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~誰が最後の尻拭いをするのか~

NEWSポストセブン 記事より
NEWSポストセブン 記事より

 

 

先月見かけた記事です。

 

NEWSポストセブン

リアルの専門家よりネット動画配信を信じる人たち みずからの健康を危険にさらしクレーマーになるケースも

 

どのような内容かというと、様々な「セルフ○○」と称し、動画を参考にして自分で自分に施術する例が増えており、動画の真似をするも失敗したしてしまい、ひどい場合には周囲にトラブルを起こしてしまう人たちがいるというレポートです。最初のケースとして、仮名の整形外科医を真夜中に急患として受診した患者はネットで整体師の動画を見て自分でやろうとして体を痛めたというエピソードです。

仮名であることは医師の守秘義務に配慮しているのかもしれませんが、本当にあったものなか定かではないとも言えますので個人的に少し気になりますが現実に起きていることだとして話を進めます。

最初はなかなか本当のことを言わない患者さん。日常生活ではなかなか痛みが生じる個所ではないところを傷めている。痛みが生じた原因をなかなか話してくれない。医師が違和感を覚えた患者のほとんどが、ネット上で見た整体の真似をした結果、体の一部を痛めていたということでした。いわゆる“セルフ整体”の動画を視聴して自分もやってみたと。取材された医師はその動画をチェックすると、『整体師を名乗る日本人や外国人の動画がたくさんあって、いろんな動画を参考にして、自分で整体をしていると言っていました。もちろん、自分ひとりで気軽にできるストレッチなどもあるにはありますが、そこで紹介されていたのは首や腰を強く捻ったりするなど、医師や専門家がいない中でひとりで行うには危険な行為も紹介されていました』と話します。しかし医学的に問題のある動画だと思っても、動画内容を否定するとその患者たちは落ち込んだり怒ったりするため、見るなとは言えないそう。『今、医師の私と面と向かってお話ししているのに、なぜネットのほうを信じようとしたがるのか。まして私のところに来ているのに、さっぱりわかりません』と漏らしているといいます。

 

このエピソードを記事で読み、とても身に染みる想いでした。そういうことがままあるよなという気持ち。私も医療系国家資格を持つ者として専門家側の立場にいるといえます。これまでもなぜか医学分野や健康に関することでネットの情報、出所が不確かな情報、怪しい立場の人の情報を信じ込んでいて、私に講釈をする人がいました。国家資格取得レベルの知識があれば、それは騙されていますよと言ってしまうような内容があることがあります。そしてなぜそれをわざわざこちらに言うのだろうかという疑問。あたかも私に教えてあげますよ、という態度。私はあまりに危険と判断しない内容には聞き流してしまいます。記事に出てきた医師のように否定すると怒り出すということも考えられますので。

 

そういうことあるよね、という共感の他に<誰が最後の尻拭いをすると思っているのか>という気持ちがあります。この話ではセルフ整体なるものを信じてやってみたという。それは自己判断で自己責任です。その結果、体を痛めました。そうなったら医療機関を受診して医師にみてもらう。それなのに医師のいうことよりも(おそらく)直接会ったこともない整体師のいうことを信じる。体を痛めたら、そのセルフ整体で治したらどうなのでしょうか、と意地悪く思ってしまいます。信じた道を進めばいいのにと。痛みが出てしまったらそのような理屈は通用しないし、言っている場合ではないことは重々承知です。それでも、あなたがセルフ整体をやってみて体を傷めたら発信元の整体師の所に行ってはみないのですねという皮肉。素人でこんなことになるとは思っていませんでしたというのであればそれは仕方ありません。そうであるならば医療機関を受診した際に医師に素直に状況を説明して医師の判断に従えばいいのです。ところが記事によれば、目の前の医師の言葉よりもネット情報を信じる、体が少し良くなれば受診しなくなりまた別のセルフ整体動画で体を傷めてやってくる、というのです。敢えて健康被害という言葉を使いますが、健康被害が起きたら最終的に助けてくれるのは医師です。病院、医療機関です。

 

私も立場としては“医師ではない、似たようなことを生業としている”立場にいる者です。だからこそ医師を否定することはしません。医師は神様ではないので時にはそれは違うのではないですかと納得できないこともありましたが、この日本では健康被害における圧倒的な最後の砦は医師及び医療機関であると信じています。6年間専門学校で勉強して4つの国家資格を取りました。クリニック、大学病院で勤務しました。医師がどれだけ勉強して専門知識を持っているか分かります。中にはひどい医師もいるだろうという声があるのは承知ですが、少なくとも医師国家試験という最低限のハードルをクリアしています。例えカンニングや事前に問題が分かっていたとしても合格点を取るには相当な勉強をしなければなりません。まして大学や研修先で実技をします。最低ラインが高いのです。同業者の中には、我々は医師と同等だ、西洋医学(医師)には手に負えない疾患を治せる、などと自己を高くみる者がいたり、ひどいものになると病院に行くな、薬など飲むな、と発言し患者を囲うようなことをしたりすることも耳にします。本当に誰が最後の尻拭いをするのでしょうか。

 

私は3年前に深夜救急車で搬送されました。顎の腫れと痛みのためです。その前に新型コロナウィルスに罹患し、虫歯から蜂窩織炎になりました。その症状は鍼灸やあん摩マッサージ指圧でどうにかなるような状況ではありませんでした。炎症を示すCRP値は基準値の数百倍。街の歯医者で処方されていた鎮痛剤も効果がなくなっていました。運よく東京大学病院の救急外来に口腔外科の医師が待機してくれていたおかげで、深夜2時ごろに緊急手術をして事なきをえました。その日は金曜日でしたから最悪の場合には月曜日の週明けまで待つことになっていたかもしれません。そもそも月曜日まで耐えられないので救急車を呼んだのですが。重篤な状況になって対処してくれるのは医師であり医療機関です

新型コロナウィルスに罹ったのもそうです。ワクチンは毒だと主張して新型コロナウィルスのワクチン接種を拒否し、新型コロナウィルスにかかり亡くなったという鍼灸師の話を後で耳にしたことがあります。信念を貫いたといえば美談ですが、生き残って元気に回復してまた患者さんをよくしていくことが本来の鍼灸師の在り方だったのではないかと私は考えます。同業者ゆえに。

 

自己責任。自由意志。何を選択して何を信じるのも個人の自由です。多様性の時代。個性を尊重する時代。ただ身体のこと、すなわち疾患、疾病、病気、怪我といったことにおいては最後に尻拭いをするのは医師になります。一般の方も私のような職業の人もそれを心に置いておいた方がいいと思います。

 

甲野 功

 

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