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~チョコザップ景品表示法違反~

消費者庁 RIZAP株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について1
消費者庁 RIZAP株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について2
消費者庁 RIZAP株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について

 

 

8月9日にRIZAP㈱に対して消費者庁が景品表示法に基づく措置命令を出しました。

 

消費者庁 RIZAP株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について

 

まず消費者庁とはなにか。消費者庁は国の機関(庁)で様々な役割がありますが、悪質商法などから消費者を守るために存在します。悪質商法などに対応して特定商取引法や不当寄附勧誘防止法などの法律を厳正に執行し、消費者安全法に基づき財産被害に関する情報を一元的に集めて分析し、消費者に対する注意喚起等を行っております。もう少し身近な存在として国民生活センターがありますが、これは消費者庁が所管する独立行政法人で行政における中核的な機関としての役割を担っています。

続いて景品表示法について。景品表示法は俗称で、正式には「不当景品類及び不当表示防止法」という名称の法律になります。虚偽や過剰な広告全般から一般消費者の利益を保護することを目的とする法律です。名称にある「表示」というのは広告全般のことを指し、看板、CM、ネット広告、口コミ、電話営業等販促活動に用いられること全てを示します。

 

リリースされた文章には以下のようにあります。

令和6年8月9日

 

RIZAP株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について

 

消費者庁は、令和6年8月8日、RIZAP株式会社(以下「RIZAP」といいます。)に対し、同社が運営する「chocoZAP」と称する店舗において供給する役務に係る表示について、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)又は同条第3号(ステルスマーケティング告示)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令(別添1及び別添2参照)を行いました。

 

ダイエットに関するパーソナルジムを展開するRIZAP社に対して措置命令が出ているのですが、具体的にはchocoZAP(以下、チョコザップ)の広告に対する処分です。違反内容は2点あり、「優良誤認」と「ステルスマーケティング告示」になります。

 

再び用語の説明をしましょう。「優良誤認」とは、景品表示法において商品やサービスの品質や価格などについて実際よりも優れていると見せかける不当な表示のことを言います。「ステルスマーケティング告示」とは景品表示法の文面を抜粋すると『商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの』とあります。言い換えると一見広告ではないような内容で、実は宣伝をしているというものをステルスマーケティング告示(ステマ告示)といいます。違反事項にステマ告示が追加されたのは最近のことで、施行は昨年令和5年(2023年)10月1日から。ステマ告示による景品表示法違反の措置命令が初めて出されたのは今年6月の医療法人に対するものでした。そして措置命令とは景品表示法違反があった場合に出される罰則で、事業者に対して、改善策を講じ実行し違反があったことを周知に告知するように求める命令です。

 

チョコザップの広告で具体的に何が問題になったのか。

まず優良誤認表示についてです。チョコザップ店舗が提供するサービスに関して、自社ウェブサイトとインスタグラムの2つにおいて、『1日24時間のうち、いつでも又は好きな時に利用できるかのように示す表示をしていた。』が実際には『利用できる最大の合計時間数は同表「利用できる合計時間数」欄記載の時間数であって、1日24時間のうち、いつでも又は好きな時に利用できるものではなかった。』というもの。利用時間に虚偽があったという判断です。

次にステマ告示について。これはRIZAP社が第三者(いわゆるインフルエンサーと思われるアカウント)に対価を提供することを条件にインスタグラムに投稿を依頼していたにも関わらず、それを明らかにせずに自社ウェブサイトに「SNSでも話題!絶賛の口コミ続々」と掲載したことなどに対するもの。一般消費者には第三者の率直な意見だと思わせておいて実はRIZAP社が依頼していたという。なお景品表示法違反はSNS投稿も対象になります。

今回の措置命令は2種類の表示(広告)内容に対して措置命令処分となりました。

 

この措置命令に対して私が注目したことがあります。それはまず早いということ。RIZAP社はずいぶん前からあり、世間的な知名度が高い企業です。そのRIZAP社が新しく始めた業態がチョコザップ。大量のCMをうっているので知名度が高いと思われます。ただチョコザップのサービスが始まったのは令和4年(2022年)7月と最近のこと。広まったのはここ1年足らずだと私は認識しています。比較的新しいものでもう景品表示法違反が出たという時期の早さ。次に速さ。ステマ告示の施行がされたのは昨年で、今回のステマ告示として追及されたインスタグラム投稿は今年3月28日のもの。今年3月の投稿を、RIZAP社からの依頼によるもの、と捜査により証明して措置命令にした。行動が速いなと思いました。私が知る限りステマ告示による景品表示法違反はほとんど例がなく、初めての措置命令が既に述べたように今年の6月。出す頻度が早いと感じるのです。もちろん投稿から捜査、命令へと進む行動の速さも。チョコザップは大量にCMをうっているので目立つのでしょうが狙ったかのような印象を受けます。

 

またステマ告示に関するインスタグラム投稿。消費者庁から公開された資料をみると小さく『chocozap_officialとのタイアップ投稿』と記載されています。つまりチョコザップ公式アカウントとのタイアップした投稿だという表示です。これを目にすればある程度依頼されていたと推測できるのではないでしょうか。しかし「#PR」や「#広告」といったはっきりと依頼された広告だと示さないためステマ告示に該当すると判断したのだと思われます。きちんと消費者庁は線引きするのだと分かりました。また顔やアカウント名を黒塗りで隠していますがインスタグラム投稿の画像を公開しています。見る人が見れば誰だか分かりますし、画像検索をすればアカウントを特定できそうです。ステマ告示に協力したアカウントにもそれなりのリスクがあるのだと思いました。

 

チョコザップはジムだけでなく、マッサージチェア、セルフエステ、歯のセルフホワイトニング、セルフネイルなどやや私の業種と被るところがあるのでチェックしていました。チョコザップに景品表示法違反が出るのであれば、私の業種にも捜査が入る可能性があることでしょう。消費者庁の措置命令が出されるたびにどうやって裏取り(広告内容の問題を証明したのか)しているのか疑問です。ステマ告示では投稿主と事業主の取引があったことを証明しないといけないわけですし。どのような捜査手段をしているのでしょうか。今回のRIZAP社への措置命令は他人事ではないと思います。

 

甲野 功

 

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