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電話:070-6529-3668

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~深川不動堂~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 深川不動堂
成田山新勝寺 東京別院 深川不動堂

 

 

毎月、神社とお寺を紹介するようにしています。もちろん全て訪れたことがあるところです。今月はどこにしようかなと思案する時、テレビ番組で紹介されたところを選ぶことがままあります。つい最近も街散策番組で深川不動尊が登場しました。前々から取り上げられていましたが最近目にすることが増えたような気がするエリアです。すぐそばにある富岡八幡宮と並びランドマーク的な存在ではないでしょうか。

 

成田山 東京別院 深川不動堂

 

深川不動堂は千葉県成田にある成田山新勝寺の東京別院なのです。つまり本拠地は千葉の成田山であると。「関東三大不動」という言葉があります。不動とは不動明王を本尊とする寺院のこと。関東三大不動はこの千葉県成田山新勝寺、東京都八王子の高幡不動尊金剛寺の2寺が入ります。残りの一つが諸説あり、埼玉県加須市不動ヶ岡不動尊總願寺、埼玉県飯能市高山不動尊常楽院、神奈川県伊勢原市大山寺、東京都高尾薬王院らが挙げられます。定まっていないということ。少なくとも成田山新勝寺は関東三大不動に入ることは異論が無いようで、その東京別院として古くから“深川のお不動様”と親しまれてきたのが深川不動尊(深川不動堂)です。

 

まずは成田山新勝寺について紹介します。成田山新勝寺の御本尊である不動明王像は平安時代の初め、嵯峨天皇の勅願により弘法大師自らが敬刻し開眼したものと伝わり、京都の高雄山神護寺に奉安されていたものでした。天慶2年(939)に平将門による「将門の乱」が起き、そのとき朝廷は寛朝大僧正に神仏の力による将門の調伏を命じます。寛朝大僧正は高雄山神護寺にあった不動明王像を奉持し、現在の成田に不動明王像を祭り調伏の護摩を行いました。将門の乱が治まり寛朝大僧正は不動明王像を京都へ戻そうとするも動かず。動明王像は、永くこの地にとどまり東国の鎮護とならんと告げたというのです。こうして成田山新勝寺が創建されます。江戸時代中期になると庶民信仰の対象として高い人気を得るようになります。子に恵まれなかった歌舞伎の初代市川團十郎が成田山新勝寺に祈願すると二代目團十郎を授かります。それ以来市川家は代々成田山新勝寺を信仰し、屋号を「成田屋」と称するほど。こういったことがあり成田山不動信仰は江戸庶民の中に広く浸透していき人気がでます。そこで元禄16年(1703)に第一回目の出開帳が富岡八幡宮の別当寺である永代寺で行われます。成田から不動明王像を運び江戸の人々に公開したのです。それ以降も出開帳はたびたび行われ大いに賑わい不動信仰は盛んになりました。

 

明治元年(1868)に神仏分離令が出ます。西欧列強に負けない近代化を急ぐ明治政府はそれまで一緒になっていた神道と仏教(神仏習合)を分けて国家神道を打ち出すようになります。反対に仏教は廃仏毀釈運動で虐げられることに。出開帳をしていた永大寺は廃寺となり境内は深川公園になります。しかし不動信仰の火は消えず、成田山から現在の場所に不動明王御分霊が正式に遷座され、明治14年(1881年)に深川不動堂が完成します。これが成田山東京別院深川不動堂の始まりです。本尊の不動尊にちなんで“深川不動尊”という名前の方が、通りがよくなっています。

 

深川不動堂はその土地柄二度の災難に見舞われます。一つは大正12年(1924年)の関東大震災。この時は御本尊及び諸仏は運び出され難をのがれたものの諸堂伽藍は全て焼失してしまいます。本堂が再建されるのは昭和3年(1928年)になります。しかし昭和20年(1945年)にあった東京大空襲により再び深川不動堂は焼失してしまうのです。このときも御本尊は必死の努力により焼失を免れ、いったん成田山の光明堂へ遷座されることになったのでした。更なる再建を試みるもGHQ占領下では計画通りの本堂を建立することがかないません。そのため千葉県の龍腹寺地蔵堂(文久3年(1863年)の建立)を移築することになります。これにより昭和25年(1950年)に深川不動堂が蘇ります。その後、時代は平成となり、平成14年(2002年)に内仏殿が完成し、平成24年(2010年)に新本堂が完成するのです。

 

1月に訪れたのですが初詣で賑わっていました。参道は露店が並びお祭りのよう。旧本堂も健在で今でもその姿が歴史的建造物として“顔”となっています。江東区指定登録文化財であり、江東区内最古の木造建築といわれます。ここに向かって大勢の初詣客が列をなしています。堂内には樹齢5百年を超える楠の霊木を使用した国内最大級の木造不動尊像おねがい不動尊」が祀られています。

旧本堂の左側にあるのが(新)本堂。開創310年記念事業として建立されたもので非常に近代的です。梵字で埋め尽くされた「真言梵字壁」は異様な雰囲気です。堂内はバリアフリーが採用され段差の少ない構造で作られています。ここにはよくテレビで紹介される「祈りの回廊」があります。約1万体のクリスタル五輪塔が奉安されて近未来の様子です。

旧本堂の後面にある4階建ての建築が内仏殿です。開創300年を期に、平成12年(2000年)に完成しました。1階には「政廣不動の間」があります。彫刻界の巨匠沢田政廣氏が敬刻した「立座不動明王像」を祀る部屋。壁には洋画家佐田勝氏による硝子絵が描かれています。2階は「四国八十八カ所巡拝所」で手軽に四国遍路を体験できます。また開創320年記念事業にて遷座した「みまもり不動尊」が祀られています。4階は大日如来を安置する「宝蔵大日堂」で天井画は日本画家中島千波氏による日本最大級の「大日如来蓮池図」です。

 

他にも境内には見どころがあります。一つは境内を入って左側にある深川龍神。龍の口から水が出ています。右側には開運出世稲荷。成田山新勝寺境内にある成田山開運出世稲荷(荼枳尼天)を勧請したもの。総檜造り檜皮葺きの社殿があります。他にも大きな百度石や将軍地蔵尊にも注目です。そして深川不動尊門前の参道は通称「人情深川ご利益通り」と言われ有名なお菓子店や飲食店があります。毎月縁日が開かれます。

 

成田山新勝寺の東京別院という存在を越えて地域の顔となっている深川不動尊。門前仲町駅からそこは江戸風情を残す景色を残しています。

 

甲野 功

 

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