開院時間

平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)

: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)

 

休み:日曜祝日

電話:070-6529-3668

mail:kouno.teate@gmail.com

住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202

~ヘッドウェイトを使うこと~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 社交ダンスのヘッドウェイト
社交ダンスのヘッドウェイト

 

 

先日は学連OBOG練習会モダンの部に参加しました。学生競技ダンス連盟、通称学連。社交ダンスを競技として行う競技ダンスの部活。大学で出会って今も関りが続いています。当時は若い人(10代)が社交ダンスを始めるのは親が経験者でない限り、ほぼ学連しかなかったです。まだ社交ダンス教室が風俗営業法の管轄でした。学連という非常に特殊な環境がとても性に合った私はその後の人生に大いに影響。東京理科大学を卒業したのにこの仕事に就いたのも、開業したのも学連生活が深く関係しています。

 

その学連を経験したプロによる学連OBOGイベントが近年できました。学連OBOG練習会、学連OBOG同好会。主催は皆さん学連出身の先生方。しかも私と世代が近くて皆さんの学連時代を知っています。競技に復帰する気は無いですし、社交ダンスサークルに入るのも違うなと感じていた私は知っている同世代の先生がいること、参加者は原則学連OBOGということで参加するようになりました。学連OBOG練習会はモダンとラテンが交互に毎月。我々が学連だった頃はスタンダードと言わずモダンと呼んでいたので今でも「モダン」が学連OBOG練習会では正式な呼び方だそう。学連OBOG同好会は2ヵ月に一度の開催です。

 

学連OBOG練習会モダンの講師は武蔵野美術大学出身の本池淳先生。本池先生は学連で1学年上。東京理科大学と武蔵野美術大学は同じ東都大学かつ理工戦校(※理工戦とは何かという説明は省略。武蔵野美術大学が理工科系大学なのかという疑問もあるかと思いますが)。近い関係でした。学連時代から参考にしていた方でした。講師が本池先生でなかったら参加していなかったかもしれません。

 

そして今回の練習会。テーマは「ド派手に行こうぜコントラチェックロンデスタンディングスピンツイストPP」。社交ダンスを知らないとこの長いカタカナが何だか分からないことでしょう。細かくは説明しませんが見栄えのするカッコいいステップ(足型)です。大学2年生か3年生くらいのときにこのロンデからのスタンディングスピンを教えてもらい、これができるのか!を色めき立った記憶があります。

 

派手なことを教われると思いきや、やはりそこは学連OBOG練習会。とても基本的で重要なことを学べました。学連OBOG練習会に参加するのは学連出身者。つまり競技選手経験者、あるいは現役の競技選手。根性練習と言われた地道で長時間の基礎練習を学連生活で経験してきています。それを経験してきた参加者と講師なので非常に地味な基礎練習を最初に行います。その一つがホールド。スタンダード特有の構えをしたまま静止しているのです。ずっと同じ体勢をキープするのは地味に大変です。一般的な社交ダンスサークルではこういうことはあまりしません。このホールド時に本池先生に「上を向きすぎだ」と指摘されました。

下を向くな。これは社交ダンス初心者が嫌というほど注意されることでしょう。講師の足元を見ないとステップが分からない。不安。このような原因でついつい下を見てしまいます。それは“ネックが入る”という頭が前に出てしまう悪い状態を生みます。この練習会の前に学連OBOG同好会に参加し、下を向く、ネックが入るという自分の状況に非常に気落ちしました。組むとダメ。周りに人がいるとできない。もう情けなくなりました。今回の学連OBOG練習会ではそれだけはしないようにしようと決意して参加しました。そして言われたこと。「上を向きすぎ」。なんということでしょう。本池先生は「(学連の)1年生の時は下を見てしまうから先輩に上を向けと言われてきました。しかししっかり立てるようになったら上を向く必要はありません。視線は前です。上を向きすぎて首が折れて背中のラインが崩れてはいけません。表現として頭を上に向けることがちょっとあるかもしれませんが上を向いているのは間違いです。」と。ネックが入らない、下を向かないように強く心掛けていたのでこの説明はカウンターパンチを食らったようなものでした。

 

ただ練習会が進んでいくと合点がいくようになってきました。それはヘッドウェイトを感じ、活用すること。頭には重さがあります。当然物体としての重さがあります。成人男性でボーリングボールくらいの重さ。かなり重たいのです。だから自然とネックが入って頭部が前に出てきてしまう。まっすぐ立つことで頭の重さが後方に感じることになります。それは重心線など体の構造をみると明らかで、そこは私の専門分野ですから納得です。ヘッドウェイトは上を向く、すなわち頭部を上方に傾けると感覚が変わります。実はネックが出て顎を上げているだけという状態になりがち。ヘッドウェイトを感じなくなるのでした。もちろん首の後ろが曲がることで潰れますから背中のラインが汚くなります。それを防ぐためにも上を向くなと指摘しているのだと考えました。

 

同時に踊り方のトレンドに対する意見もあったのかと私は感じました。本池先生とは世代が近いので学んだダンスがだいたい同じだと思っています。いつも、そうそうこう習ったよな、と内心つぶやいています。学連時代から四半世紀が経ち競技ダンスの技術やトレンドも変わりました。ダンススポーツという概念が勃興し、以前よりも上半身(トップ)は広く、天井を見上げるような表現をスタンダード種目でするトレンドが登場しました。私が過ごした学連時代とはスピードも動きも今の方が遥かに激しく大きいです。一方、ダンススポーツの動きを、あれは曲芸だ、体操だ、芸術性がない、と批判する声が数年前に多数見受けられました。今年のパリオリンピックでブレイキンが種目に採用されましたが、ブレイキンもダンススポーツとしてスポーツの祭典に入りました。一方、次回ロサンゼルスオリンピックでは開催国アメリカの意向で種目から除外されます。ブレイキンの発祥はアメリカとされているのに。それにはブレイキンは文化でありスポーツではないという意見があることが関係しているようです。同様に社交ダンスは芸術なのかスポーツなのかという論争もあると言えるでしょう。

 

そこに一つ納得できる答えを見出しました。コントラチェックという状態からロンデという足型に入る際。ヘッドウェイトを使って技を切り替えるというのです。コントラチェックというのはピクチャーポイズと言われる、いわゆる決めポーズの足型です。一瞬静止するので写真撮影に適している。ピクチャーポイズが最も派手に大きく見えるときは技が切り替わるとき。次の展開に入るとき。コントラチェックをしました、このときが一番ではなく、次のロンデに切り替わるときに相手と反発して大きく広がる。その時に互いのヘッドウェイトを使うということ。テーマの「ド派手に行こうぜ」という部分の一つがここで決められた動きにヘッドウェイトを用いて大きくダイナミックに動く、表現する。実際に本池先生に頭を持って動かされたときはこんなに吹っ飛ぶのかと思いました(実際に頭が吹っ飛ぶことはないのですが)。本池先生は基礎練習の際に美術で用いる胸部から頭部の石膏像を例にして、この石膏像を運んでいるイメージですと言いました。つまり頭部はしっかりと固定してそれを動かしていくということだと思います。ヘッドウェイトを存分に活用するには上を向いて首が折れてしまってはそれができません。耐えられないなと。だから最初に上を向くなとおっしゃったのだと思いました。

またヘッドウェイトを意識するとネックが前に出ないし、下も向かないということが分かります。正しい位置に頭を置かないと重さを感じることができないからです。上を向いても(視線を上にしても)重さは感じなかったのです。以前の練習会で本池先生に、ネックが入る、何があっても入らないように耐えるように、と言われたことがあり違った表現で示されることで言葉の意味が理解できた気がします。

 

大きな学びを得ました。

 

甲野 功

 

★ご予約はこちらへ

電話   :070-6529-3668

メール  :kouno.teate@gmail.com

LINE :@qee9465q

 

ご連絡お待ちしております。

 

こちらもあわせて読みたい

社交ダンス、競技ダンスについて書いたブログはこちら→詳しくはこちらへ