開院時間
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
ここ1年で「生成AI」の台頭が目覚ましいです。もう数年前、コロナ前になりますが、「AIに奪われる仕事一覧」が発表されて話題になりました。このときは画家やミュージシャンといったアーティストは残り、単純作業をする事務職がAIに仕事を奪われると言われました。ところが生成AIが登場するとむしろアーティスティックな分野の方が影響を受けるようになります。AIが瞬時に画像を生成してくれる。音声を合成してくれてアナウンサーの代わりに原稿を読んでくれる。動画もかなりのことまで作成してくるようになっています。デジタル上のコンテンツは生成AIによって置き換われてもおかしくない状況になりつつあるでしょう。こうなるとネット上に出てくる画像なり映像なり音楽なりが全て生成AIによって作られたものではないかと疑われる時代が訪れます。テレビCMに生成AIによって生み出された存在しない女性が登場するわけです。グラビアアイドルも生成AIが作り読者の理想を詰め込んだものが生まれています。
このような社会状況になり。未だにずっとあるのが、ホームページを作成しますよ、という勧誘です。ホームページ代行業者はあじさい鍼灸マッサージ治療院を開院した10年前から現在までずっと営業電話等があります。要らないと言っているのに。ホームページ作成を業者に頼まない理由は結局私が全て内容をチェックしないといけないからです。これから更に細かく広告規制や制限が課せられる予定です。法律、ガイドライン等を照らし合わせて文言、表現を細かくチェックしないといけません。その作業は部外者ではできません。弁護士がついているからできますよ、という業者があったとしてもこの業界の専門家でないとできないと思います。何よりすぐに対応できる環境にしておかないといけないので、知らない間にホームページの内容が変わっていた、システムが変更になっていた、編集できない環境になった、といった不測の事態が怖いのです。
このような理由でホームページもSNSも他人に触らせないようにしているのですが、生成AIを活用しましょうという業者もいました。生成AIを使えば先生の内容でブログを簡単に作れますよと。そう言われたときに、“生成AIに作らせたブログに意味(価値)はあるのか?”と頭に浮かび口に出してしまいました。相手は最先端の技術を持っていますよというアピールポイントだったのでしょうが。
ホームページを作成すると今度は更新、メンテナンスが必要になります。なぜ作るかというと情報を整理して誰でも見ることができるようにしておくことの他に集客に繋げる目的が大きいのです。チラシでも看板でもSNSの投稿でも口コミでも入口はどれでも構いませんが、何かうちが気になると思ったとします。そうするとより細かい情報を確認するためにホームページを閲覧します。アクセス方法、営業時間、料金、サービス内容などなど。これが情報を整理して掲示するホームページの役割。反対にホームページから利用してみようと思わせること。これが集客目的でホームページを持っておくことです。ホームページが閲覧されればされるほど集客に繋がると考えるのが一般的です。そのためにSEO対策という検索順位を上げるための施策があり、Googleマップで閲覧しやすくするためのMEO対策というものもあります。ホームページ作成業者はSEO対策しますよ、ホームページから集客できるようにしますよ、と売り込むのです。
ただ現実的な問題がありホームページを常に更新しておかないといけないのです。
作りました、何年も内容が変わりません。そうなるとGoogle等の検索エンジンは情報が古いまま、メンテナンスされていないもの、という判断をして検索順位が下がると言われています。本当にそうなのかは分かりませんが感覚的に間違っていないと思います。そうなるとホームページの何を変えるのか。一度完成するとあまり更新することはありません。住所や電話番号がコロコロ変わることはないです。細かくフォントやレイアウトを変えて比較するAB試験を延々とすることも考えられますが正直面倒です。一番現実的なのはブログを書いていくことなのです。毎日、毎週イベントを立ち上げて告知するという方法を除くとブログ更新が最も妥当だと思われます。
言い換えるとブログ作成にみんな苦労するということでもあります。開業間もない頃に来た業者の営業は毎日ブログを書けば集客になりますからと堂々と話し、それはこちらが時間を使うことで集客に繋がるわけでわざわざ料金を支払ってそちらにお願いするメリットはあるのですかね、と考えてもちろん断りました。それくらいブログ更新が影響するということ。面倒なブログ更新を生成AIに任せたらいいですよね、というのが今回挙げた業者の言い分です。その考えはよく分かります。
ただ。
手軽に作成AIで作られたブログに価値はあるのか。そしてそれが集客に繋がるのかという話になります。ホームページを更新するということでは意味(価値)はあるとは思います。ただそれを読んだことで、ためになった、面白い、ぜひ受けにいこう、となるのかということです。当院のホームページは今現在で1639件のブログがあります(※一部非公開にしたものもあるので少し数は減ります)。それらをAIに学習させれば私らしい文体で作ることができることでしょう。しかしそこに意味のある内容が伴うかと考えると、それは違うと思います。AIにはモチベーションがありません。人間がこれを調べて、これを学びなさいと指示を出さないと動き出しません。応用が得意ですがスタートは人間がしないといけません。例えば腰痛、肩こりをテーマにしたブログを生成AIに作らせればあっという間にできることでしょう。文体や雰囲気を私のようにして。しかしそれは誰でもすぐに得られる情報で、利用者が最初から検索するなりAIに質問すれば得られる内容に過ぎません。それでは差別化されないのです。私のブログは私自身の体験、考え、感じたことなどを起点に作っています。趣味で地域のオススメスポットや神社仏閣を紹介するブログがありますが、それらには必ず私が訪れて体験したこと、感じたことを入れています。それが重要で生成AIにはできないことだと思っています。エピソードをAIは作れない。そう考えると生成AIに私が普段作成しているブログは作ることはできないはずです。そして話を蒸し返しますが情報だけのブログでは簡単に得られてしまうのでありがたみが無いのです。コンサルタントはターゲット層に刺さる内容のブログを書きなさいとよく指導します。そうするとありきたりのテーマでありきたりの内容になります。すると他と被らないニッチなところをターゲットにしなさいといいます。そうなるとデータが少ないので結局自分で調べて内容を編集してまとめないといけません。
生成AIが集客に繋がるようなブログが作れたとします。もしそうなら確かにその内容に意味があり価値があることでしょう。ただそれが実現する環境なったらホームページ作成自体を生成AIが行うようになることでしょう。ターゲット層にあったレイアウト、フォント、ブログ内容。ブログは定期的に自動更新。SEO対策も勝手にしてくれる。対策方法はディープラーニングでどんどん覚えていく。そうなれば業者に頼む必要が無くなります。それはホームページ作成業者の仕事が生成AIに奪われる未来なのではないでしょうか。
ネット上に情報(データ)はいくらでも生成AIで作れるようになるでしょう。文章、絵画、写真、人物、人格、音声、動画などなど。そこに生身の人間が持つ感情やエピソードが加わることで意味が出てくると私は考えています。一枚の風景写真。同じものをAIがぱっと作ることができる。しかしその写真に込められた個人的な想いがあることで意味(価値)が出てくる。ブログも同じことだと思います。
甲野 功
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