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~ジャイブとの出会い~

2024年8月21日学連OBOG練習会ラテンより
2024年8月21日 学連OBOG練習会ラテン より

 

 

ついにジャイブ(JIVE)を習いました。昨日は新宿区に記録的短時間大雨情報が出るほどの大雨の中、学連OBOG練習会ラテンの部に参加しまし。会場は千駄ヶ谷小学校の隣にある『DANCE GRAND Harajuku』。最寄り駅が副都心線北参道駅。普段は大江戸線だけで国立競技場駅から行くのですが、雨が凄すぎて副都心線に乗り換えました。後で知りましたが渡英大江戸線国立競技場駅は雨水が入口に入って大変なことになっていたそうです。この練習会の講師は東京外国語大学OB、元プロラテンアメリカン統一全日本チャンピオンの金光進陪先生です。

 

学生競技ダンス連盟、通称「学連」。全国にある大学で社交ダンスを競技として行う学生競技ダンスをする団体の集まりです。私は東京理科大学で学生競技ダンスと出会いました。この練習会は、原則学連を卒部した者(学連OBOG)が参加する練習会です。月に1回のペースで開催され、モダンの部とラテンの部を交互に行います。競技ダンスは2部門あり、それがスタンダード種目とラテンアメリカン種目です。スタンダードは20年くらい前の学連ではモダンと呼んでいて、私達世代の呼び方で学連OBOG練習会はモダンとしています。ラテンアメリカンはラテンと略されます。モダン種目、ラテン種目がそれぞれ5種目あり、合計10種類あるのが競技ダンスです。東部日本ブロックの学連の場合、2年生からモダン・ラテンのどちらかを専攻として決定し、その専攻種目に専念します。たまに専攻外の裏種目で競技会に出ることはありますが、それはイレギュラーなこと。そのため学連選手は踊りの得手不得手がはっきりしています。

モダン種目はワルツ、タンゴ、スローフォックストロット、クイックステップ、ウィンナーワルツの5つ。ラテン種目はチャチャチャ、サンバ、ルンバ、パソドブレ、ジャイブの5種目です。プロ、アマチュアの選手はだいたい10種目練習をするので学連選手ほどモダン・ラテンの技術差がはっきりしません。

 

学連OBOG練習会は毎回講師によるテーマが発表されます。今回のテーマは「学連もついにJIVE導入!?」でした。JIVEとはジャイブのことです。

 

学連の競技会ルールとしてこれまでは8種目で競技会をしてきました。すなわちモダンはワルツ、タンゴ、スローフォックストロット、クイックステップでラテンはチャチャチャ、サンバ、ルンバ、パソドブレです。ウィンナーワルツ、ジャイブは競技種目に入っていませんでした。学連が発足した戦後間もない頃はワルツ、タンゴの2種目だけだったそう。それから種目が増えていき、1995年にラテンのパソドブレが導入されて8種目になります。私が学連に入部したのが1996年なので入ったときから8種目でした。それが今年2024年に全日本学生選抜競技ダンス選手権大会(通称、夏全)からウィンナーワルツ、ジャイブが正式導入されて10種目になりました。約30年ぶりの変更です。歴史が動いたのです。

 

長らく8種目のままだった理由は何か。おそらくウィンナーワルツとジャイブがあまり踊ることがないからだと思われます。アマチュア、プロの競技会はレベルによるクラス別に競技会があるのですが、下位の級では2種目~4種目で競われます。それはスタンダード・ラテンアメリカンそれぞれという意味です。例えばスタンダードD級戦だったらワルツ、タンゴの2種目のような。ラテンアメリカンC級戦ならチャチャチャ、サンバ、ルンバの3種目のような。B級戦以上になると5種目目が入ってくるのですが、それでも最終予選や準々決勝からで1次予選は4種目だけ。つまり上級競技者にならないとウィンナーワルツ、ジャイブを競技会で踊る機会がないのです。学連では8種目までに留めておこうということだったのだと思います。実際に初めて正式に採用された今年の夏全でも3次予選までは従来の4種目総合で競われ、準決勝から5種目目が導入されました。そのためモダン・ラテンでそれぞれ上位12組までしか5種目踊ることはありませんでした。

 

ではなぜ今年に入ってウィンナーワルツ、ジャイブを導入したのでしょうか。いくつか理由が考えられますが、競技会の時間を取れるようになったことはあると思われます。新型コロナ流行により学連は選手数が激減しました。2020年の前期は競技会が中止。活動も厳しく制限されました。そもそも大学が開いていませんでした。開催以降史上初めて夏全が行われなかった年が2020年でした。冬に延期しようとしましたがそれもかなわず。コロナ禍により複数の大学が廃部に追い込まれました。そこには現在のプロ選手を輩出した大学も多数あります。東洋大学、工学院大学、東京電機大学、神奈川大学、関東学院大学ら。何とか他校と提携して乗り越えた大学もありました。部は残っているが非常に部員が減ってしまったところが数多くあります。コロナ前は部員数が多く、10種目もしている時間がありませんでした。大規模になると文字通り朝から晩までかかっていました。反対に元々部員数が少ない地方のブロックではコロナ前から5種目目が導入されていたところがありました。なお今年前期に行われた東部日本ブロック内のレギュラー戦(東都大学戦、六大学戦、東部大学戦)では4種目のままでした。後期の大会で5種目戦になるかを私は聞いておりません。招待試合という学連ではなく大学単位で開催する大会では導入されるかもしれません。昨年の東京工業大学主催のツバメ杯ではウィンナーワルツ、ジャイブが試験的に導入されました。

 

また5種目導入への布石として経験者が増えたことも考えられます。私が現役の頃、社交ダンス経験者はほぼ0でした。親が好きで子どもに強制的にやらせていたというケースを除くと。社交ダンススタジオはかつて風俗営業法の制限を受けていました。その当時は子どもに習わすものではなかなかありませんでした。今は学校の体育にダンスか武道を導入しないといけないのでハードルが下がっていますし、子ども向けの社交ダンス教室がたくさんあります。またテレビ番組でも競技ダンスをみる機会が増えました。幼少期から社交ダンスを習っている者は10種目習っていることが多く、やることが苦ではありません。現在の学連では経験者が珍しくない段階になっています。親が学連選手でしたという2世選手も毎年います。

時代背景もあり、学連にもジャイブが正式導入されました。今後大きな変化をもたらすはずです。プロ、アマチュアは想像成績が基本で、スタンダード5種目・ラテン5種目の全てができないとトップにいけません。対して大学4年間という時間制限のある学連は単科戦がベースです。究極は4年生最後の冬の全日本学生競技ダンス選手権大会(通称、冬全)で優勝することが最大の目標です。冬全は夏全と異なり全大学に出場権があり、文字通り日本中の学連が集まります。そして冬全は単科戦といって1種目しか出られません。その1種目にかけます。強豪選手が分かれるので優勝を狙いやすくなる一面もあります。そうなるとウィンナーワルツ特化型、ジャイブ特化型の選手が生まれる可能性が高いです。今でもタンゴだけ強い、パソドブレだけ強い、といった単独種目が強い選手がよく見受けられます。ちなみに私は現役時代クイックステップに力を注いだクイック選手でした。

 

問題はジャイブという種目です。これまでの学連、特に東部日本ブロックには最も縁遠いのがジャイブでした。フォーメーションという4~8組が同時に踊って競う競技が学連にあります。東部日本ブロックの場合、フォーメーションはスタンダードと決まっています。他ブロックではラテンのところがあるのですが。フォーメーションは複数の組でラインを構成する関係でウィンナーワルツを入れることが多いのです。そのためフォーメーションでやるからウィンナーワルツの足型を知っているという者はたくさんいます。私もそうでした。フォーメーションはラテン専攻の選手もメンバーに入ることがあるので、ラテンだけどウィンナーワルツの基本ステップはできます、となります。ところがジャイブはそうはいきません。私が学連の競技会でジャイブを観たのは冬全の神戸大学フォーメーションチームがジャイブを入れているときだけでした。つまり私のような学連から競技ダンスを始めて、モダン専攻になった人間にとって、最も縁がないのがジャイブなのです。大学の先輩方もみんな踊れないので試しにやってみようかということもなく。使う場もなく。完全な未知の世界です。

 

お盆のため普段と違う日程なったせいなのか。今回の参加者はとても少なかったです。前回の練習会(クイックステップ)に参加していたモダン専攻の先輩は「ジャイブなら行かない」と明言している人がいて、それくらい苦手意識があるもの。私も正直参加するのはおっくうでした。ただ学連で正式導入されるということで、仕事に関わるので学んでおこうという気持ちで参加しました。できないまでも知識はあった方がいいだろうと。開院当初から学連選手が来院します。学連選手の成績を上げることが一つの使命だと考えています。今後ジャイブにかけるという選手も出てくることでしょう。自分でやってみて体の使い方、負担のかかり方、それに対する対処法をどうするのかを学ぶことにします。

 

実際に“基礎の基礎、JIVEのJから”習った結果。やはり動きが理解できず終わりました。動かない(移動しない)ハーフシャッセというものに身体が馴染まず。頭で分かっていても体が動かない、ではなく頭でも分からない。なまじジルバやクイックステップに近いところがあるせいでより混乱しました。まずは最初にジャイブとはこのようなことをしているという知識を入れた段階でした。2年前に来院している学連選手の応援も兼ねて日本インターナショナルという大会を観戦した際に、あれだけ学連でトップにいた選手たちが最終予選のジャイブになったら別人のように踊りがガタガタになったのを目の当たりしました。それくらい難しい、ラテン専攻でも慣れない動きだよな、とやってみて痛感しました。

 

自分の実情を知るだけではなく。これは膝の十字靭帯や半月板を傷める動作だな、と思ったのはきちんと習ってみて得た本職としての成果でした。スタンダードに比べてラテンは選手生命が短いです。たまに特例はありますが、多くのプロ選手はそうです。その理由の一端が分かった気がします。毎日競技に向けて練習し続ければスタンダードよりずっと膝に負担がかかるなと思いました。

 

何はともあれジャイブと出会いました。存在はとっくの昔から知っていましたが向き合うことになるとは。サンバよりもパソドブレよりも何をしているのか分からない動きがそこには広がっていました。

 

甲野 功

 

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