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~新しい会計基準ができたことから学ぶ~

新装 大学4年間の会計学 見るだけノート 小宮一慶監修 宝島社
新装 大学4年間の会計学 見るだけノート 小宮一慶監修 宝島社

 

 

最近はあまり購入していませんが、開業当初から勉強のお供として読んできたのが『見るだけノート』シリーズです。イラストが多く、2ページで1項目をまとめる内容。様々な分野を取り扱うビジネス書籍です。これまで20冊以上買ってきました。

 

最近買ったのが新装 大学4年間の会計学見るだけノート 小宮一慶監修 宝島社です。過去にも同じ本を買ったことがあるのですが、新しい版になっていたので再び手をとってみました。個人事業主なので企業レベルの会計は必要ないのですが、会計知識を持っておいた方がいいと思いまして。独立する際にとくに不安だったのが会計処理。確定申告ができるのか本当に不安で恐怖でした。今は小学校のうちから税を学びますし、高校では投資を学ぶといいます。私の頃はそのような授業はなく、高校2年生から理系コースに進み理系大学に進学したのでほとんど関りがありませんでした。鍼灸マッサージ専門学校でも経営や会計の事は一切教えてもらうことはなく。開業権があり卒業後少なくない人が開業するという業界なのですが。なお、現在は母校である東京呉竹医療専門学校の鍼灸科、鍼灸マッサージ科では開業支援の授業があり、税に対する授業も行われているようです

 

さて今回、本書を読んで知ったことがあります。それが「収益認識会計基準」です。これは令和3年(2021年)4月から導入された新たな会計制度です。以前買った『会計学見るだけノート』には記載されていませんでした。それはその本を買ったのが2021年よりもずっと前の事なので当然なのですが。収益認識会計基準とは「売上をどのように認識し、どのタイミングで財務諸表に反映するか」という基準を明確に記したものです。売上が“いつ”、“どれだけの金額”発生したのかという“収益認識”を定めるもの。現在、大企業や上場企業には強制的にこの会計法が適用されているそうです。そんなことは当たり前なのではないのかと私は思ったのですが、従来のわが国ではこういった共通基準は存在しなかったそうで、各企業の解釈に任せる形で売上が計上されていたのでした。

 

なぜ収益認識会計基準を導入したのか。それを導入することで何のメリットがあるのか。各自の解釈に任せることのデメリットは何か。そういった疑問を読むことで何となく分かってきました。

 

本書にはコンビニエンスストアでジュースを買ったときとサブスクリプションサービスで3ヵ月分料金を先払いしたときを例に挙げていました。コンビニエンスストアでジュースを買うためにレジでお金(現金、電子マネー)を支払いました。お金を支払うあるいは販売するタイミングを「対価の受領」といいます。一定期間サービスを利用し放題のサブスクリプションサービスを3ヵ月分の使用料を先払いしたとします。映画視聴なり音楽視聴なり。サービスを利用できる有効期間を「履行義務の充足」といいます。ジュースを買ったときは「対価の受領」(購入した・販売したタイミング)と「履行義務の充足」(有効期間)が同じです。お金を払った時点でジュースという商品はお客のもので飲むなり、持ち帰るなり、誰かにあげるなりしても構いません。対してサブスクリプションサービスの場合だと「対価の受領」をしても「履行義務の充足」はそこから3ヵ月続きます。もちろん後払いだった場合も。このようなときにどのタイミングで売上をいつ計上するのかという認識を明記したのが収益認識会計基準です。また、売る商品がタバコや酒類のように間接税が含まれている場合に、売り上げは税込み、税抜きどちらの金額を計上するのか。例えば税込み販売価格580円のタバコで消費税52円・たばこ税305円・本体価格223円という内訳だったして、売上金額はどう計上するのでしょうか。そこも基準を設けたのです。

 

これまでの日本の会計基準では、<商品やサービスが提供され、現金や売掛金などで対価が支払われた時点で収益を認識し計上する>という“現役主義”を基準にしていました。具体的には、①商品やサービスが提供される②現金や売掛金で対価が支払われる、という2ステップが行われたときに売上を計上するというもの。これは従来の小売システムでは問題なかったのですが、近年さまざまなビジネスモデルが誕生し構造が複雑化したことで実現主義では判別できない事例が増えてきました。サブスクリプションや年間パスポートのような。売上を計上するタイミングは会計ではかなり重要で都合のよいタイミングで計上することで税金や利益を操作することもできます。明確な基準が無かったために企業ごとに収益認識がずれてしまいます。

別に、それまでなかった基準を設定したのは世界的な背景があるといいます。自国のみで業務が完結していれば構わないですが、他国との取引があるグローバル企業では統一基準が必要になります。そのため国際会計基準審議会が定めた国際的な会計ルールがIFRS(International Financial Reporting Standard)です。一般的に「国際会計基準」と呼ばれています。IFRS(国際会計基準)の基準には3つの特徴があり、「原則主義」、「貸借対照表重視」、「グローバル基準」の3つです。規則を少なくして自由度が高い、利益よりも資産価値、言語は英語に統一するといった特徴です。

IFRS(国際会計基準)を導入するとどのような影響があるのか。会社の価値を測ることに重点が置かれているため「経常利益」の項目が無くなります。従来の会計基準にあった経常利益は「その他営業収益・費用」、「金融収益・費用」に置き換わります。会社の収支を事業活動と財務活動に分けるという考え方が基本になっているためだそう。そして含み損益や為替差損などを加味して「包括利益」という項目が新たにできています。そしてIFRSを採用している会社は投資家・取引先から的確でスピード感のある経営をしているという評価を受けるため、未採用の会社に比べて優位性が出てくるそうです。海外投資家や海外企業からの評価に影響するわけです。

 

このように新しい世界基準が生まれ浸透していることが分かりました。更に細かい内容を本書は解説しているのですが、個人的にそこまで関係がないので省略します。

 

直接関係のないことではありますが、きちんと情報を取りに動いていないと実務に関わることが変更されていることがあるということは、無関係ではありません。学校の勉強、国家試験の勉強はしてきて、卒業して免許を取ってからは何も学ぼうとしないというは非常に危険です。それが本職の技術は当然のこと、経営関連の法律、ルール、基準などにも目を配らないといけないです。会計の勉強をしようとまた手に取った本を読んだら、世界の会計基準では経常利益の項目が消えるということに驚きました。独立する際に会計関連の勉強をして営業利益、経常利益、純利益と覚えたわけですから。興味が無い、これは関係のないことだから、と一見関連の無いことを学ぶ意欲がなくなると、足元をすくわれるのではないかと不安になりました。

 

甲野 功

 

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