開院時間

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~いつも患者だと思って仕事に臨む~

TBSホームページ 中居正広の金曜日のスマイルたちへ より
TBSホームページ 中居正広の金曜日のスマイルたちへ 同業さんいらっしゃい★芸能界勤続35年超!消えない天才の仕事術 より

 

 

他業種でも先人の言葉に気付かされることがあります。先日「金スマ」をながら見していました。「金スマ」は社交ダンス企画をしてきたバラエティ番組なので習慣として毎週チェックをしています。中居正広さんが毎回テーマにそったトークをします。今回はベテラン芸能人の処世術を聞くような回でした。

 

TBS>中居正広の金曜日のスマイルたちへ 2024年5月31日(金) 同業さんいらっしゃい★芸能界勤続35年超!消えない天才の仕事術

 

なお6月7日まで(予定)無料配信されています。

 

Tver

 

芸能生活35年以上、今もテレビに出ている息の長い芸能人をゲストに招いてどのように世に出てきたのか、また過酷だった仕事は何かといった過去、そして芸能界で生き残る処世術として先輩方の金言やポリシーを語ってもらいます。その中ではっとさせられたのが芸歴50年の関根勤さんの言葉です。ご存知の通りずっと第一線で活躍していて私が幼少期の頃からテレビに出ている人です。関根勤さん曰く、番組に出演する際は、「いつも視聴者だと思って仕事に臨む」というのです。演者でありながら自身が大のテレビ好き。視聴者であると。若いときから好きでずっとテレビ番組を視聴し続けていて、現在もそれを欠かさない。そのた番組に出演しつつももう一人のいち視聴者である自分がいて客観的に見ることができるのだと。個人が目立てばいいのではなく、全体を考えていく。その言葉に対して司会の中居正広さんは関根さんが全力で笑ってくれることで助けられてきたと述べます。それに対して関根勤さんは、自分は視聴者だから、と返しました。同じ番組に出演しつつもそれを観覧する視聴者だから笑ってしまうのだというのです。それが司会を務める中居正広さんにとって助けになっているのです。

 

この「いつも視聴者だと思って仕事に臨む」という姿勢。すごく大事だなと思いました。私自身に置き換えると

「いつも患者だと思って仕事に臨む」

となります。

 

当時の東京医療専門学校(現東京呉竹医療専門学校)という鍼灸マッサージ専門学校に入学したのが2004年4月のこと。20年前です。そして今年はあじさい鍼灸マッサージ治療院を開業して10周年。これだけ長い時間この業界に携わっていると術者側の立場にどっぷりと浸かっています。そのことが危険であるという恐れもあります。

私は元々鍼灸及び東洋医学というものに憧れがありませんでした。いわゆるマッサージと言われる徒手療法が好きでした。そのため鍼灸の専門学校に入ったというよりもあん摩マッサージ指圧師になるための学校に入学し、そこはついでに鍼灸師にもなれるところでした、という気持ちがありました。はり師、きゅう師の国家資格はあった方が有利でしょうという考えでどうしても欲しいというものではありませんでした。だったらなぜあん摩マッサージ指圧師単独の浪越や長生を選ばなかったのかと言えば同じ3年間勉強するなら鍼灸もついてくる本科(鍼灸マッサージ科)の方がお得だなと感じたこと。また東京呉竹医療専門学校が自宅から近いということも理由になります。そのせいか、そのおかげか、鍼灸及び東洋医学に対して過剰な期待がなく、どこか一般人に近い感覚で学んでいました。痛くない?熱くない?胡散臭くない?このような感想をある程度一般の方は抱いているのではないでしょうか。私も同じで東洋医学は科学とは言えないよね、と内心疑いながら授業を受けていました。それは大学で物理学を専攻していた過去も関係します。

また鍼を刺されるのが本当に苦手でした。純粋に不快。痛いというよりも異物が体内に入ってくる感覚が非常に嫌でした。当時は20代半ば。身体は元気で鍼刺激が過剰に反応してしまうのでした。反対にお灸は熱いのは我慢できて平気でした。そのため鍼の実技授業ではなるべく刺されたくないと受けないように努めていました。当然のように本科学生時代に外部に鍼を受けに行くことなどありません。どうせ卒業しても使わないだろうと考え、実技試験にパスできるくらいの練習しかしませんでした。今の立場では考えられませんが当時の私はそういう人間でした。

 

そのような過去があるせいか、今でも鍼灸が怖い、苦手という人の気持ちに共感できます。患者さんには鍼灸コースを希望しながら鍼灸は怖い、苦手、できるなら受けたくないといった矛盾した心情の方が中にはいるのです。やってもらいたくて来たのでしょう?と言いたいところですが全員が求めているわけではないのです。鍼灸が効くと聞いて不安ながらも来ました。以前受けて効果があったけれど、受けているときは辛いです。鍼灸専門学校に通っているので体験しなければいけないと分かっていますが本音は嫌いです。このような事情の方がいるのです。その気持ちは分かります。中には勉強させてくださいと鍼灸学生さんが当院に受けに来たものの体が強張って緊張が取れない人もいます。おいおいこれからプロになるというのにどういうことだよ、と言いたいところですがそれは仕方ないと自身の経験から分かります。

 

慣れてくると患者さんの気持ちを忘れてしまう、患者さんに寄り添うことを疎かにしてしまいます。万人が鍼を刺されることに抵抗がないわけではない。誰もがお灸を怖がらないわけではない。他人にマッサージされることを受け入れられる人ばかりではない。そのような、術者からするとネガティブな感情を持つ患者さんもたくさんいます。それは患者とは言わないだろうという意見があるかもしれませんが、現実は単純なことではありません。私は2年前に救急搬送されました。それから2ヵ月間頻繁に採血検査をしました。人によっては注射が好きという場合もありますが私は大嫌いです。採血も過去に貧血でブラックアウトしかけたことがありできるだけやりたくありません。しかし状況はそうも言っていられるはずもなく我慢して採血を受けたのです。患者側の本音です。このとき病院の看護師側が採血検査が必要で受診しているのだから仕方ないでしょうという態度なのか、大変かと思いますのでなるべく素早く終わらせますから頑張ってくださいねという態度なのか。受け手の印象は大きく変わります。

 

あん摩マッサージ指圧であれ鍼灸であれ患者さんの気持ちを忘れないように心がけています。特に鍼灸は誰もが好き好んで受けに来ているとい先入観を持たないようにしています。嫌々ながら勉強だからと体験していた20代の自分を思い出すようにしています。その経験があるからこそ不安な気持ちが分かり、どのように寄り添ったら不安が除かれるのかを考えられます。按摩指圧では鍼灸よりも一般的に心理的ハードルが低くなりますがその分技術差がはっきりします。受け慣れている人が少なくなく、シビアに判定されます。患者さんの気持ちになったらどうしたら良いのかを鍼灸とは異なる面で考えます。何より患者の立場だったらこんなことされたら嫌だということを常に考えるようにしています。接客業において10-1=0という概念があります。それまで10点満点のサービスを提供していても、(特に最後に)一つのマイナスがあると印象は0点になってしまう。ネガティブな感情はとても強く、そもそもお金を支払ってきているのだからプラスの感情は当たり前であるわけです。

学生さん、進学希望のプレ学生さんと話す機会があります。これからこの世界に入ろうという意気込みを持つ、あるいは現時点で勉強や練習を重ねている、という人たち。一般の患者さんとプロとの狭間にいます。このような立場の人たちと話すことで気付かされることがたくさんあります。忘れてしまう一般の患者さんの気持ち。それを無くしてしまったらとても偉そうで頭でっかちな存在になってしまうことでしょう。

 

何の気なしに視たテレビ番組から大切なことを気付かせてもらいました。

 

甲野 功

 

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