開院時間
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既に整骨院名称の件で触れましたが、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」(以後、「あはき柔整等広告検討会」と表記)が最終回を迎えました。今回議事録が厚生労働省の方から公開となり、現地で公聴していた私も正式に終了したのだと確認しました。
第11回「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」議事録
現場で直接聞いていたので議事録を読むとそのままだと思いました。きちんと構成員の言葉を文字に書き起こしているという。その一方、どうしても文字だけだとその時の雰囲気や感情が見えてこないなということを感じます。情報として冷淡になるといいますか。それは現場の雰囲気と聞いていたときの私自身の感情を取り消して冷静に内容を振り返るものになっているのです。あの時必要なことはメモをしましたが、正確に書き起こされた議事録を読み直して、今一度気になったことを再確認したいと思います。
今回のポイントはやはり2つあると思いました。一つは一度使用不可と決定したはずの「整骨院」、このガイドラインでは不可であると記載をしないということにしたこと。もう一つは今回の会議で最後ということです。
柔道整復師が開設する施術所の名称において、法律上は「接骨院」とすることが正しく、「整骨院」は不可であります。それは柔道整復師国家試験にも出題されていますし、法律を専門とする構成員もそうだとしています。ところが長らく「整骨院」という名称を使用してきて、それには施術所の届出を受けて指導する保健所、すなわち大きい視野でみると行政側が、認めてきた結果です。そこをきちんとこのガイドラインではっきりさせて、今後新規に開設する柔道整復師の施術所には「整骨院」という名称を不可とすることが決定したはずでした。ところが今回、それを撤回してほしいという日本柔道整復師会の構成員から要望が出されて、不可でも可でもなく、ガイドラインにそのことを掲載しないという結論になりました。この件については以前詳しく触れています。
もう一つのポイントはこの第11回であはき柔整等広告検討会が終了したということです。これが最終回であるというアナウンスは事前に出ていなかったですし、木川和広構成員(アンダーソン・毛利・友常法律事務所弁護士)のコメントに『次回以降は議論していくことになるのでしょうか』とあり、次回もあるという認識であるかのように感じました。正直な感想として、福島統座長(東京慈恵会医科大学特命教授)が終了予定時刻30分前にして『非常に長い間、御活発な御意見をいただいて、ようやくガイドラインが発出できる方向が見えましたので、どうもありがとうございました』と発言し、『最後に、医事課長から一言よろしいでしょうか』と〆の言葉を述べたときに困惑しました。確かに想定の予定を大幅に伸ばし6年余りも続いた本会議。途中新型コロナウィルス、構成員の逮捕というトラブルがありました。ダラダラと会議を続けるのは良くないのですが、これで終わりにするのか?という疑問がありました。福島座長が『それでは、この検討会を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました』という最後の挨拶。それは第11回検討会を終了するのか、あはき柔整等広告検討会全体が終了したのか、どちらの意味なのか判断つきませんでした。それは会場で公聴していた他の方々も同じようで、これで終わりなのか?という呟きが耳に入ってきました。議事録で文字情報として改めて確認すると西嶋厚生労働省医政局医事課長の『最後に一言、御礼の御挨拶を申し上げたいと思います。先ほど座長からお話がありましたように、平成30年5月からということで、長きにわたり御議論いただき本当にありがとうございました』という挨拶に終了が宣言されたことが分かりました。
つまりこの次は無いということを踏まえて議事録を読み直すと、現場への対応をどうするのかという疑問が浮かびます。というより多くの構成員がそれを懸念していました。「整骨院」名称についてもそうですが、はっきりと良いのか悪いのかを決定してくれないと保健所職員らの現場側が混乱します。それで結局、「整骨院」という名称は使っていいの?それともいけないの?という話で。この件に限りませんが、ある担当者はOKといい、別の担当者はNGだという。統一されていないのです。これは開業している者はだいたいが突きつけられることで、担当者によって言っていることが違うことがままあります。法律では不可とあるのに許可が降りる。法律に書いていないことなのに制限がかかる。我々は通称あはき法、柔整師法というれっきとした法律で規定されている身分です。だから関係法規を学びますし国家試験でも出題されます。法律の解釈が担当者で変わるとはどういうことなのか、ということなのです。施術所の名称、すなわち屋号を変えるというのはそう簡単なことではありません。もし会社勤めの人なら、自社の名称を変えることが企業にとってどれだけ大事か実感できるはずです。看板、名刺、広告物、提出書類など一切合切を変更しないといけません。一度許可を出しておいてやはりそれはダメなので変更しなさいと言われたらたまったものではありません。許可した担当者の責任は!と抗議したくなるわけです。矢面に立つのは現場の職員です。そうならないように白黒つけた方がいいのですが行政側から、現場の判断です、という発言がありました。ガイドラインはそれを守る我々術者側だけでなく、守らせる方の指導する行政側のためにもあるのです。可なのか不可なのか結論は出しません、現場の判断に委ねます。これは本当に現場が大変だと思います。
結局、有識者による検討会は終了することになりました。どこか強引に終了したようにも感じます。現場で聞いていてもそうでしたし、議事録を読んでも再確認しました。この6年間話し合われてきて広告ガイドラインについてはパブリックコメントを求める段階に入りました。今月28日まで募集です。つまり来月10月以降に完成して施行されることが予想されます。検討会が終了した結果、ガイドラインの内容は集まったパブリックコメントにより変更するのでしょうか。
甲野 功
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