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~箱根登山電車~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 箱根登山電車
箱根登山電車

 

 

先月、早朝から箱根に一人行ってきました。頻繁に行く神奈川県の箱根。東京に隣接する県で新宿駅から特急ロマンスカーに乗れば90分ほどで着いてしまう箱根湯本。その先にあるのが箱根登山電車です。先月の箱根旅行では帰宅する際、すなわち下山するときに箱根登山電車を利用しました。箱根は天下の険と称される険しい山。江戸から脱出するための要所です。その箱根の山を越えるのが箱根登山電車。その存在自体が観光資源と言えます。今年の都道府県魅力度ランキングでは全国5位になった神奈川県。前年の7位からの躍進です。このランキングはここ数年1位北海道、2位京都府、3位沖縄県、4位東京都のトップ4が固定されていてその次に神奈川県がきたのです。このランクアップの理由は箱根人気が要因だと言われています。箱根登山電車はあじさい電車の異名を持つほど、線路わきに紫陽花が咲いており、シーズン中はライトアップをするほど。公共交通機関の枠を超えた存在です。

箱根登山電車を詳しく紹介します。

 

まずよく耳にするかもしれない、「箱根登山鉄道」と「箱根登山電車」。違いはあるのでしょうか?実質的に同じです。細かくみると事情があります。

まず旧会社名が箱根登山鉄道株式会社でした。1977年生まれの私は保育園、小学校時代に箱根に行っていた当時はこの社名でした。その後小田急電鉄の完全子会社になり、さらに小田急電鉄は小田急箱根ホールディングス株式会社に社名変更。更に今年2024年4月から統合されて社名が株式会社小田急箱根になり、箱根登山鉄道という社名はなくなりました。よって現在の正式名称は「小田急箱根鉄道線」となり、愛称・ブランド名が箱根登山電車」になるのです。小田急箱根は鉄道以外にも鋼索線(箱根登山ケーブルカー)、箱根ロープウェイ、箱根海賊船も運営しているので鉄道線という区分になります。そして小田急箱根鉄道線は小田原駅から強羅駅までを結ぶ鉄道路線を指します。小田急線(小田原線)は新宿駅から小田原駅です。特急ロマンスカーに乗ると新宿から箱根湯本まで乗り換えなしで行けてしまうので勘違いしがちですが、小田原駅から先は小田急箱根鉄道線になります。更に箱根湯本駅から強羅駅までは特殊車両の登山電車に乗り換えます。そうでないと険しい山を登っていくことができません。多くの人の印象だと箱根登山電車というと、箱根湯本⇔強羅間の電車をイメージすることでしょう。

 

箱根登山電車が開業したのは大正8年(1919年)のこと。当初は箱根湯本駅と強羅駅を結ぶ路線でした。その前から馬車鉄道として存在しています。スイスの登山鉄道を参考にしおり、現在も姉妹鉄道提携を結んでいます。現在の小田急線が新宿から小田原まで開通したのが昭和2年(1927年)なのでそれよりも早いのです。小田原駅発になるのは昭和10年(1935年)から。昭和25年(1950年)以降は箱根湯本駅まで小田急の列車が乗り入れています。箱根湯本から先の本格的な山では80‰(パーミル)という超急勾配があります。80‰とは1,000m進む間に高低差が80mになるということ。小田原⇔箱根湯本間の最大勾配は40‰で箱根登山電車からすれば平坦なものでしたが、当時の小田急線での最大勾配は25‰であり40‰でもすごい急勾配になります。そのため車両の装置や設備を新設する必要に迫られるのです。そういった意味でも小田原から先は“登山”電車の範疇といえます。

 

箱根登山電車が建設された当時、日本で最も急勾配だったのが信越本線の碓氷峠68‰でいかに建設が困難であったかが伺えます。更に自然の景観を極力損なわないようにする、温泉脈へ影響を与えないようにする、洪水で軌道が流出する、そもそも急勾配過ぎて登ることができない、第一次世界大戦が勃発する、などルート変更も含めて非常に困難でした。真っ直ぐ進めないため箱根湯本から強羅までの間に3度のスイッチバック(途中で進行方向を変えてジグザグに登っていく方法)を取ることに。また半径30mという非常に急曲線を描く個所もあります。大正8年(1919年)の開通後も大正12年(1923年)には関東大震災により甚大な被害をうけます。年内復旧はできず復旧工事が始まったのは翌年からでした。復旧が終わるも大正15年(1926年)の1月にはカーブで脱線して車両が民家に転落するという事故が発生するのでした。昭和に入り第二次世界大戦の被害はほぼなく済みましたが、戦後の昭和23年(1948年)の台風で橋梁2箇所が流失するという被害に襲われます。そして時代が令和になり、記憶に新しい令和元年(2019)の超大型台風19号により大平台と小涌谷駅間の線路が流されるなどの大損害を被ることになります。この台風に加え、箱根の火山活動活発化、翌年の新型コロナウィルス流行と箱根全体に災難が続き、箱根の三重苦と称されるのです。新型コロナによる日本はおろか世界中が影響を受けるなか、復旧は不可能かもしれないという被害を乗り越えて、秋頃運転再開見通しだった工期を7月下旬にまで前倒しして運転再開を達成したのでした。これは技術者達の能力に加え、雪が少なく冬でも工事ができたこと、近隣住民の承諾があり工事を長時間することができたためと言われています。新型コロナの中、奇跡の復旧を遂げた箱根登山電車は当時の希望となりました。

 

地元住民の足としてだけでなく箱根観光の主要ルートとなっていった箱根登山電車。改善、改良を重ねていきます。土砂崩れを防止するために植えた紫陽花が車窓からの景色を良くし、平成6年(1994年)から夜にライトアップされた紫陽花を見ることができる全席指定の「夜のあじさい号」を運行するようになります。平成29年(2017年)から登場した新型車両3100形「アレグラ号」は窓が大きくより箱根の眺望を楽しめるようになっています。乗ること自体がアトラクションという存在になっています。

 

始発の小田原駅は言わずと知れた小田原城をはじめ宿場町として江戸時代から賑わいがあります。小田原駅の先、風祭駅。ここには鈴廣かまぼこの里が改札を出るとすぐにあります。正月の風物詩、箱根駅伝の5区中継所として有名です。反対側の出口から歩いていくと山桜の名所もあります。次の入生田駅には生命の星・地球博物館という立派な博物館があります。入生田の次は箱根の玄関口、箱根湯本駅。駅周辺は非常に栄えていて興味深いものたくさんあります。

箱根湯本駅で本格的な登山電車に乗り換えます。箱根湯本駅を出発するとすぐに急勾配を登っていきます。トンネルを抜けると塔ノ沢駅。ここは駅ホームに深沢銭洗弁財天があります。単線の箱根登山電車はここで上下線の入れ替わりをします。途中下車をして銭洗弁天をお参りすることもできます。塔ノ沢駅から険しい山を登っていくと紫陽花の名所、阿弥陀寺があります。塔ノ沢駅を出ると箱根登山電車で最長のトンネル(317.9m)に入ります。その様子は神秘的でもあります。トンネルを抜けると有名な早川橋梁へ。深さ43mの谷を渡っていきます。急勾配と急カーブを進み最初のスイッチバックの場所、出山信号場で停車します。ここで進行方向が逆になるので運転手と車掌が前後に入れ替わります。景色が素晴らしいです。出山信号で下り電車と待ち合わせたあと更に山を登っていきます。次の大平台駅でまたスイッチバックをします。紫陽花の時期は特に綺麗なエリアです。大平台駅を出発するとすぐに上大平台信号場へ。ここでもスイッチバックを行います。その先が宮ノ下駅。ここでも下り線と待ち合わせをします。宮ノ下駅を出て急な坂を下ると宮ノ下温泉郷へ。有名なお店が立ち並ぶエリアです。特にランドマークとしてあるのが富士屋ホテルです。宮ノ下の次が小涌谷駅です。小涌谷駅を降りると千条の滝に向かう道や、しばらく登っていくと小涌園ユネッサン岡田美術館があります。小涌谷から先が台風19号で甚大な被害を受けたエリアで大規模な工事のあとが車窓から見ることができます。年々その様子も落ち着いてきて目立たなくなっていますが。車窓から彫刻の森美術館が見えてきて、その先の彫刻の森駅に到着します。有名な彫刻の森美術館があります。美術館が多い箱根エリアでも特に古くからある人気美術館です。また個人的に彫刻の森駅と強羅駅のほぼ真ん中に位置する餃子センターがお勧めです。この駅間は平地で歩きやすく箱根登山電車を撮影するのに適したところです。そして終点、強羅駅。強羅公園、箱根美術館らの施設があります。また箱根ケーブルカーに乗り換えることができますし、路線バスに乗り換えることもできます。箱根のハブ駅です。

 

このように沿線には様々な観光施設がありフリーパスで途中下車をして沿線を巡るのも楽しいです。何度も紹介していますが箱根湯本から箱根登山電車→箱根ケーブルカー→箱根ロープウェイ→芦ノ湖を遊覧船や海賊船で渡るというのが箱根ゴールデンコース。箱根に初めて行くならこのルートを乗るだけでも楽しめます。

 

幾多の苦難を乗り越えて公共交通機関の枠を超えた観光資源となっている箱根登山電車。貴重な日本の財産といえるでしょう。

 

甲野 功

 

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