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~SWOT分析~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 SWOT分析
SWOT分析、クロスSWOT分析からの戦略

 

 

先日、来年鍼灸マッサージ専門学校に進学する社会人の方に専門学校卒業後の進路について話をしました。就職先の分類や業種の違い。卒業後は臨床、研究、教育、その他の進路が主にありますよ。そのような内容です。現時点で会社員をしている方々なので社会人経験があるという前提で突っ込んだ話をしました。その際に自分自身のことは社会環境を分析しておいた方がいいとSWOT分析を挙げました。何となく知っているものだと私は想定していて。

 

SWOT分析とは主に企業が行う経営戦略を練る際に用いる分析方法です。4つの項目、2つの分類があります。自社の内部環境と社外の外部環境という2つの分類に分けてそれぞれ正の要因、負の要因を分析します。4つの項目の名称がStrength(強み)Weakness(弱み)Opportunity(機会)Threat(脅威)で頭文字をとってSWOT分析というわけです。開業して経営関連の書籍を読んでいき、何度も登場する用語です。私は大学新卒の22歳で一般企業に就職し2年半しか企業勤めをしていません。新人の域を脱したかくらいの段階で脱サラをしたので当時はこのような言葉を知りませんでした。34歳を過ぎてからこういう勉強をしました。

SWOT分析は企業だけでなく個人でも有効なものだと考えていて将来設計に一助になると思います。説明しつつ自身の分析をしてみたいと思います。本来は企業、自社が主語になりますが一個人を対象にしたものとして書いていきます。

 

内部環境の分析・・・自分のこと

Strength(強み):自分の長所や得意なこと。良いとされるプラス面の要素。

Weakness(弱み):自分の短所や苦手なこと。悪影響を及ぼすと考えられるマイナスの要素。

外部環境の分析・・・置かれた環境のこと

Opportunity(機会):自分にとって有利となる環境要因。プラス面の要素。

Threat(脅威):自分にとって不利となる環境要因。マイナス面の要素。

 

内・外、良・悪の2×2で4パターンです。とてもシンプルです。内部環境にだけに関するものの分析方法、あるいは外部環境にだけのものもあります。例えば置かれている社会環境(外部環境)の分析方法としてPEST分析というものがあります。これは政治(P)、経済(E)、社会(S)、技術(T)の4項目です。自らのこと(内部環境)だと自己分析になります。SWOT分析は双方に項目があり、それを組み合わせることができます。

今現在、私個人及びあじさい鍼灸マッサージ治療院にとっての4項目をざっとあげみましょう。

 

Strength(強み)

個人および当院の強み。まず4つの国家資格(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師)があります。単純に開業権があること、本来禁止されている技術を行う免許を持っていることが挙げられます。更に国家資格取得前から身につけていたリフレクソロジーやアロマなどの民間療法もあります。大学から始めた競技ダンス・社交ダンスはこだわりが強くややマイナーな分野なのでニッチで競合が少ない業界といえます。また知識的なこと、世間的なことを言えば東京理科大学という4年制大学を卒業していることは強みになります。直接大学の知識が役立つことではありませんが素養として。また東京都新宿区に生まれ育ったというのも有利で人口密集地域で様々なものがそろっている地域にいることが、家族を含めて強みになります。他にも文章を書く、写真撮影をする、神社仏閣の知識があるなどの趣味特技も強みになります。

 

Weakness(弱み)

これは短所、弱点となるもの。強みと弱みは表裏一体。裏返ることはままあります。外部環境の脅威と異なり自分のやりようによっては強みに変換することができます。まず年齢、性別といったどうにもならない点。開院して10年。年齢は重ねてきて10年前よりも体力や容姿が落ちているのは否めません。また男性である以上、絶対に選択肢に入らない層があるはずです。新宿区に居ることは強みですが当院の立地は住宅街の奥にあり、人目につきづらいという弱みがあります。なお数年前に同じように出した弱みの項目で現在は弱みから消えた項目もあります。時間を経て克服したものがあります。

 

Opportunity(機会)

社会環境でチャンスとなる要因。これも脅威と表裏一体であるかもしれません。まず超高齢化社会に向かっているという点。年齢を重ねれば健康を損なう可能性が高くなり、当院の業態にとっては患者さんになる可能性が高まります。また過疎地ではないので高齢者自体がいなくなるという点もほぼ排除できます。新型コロナの影響がほぼ消えたことも大きなチャンスです。立地として神楽坂が近いので地域に人が集まる可能性が上がっています。また物価高が深刻化していますが、料金を5年前から据え置いていることで相対的にお得感が生まれているといえます。

 

Threat(脅威)

何といっても人口減少に転じていることが重要です。経済が停滞するどころか国が衰退する要因になります。物価高、円安を含めた経済の低迷は直接的な脅威です。景気が悪くなればお金の周りが悪くなります。一方、数年前に項目として挙げた広告規制、素人の美容鍼、無資格マッサージ、新型コロナウィルスといったものは脅威に入らないと分析しています。広告規制は景品表示法、あはき柔整広告ガイドライン、医療広告ガイドラインと厳しくなっていますがそれは適正になっている証拠。無免許施術をそれによって取り締まる方向に進んでいると考えられるのでむしろ機会に入ると考えています。新型コロナの影響もほぼなくなりました。ただ国際情勢や大災害は今後脅威に入るやもしれません。台湾有事や首都直下型地震が起きれば防衛省がすぐそばでありますし多大な影響を受けることは間違いないでしょう。

 

ここまでは環境を分析しただけす。さらにクロスSWOT分析をしてその対策(戦略)を立てるのです。どういうことかというと各項目を掛け合わせて、その状況にそった対応策を講じていくのです。

 

Strength(強み)×Opportunity(機会)

自身の強みを用いて機会(社会的チャンス)にどう活かすかを考えます。プラス面の掛け合わせなので経営戦略としては「積極的攻勢策」となります。当院で言うと王道の施術・治療に磨きをかけてアピールすることでしょう。屋号が“治療院”でありますし。医療機関が苦手とする症状に対して技術を磨いていくことが定石です。

 

Strength(強み)×Threat(脅威)

社会環境の脅威を自身の強みでどう対処するかを考えます。脅威を避けるのか、あるいはチャンスに変えていくのか。経営戦略としは「差別化策」になります。社交ダンス関係者をターゲットにすることがこれにあたるでしょう。また一人で身軽ということもあり経費を抑えて料金を抑えるというのも結果的に対応策になっているでしょう。

 

Weakness(弱み)×Opportunity(機会)

社会環境としてチャンスであるので自身の弱みをどうにかして活かせるようにします。経営戦略としは「弱点強化策」となります。昨今の東洋医学が注目されている中、伝統鍼灸や東洋医学にそこまで自信がありませんでした。それを段々と克服しています。

 

Weakness(弱み)×Threat(脅威)

マイナス要因の掛け算なのでとにかく避けるか被害を最小限に食い止めることを念頭に置きます。経営戦略としは「防衛/撤退」となります。あまりに不得意なことは手を出さないようにしています。

 

このような状況を整理してその対応策を考えてみる。開業していなくても人生設計をする上で分析してみる。一度試してみると頭が整理されます。

 

甲野 功

 

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