくさがらずノートに書いてまとめたといいます。凄く勉強熱心な人だと思いました。進学先が決まったあとに当院に来て話をした際もよく考え、よく調べ、地道な努力をしていると感じました。入学前も後も必要と思えることをちょくちょく伝えてきました。同級生に恵まれ何人も当院の勉強会等に誘ってくれました。ときに「理科」や「数学」といった直接関係のないテーマでも話をする機会を与えてくれました。来るたびに話す内容が高度になっていき成長を感じました。お疲れ様会では初めてあったときに進学祝いとして渡した紅茶のパッケージを持参しました。外装に言葉が印字されているのが特徴で、これから入学するにあたりエールになる文言の商品を選んだのです。4年も前のものを保管していたことに驚きましたし嬉しかったです。
別のお疲れ様会参加者です。東洋医学関連の学生向けセミナーを開催し、オープンで参加者を募ったときに応募してくれた学生さんがいました。偶然にも母校の後輩でした。そこからちょくちょく施術を受けにきてくれるようになりました。2年生のときは私が「開業支援」の特別授業を受け持った際には授業を受けていました。授業内容で分からない項目や卒業後のことなどアドバイスをしました。私にはないキャリアを持っているので卒業後どのような道を選ぶのかとても楽しみです。新卒鍼灸師でありますが、それ以外に大きな武器を多数持っています。とても面白い人材だと思いますし、私では絶対にできないことを成し遂げるポテンシャルがあるものと信じています。
お疲れ様会の場でとても印象に残った話があってもう一度教えてくださいと言う学生さんがいました。私はそこが刺さったのかと意外でしたし、心に残っていることがありがたいと思いました。話しているポイントは結構ホームページのブログに残しているのでそのときに用いた図をスマートフォンで見せながら説明を加えました。国家試験が終わってプロになるというタイミングだと受け取り方が変わるのだと思います。入学前のキャリアと卒業後の進路、本人の今後やりたいことを知り、活躍していくのだろうなと予感させます。
座学もありましたが特に実技の勉強会に参加してくれた学生さん。卒業後の進路も決まり臨床に出ていきます。この資格は適応範囲がとても広いし、技術・技法は千差万別。たくさんのことを学び、それらの何を活用するのかは難しいところ。鍼灸師が十人いれば十のやり方があると言われます。文字通り十人十色。それが面白い、やりがいのあることであり、問題でもあります。私が伝えたことはもちろん、学校で学んだ技術の多くが直接使うことがないかもしれません。それでも引き出しに奥の手として持っていることは臨床に出る上で非常に大きな武器になるもの。久しぶりに再会したときに以前と雰囲気が変わっていて、ちょっと戸惑いました。内面の変化が表れていたのかもしれません。4月からの生活が楽しみです。
卒業後の進路について真剣に意見を求めてきた学生さん。以前は、仕方のないことですが、こちらの話を聞きながらもどこか他人事という感じがありましたが、その日は自分事として質問していました。開業、就職、臨床、広報など。学生のうちは授業があって、課題があって、試験があって、スケジュールが組まれていて。受動的なことが多い。それが卒業後資格を取れば能動的に活動しないといけません。開業を選べば、仕事は与えられることから自ら創るものになります。自覚と覚悟が表れているなと感じました。
参加者お世辞抜きで活躍できる人たちだと思っています。5年後、10年後にも活躍できている人達だと。月末の合格発表、名簿登録を経て同業者となっていく皆さん。同じ立場でまた再会できることを願っています。
甲野 功
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