～地域散策　中華そばみた葉～

あじさい鍼灸マッサージ治療院近辺に飲食店が少ないことはずっと書いてきました。人口が少なくて商圏として成り立たないのなら仕方ありません。しかし都営大江戸線牛込柳町駅界隈はマンションがどんどん新築されて人が増えています。何より２０世紀の頃は無かった牛込柳町駅。最寄り駅はＪＲ、地下鉄各線市ヶ谷駅、都営新宿線曙橋駅、東京メトロ神楽坂駅のどれかでどこからも１０分以上歩くところでした。奇しくもその頃は飲食店がたくさんあったのです。牛込柳町駅は大久保通りと外苑東通りが交差する市谷柳町交差点にあります。交差点の周りに３ヵ所出口があります。大久保通りと外苑東通りの拡幅工事により道路サイドの路面店が軒並み無くなりました。かつては柳町商店街と薬王寺商店街という２つのしっかりとした商店街があったのですが、今はほとんど店が残っていません。立ち退く→道路拡張→高層マンションができるという流れです。大通りに面すると消防車が入れないためにある建物の高さ制限が撤廃されて高層階のマンションが建ちます。高級路線です。マンションの１階に飲食店が入ると人気が落ちるということで新築マンションの１階、路面店は美容院、歯医者、クリーニング店などばかり。飲食店が入りません。飲食店どころか店舗もできません。そのためかつてあった飲食店はじめ多くの店舗は消えてマンションが増えていったのでした。

新しく近所に引っ越してきた患者さんに、かつてここら辺にあったお店として、ゲームセンター、喫茶店、焼き肉店、中華料理店、ココ壱番屋、松屋、和菓子屋、ケーキ店、八百屋、魚屋、肉屋、ブックオフ、本屋、などがありましたというと信じられないと言います。引っ越して１０年くらいの人でもどんどんお店が無くなったと話します。そのため牛込柳町駅近辺の飲食店は非常に貴重です。

さて牛込柳町駅出口で当院に最も近いのが南東口です。よく東南口と間違われるのですが南東口です。都営大江戸線が全線開通して牛込柳町駅ができたときは無かった出口で最近（それでも数年前ですが）完成しました。この南東口の完成によって駅の利便性がかなり上がり大江戸線を使って来院する患者さんが楽になりました。それまでは２回信号を渡らないといけない東口が最寄り出口でした。

その南東口は外苑東通りに面しています。外苑東通りに平行に一本、あじさい鍼灸マッサージ治療院側に入った通りがあります。そこは道路拡張の影響を受けないので昔からある飲食店や美容室などが残っています。特に銭湯の「柳湯」はその界隈で有名だったそう。一度閉店しましたがリニューアルオープンして綺麗な内装になり現在も営業しています。その柳湯の隣に「ふくちゃん」という中華料理屋がありました。いわゆる町中華というやつです。私が子どもの頃からあるお店でお世辞にも綺麗とはいえない店内でしたがメニューがたくさんあって大人になってからも利用していました。その「ふくちゃん」も閉店へ。従業員の方々が高齢であるのは分かっていました。体力の限界だったのだろうと推測できます。また一つ飲食店が消えてしまったなと思っていました。ところがしばらくすると内装工事が始まり、居ぬき物件としてラーメン店がオープンしたのでした。

それが中華そばみた葉（牛込柳町店）です。

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素直にまた飲食店ができたのが嬉しかったです。オープンは昨年２０２３年の９月。新型コロナの影響がほぼ無くなって、助成金が止まりこれから飲食店の倒産が本格化すると言われ始めた時期でした。加えてここ数年の猛暑ならぬ酷暑。新しいお店は続くのだろうか？という目でみていました。このご時世もありますが近隣の飲食店は生き残りが大変です。神楽坂でもコロナ禍で名店が結構閉店あるいは規模縮小に追い込まれました。牛込柳町エリアも道路拡幅工事で立ち退きにあることとは別に継続するのは大変です。過去に患者さんに教えてもらって気に入っていた油そばのお店もあっさり閉店していたことがありましたし。同じく南東口近くにあった餃子のお店は大丈夫かなと懸念していましたが案の定１年くらいで閉店してしまいました。この新しい「みた葉」はどうだろうという気持ちでした。

昨年の１０月にまずは入ってみようと来店しました。前の「ふくちゃん」と違って内装はとても綺麗に今風にデザインされていました。店外で食券を買うスタイル。鶏そばが看板メニューのようです。カウンター席とテーブル席があり、「ふくちゃん」時代と基本的な造りは変わっていないと思いました。気になったことが、従業員が３名全員若い女性であること。若い女性だけというのは珍しいなと思いました。ちょっと調べてみるともともと歌舞伎町にある「鶏そばみた葉」の２号店としてオープンしたのでした。こちらは女性経営者で元キャバクラ嬢でガールズバーのオーナーということでした。そういうことだったのかと納得。ラーメン屋にしてはとても華やかな雰囲気だったので。そのときは看板メニューの鶏そばを注文。ラーメンにそこまで情熱はありませんが、食べて手間暇かけていることは分かりました。オープンして間もなく、また午後３時過ぎに入ったので店内は閑散としていました。勝手にこれなら続くかなという感想を持ちました。

そして今年に入りもう一度来店しました。近所なのでちらちら外から様子を眺めることが多かったのです。昼時は行列ができている様子も見受けられました。患者さんにも行ったという話も出ました。何となく地域に定着したようだと感じていました。半年以上空けて２度目の来店ではメニューや料金が変わっているようでした。メニューが増えて料金も、物価高もあるのでしょう、若干上がっていました。前回とは違うラーメンを食べたらこれが私の趣味に当たりました。これは美味しい、そう素直に思いました。従業員も新しい人が入ったようで教えている様子が見られました。この牛込柳町エリアで定着しそうだなと感じました。

新しいお店ができることは街の新陳代謝が出ている証拠。患者さんに勧められるお店です。

甲野　功

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