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~スーパードクターKシリーズ原画展~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 Kシリーズ原画展
真船一雄漫画家40周年記念 スーパードクターKシリーズ原画展 Kの系譜

 

 

渋谷で開催されている真船一雄原画展に行ってきました。

 

真船一雄漫画家40周年記念 スーパードクターKシリーズ原画展「Kの系譜」

 

12月5日(木)から12月26日(木)まで渋谷の西武渋谷店モヴィーダ館6Fで開催されています。

 

真船一雄とは日本の漫画家です。タイトルになるようにスーパードクターKシリーズ(以下、Kシリーズと表記)が代表作です。週刊少年マガジンで『スーパードクターK』の連載が始まったのが昭和63年(1988年)。私が本作を知ったのが小学校6年生か中学校1年生くらいだったと思います。今もそうですが少年ジャンプが強かった時代で、他誌のマンガもチェックしておこうという感じだったのでは。昔のことで記憶が定かではありません。『スーパードクターK』によって医学を知り、面白いなという感情が芽生えました。のちにこの仕事に就く最初のきっかけはこの作品だったと思います。

長期連載となった『スーパードクターK』。最初のバイオレンスな医師からだんだんと学園モノに変化していきます。当初は反社会的勢力(暴力団、テロリスト、世界的犯罪組織)と戦い、宇宙で手術をしてきた主人公Kも最後の方は高校の校医となり高校生の日常に溶け込んでいました。仕切り直すように『スーパードクターK』の連載が終了。それが平成8年(1996年)の頃。私は東京理科大学に入学し部活、勉強に忙しくなりかつてほどマンガを読まなくなっていました。連載終了した『スーパードクターK』はそのまま『Doctor K』として再連載が始まります。タイトルを変えただけでストーリーもキャラクターも同じまま。ただ元々あった破天荒な話に戻します。初っ端からアメリカ大統領を病気にさせてバイオテロを企てる組織との戦いを描きます。しかし『Doctor K』は主人公Kの病死をもって平成10年(1998年)に連載終了。作中であらゆる病人を助けてきたKは最期に病魔に勝てず30代の若さで亡くなるという結末でした。10年続いたKシリーズが幕を閉じたのでした。

それから6年経った平成16年(2004年)。この年私は東京医療専門学校(当時)鍼灸マッサージ科に入学し、現在の仕事に就くための本格的な勉強を始めていました。この年に始まったのが『K2』です。主人公を変えた作品でした。次のKという意味でK2なのかと思いましたが、先代Kの戸籍上の息子でクローンである小学生の黒須一成とK一族で影に徹した分家の当主神代一人の二人のKによる物語でした。既に超人的な医師(医師免許を持たないモグリであるが)である神代一人のKと、成長していく黒須一成のK。2本の軸で話が進みます。私はちょうど専門学校に入学し、その後も柔道整復科、教員養成科と勉強を続けていく時期に始まった『K2』。勉強の参考になりました。『K2』は最新医療のことを取り上げてくれるので、同じく少年マガジンで連載した『ゴッドハンド輝』と並ぶ、勉強をサポートしてくれた教材でした。教員養成科を卒業して10年。あじさい鍼灸マッサージ治療院を開業して10年。その間も『K2』の連載は続き、今も勉強材料になっています。

 

昨年、Kシリーズがコミック累計100冊を記録しました。おそらく世間的な知名度は高くないKシリーズ。ワンピース、鬼滅の刃、呪術廻戦などの誰でも知っているような作品ではありません。私の周囲でも読んでいるという人はほとんどいなくて、むしろ私の方が鍼灸学生さんに読んでおくといいよと勧めるくらい。その作品が100冊まで出る。そして今回、作者の真船一雄氏がプロデビュー40周年を記念して原画展が開催されました。Kシリーズが始まって36年。私の人生に少なからず影響を与えてきた作品ということで会場に足を運びました。

 

これまで作品のことは幾度か触れてきましたが作者のことについてはほとんど知りませんでした。まず「ごあいさつ」の文面ではっとさせられました。マンガの原稿は出版社に提出して返却されたら必要なし。二度と陽の目をみることがないのが常だそう。マンガ原画の保存は一部の大作家か超有名作品にしか許されない特権だというのです。確かに紙ベースだと膨大な量になるわけです。保管場所も大変でしょう。まして原画展を開催できるのは本当にごく一部の作家にしか許されないわけです。またデジタル移行できずアナログで作画を続けたからこのような原画展が開催できるのだと。フルデジタルで作画するマンガ家には原画展自体が開催できない。データしかないからです。そうなると原画展自体が今後無くなっていくものかもしれません。

 

続いて作者、真船一雄氏のパーソナリティについて。マンガ家は謎が多いです。昭和の頃は少年ジャンプの作家は毎年集合写真を撮影しそれが表紙になっていました。コミックでも作者の顔写真がカバーに印刷されていました。現在では、顔はおろか性別も公開していない方も増えました。世界的大ヒット作の『鬼滅の刃』だと作者の顔はもちろん、性別、年齢も非公開。掲載していた少年ジャンプの集英社社長ですら会ったことがないのだとか。マンガが最も作者のアイデンティティが影響しない表現なのかもしれません。他の芸術だとバンクシーくらいでしょうか、純粋に作品が評価されているのは(※シチュエーションや表現方法も加味されての評価)。

漫画家40周年 真船一雄の歩み」を読むと色々なエピソードに驚かせられます。1964年生まれなので還暦です。高校生のときに椎間板ヘルニアにより2ヶ月も入院します。医学知識がある今ではそれがいかに稀なことか分かります。1984年にマンガ家デビューを果たし、その4年後の1988年に『スーパードクターK』の連載が週刊少年マガジンで始まります。連載中に草野球の試合中に右手薬指を骨折。手指が命のマンガ家が草野球をすること自体驚きです。まして週刊連載中に。指を骨折するも休載はしなかった。『Doctor K』の連載中に二度目の骨折をするも休載はしなかった。『Doctor K』の連載が終了し、野球漫画を連載しているとき。やはり草野球をしていて、盗塁中に左ふくらはぎの筋肉を断絶するもケンケンで盗塁を成功させるという。マンガ家が無理に走る盗塁をして、しかも筋断裂とは。なお盗塁は成功させる。このときも休載はしません。『K2』の連載が始まってから8年。菓子パンの食べ過ぎで急性膵炎になり入院します。膵炎は強烈な病気で絶食が必要です。いい大人が菓子パンを食べすぎて入院するとは。このときも休載はしない。このように何かとケガや病気に襲われています。それも割としょうもないと思えるような理由で。しかし休載はしない。とても面白い人なのだと知りました。主人公Kは作者に似た風貌だと何かで知りました。作者近影がコミックに出ていたとき(もちろん若い頃)に確かにと納得。また野球にここまで執着があるとは思いませんでした。突き指したら仕事できなくなるかもしれないのに。

 

またKシリーズ以外の作品をほとんどしりませんでした。デビュー作『あいつは絶好調』。40年前の作品なのでさすがに分かりません。昭和61年(1986年)~昭和62年(1987年)連載の『ぶっとび!潤二郎』)。『Doctor K』を完結した後に週刊少年マガジンで連載した『雷神~RISING~』。こちらは野球マンガで少し分かります。連載期間は平成12年(2000年)~平成13年(2001年)。翌平成14年(2002年)に同誌で連載した『風の柔士』。同年内で完結しています。『K2』連載後の平成17年(2005年)に月刊マガジンZで連載を開始したのが『ウルトラマンSTORY0』。こちらは掲載誌を変えつつ平成25年(2013年)まで連載します。平成28年(2016年)にリイド社コミック乱ツインズ10月号にて池波正太郎原作の『槍の大蔵』が掲載。このようにみるとKシリーズ以外では『ウルトラマンSTORY0』しか長期連載した作品がありません。また20年連載が継続している『K2』も掲載誌のイブニングが休刊するというピンチに昨年(2023年)襲われます。しかしWEBのコミック DAYSに移籍することで継続へ。そしてKシリーズ累計100巻を突破するのでした。ほぼKシリーズと歩んできたマンガ家人生です。

 

生の原稿を見たときにアナログであることの驚きが大きかったです。昭和の頃は当然ですが令和に入った最近の原稿も手描きという。もちろんデジタルを用いた加工をしている部分があるのでしょうが、ホワイト(修正液)の入った原稿は緻密です。印刷にはでない細かい部分が見えるのは原画展の良さ。また生原稿のサイズは大きくて掲載されていたマガジンよりもずっと大きいです。その分迫力があります。カラー原稿もコミック収録時は再現されないのでこんな色合いだったのかと思います。着色技術も凄い。数年前に「鬼滅の刃展」に行って原画を観ましたがそれ以上に緻密な感じでした。何より40年(展示品はKシリーズのみなので正確には36年)の軌跡が展示品から感じます。

 

今回の原画展で作者の人生のこと、アナログ原稿の凄さを知りました。今後生成AIが進歩して設定を打ち込めば簡単にマンガが作れるようになるかもしれません。生の原稿。現物がある。それが大きな価値になるのではないかと思います。まだまだ続くKシリーズ。K2主人公の一人、神代一人はほぼ私と同い年。作中と現実は同じ時間軸なので神代一人も同じように年を取っていきます。現在は次世代のK、黒須一成にどう継承していくかが話のポイントに。一緒に年を取りながら作品をみています。

 

甲野 功

 

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