開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
今年の10月に京都を訪れて京都五社全てを周ることができました。
京都五社。似たようなものに京都五山があります。京都五山の方が有名である気がします。京都五山は禅宗寺院で格式が高い5つを指します。京都五山第一位が天龍寺で、その上の別格として南禅寺があります。そして鎌倉にも同じように鎌倉五山があります。鎌倉五山は全て参拝したことがあります。ちなみにお寺は正式名称に○○山◇◇寺と表記し、五山の山はお寺の宗派を意味します。一方、京都五社の社は神社のこと。つまり京都五社は5つの神社を示すのです。同じく東京五社というものがあります。これは最近(今世紀に入ってから)制定された東京都内にある格式が高い5つの神社で、大國魂神社、(山王)日枝神社、靖國神社、東京大神宮、明治神宮です。なお東京十社というものもあります。東京十社の方が成り立ちは古く、旧准勅祭社12社のうち昭和50年(1975年)の昭和天皇即位50年の奉祝事業として東京近郊の10社を選び東京十社と選定しています。どちらかというと観光的な要素が濃く七福神巡りのように東京十社巡りが企画されました。東京十社は根津神社(根津)、芝大神宮(芝)、神田神社(神田)、日枝神社(赤坂)、亀戸天神社(亀戸)、白山神社(白山)、品川神社(北品川)、富岡八幡宮(富岡)、王子神社(王子)、赤坂氷川神社(赤坂)の10社。日枝神社だけが東京五社と被ります。
このような神社仏閣の括りが好きで知ると全て巡ってみたいと願う性分です。近場ですと新宿山手七福神めぐりをしました。京都はさすがに遠いのでなかなかできるものではないと考えていましたが、京都五社を知ったのが割と最近で、しかも既に行っているところが多かったのでした。これなら京都五社を周ることは可能だと、最後の城南宮を訪れたということです。
さて京都五社は東京五社や東京十社とは意味合いが違います。もちろん神社の括りですから寺の京都五山、鎌倉五山とも違います。京都五社は“四神相応”の思想から選ばれています。四神相応とは東西南北の4つの方角に、それぞれ対応した聖獣がるとするもの。私は鍼灸師で東洋医学を学んでいます。そこにある五行という基本となる思想があり、それとこの四神相応は関係があります。そのため京都五社は納得しやすいのです。では京都五社はどの神社が入るのでしょうか。それが賀茂別雷神社(上賀茂神社)、松尾大社、平安神宮、八坂神社、城南宮の5社です。これは東西南北、そして中央という位置関係にあるのです。
まず中央の平安神宮。かつての都、平安京を継承する神社。現在地は中心にあたりませんが、かつて京都の中枢にあったのが平安京。そこに縁があるのが平安京です。聖獣は黄龍です。
北にあるのが賀茂別雷神社。上賀茂神社と言った方が通りがいいでしょう。世界遺産に登録され北の山に近い場所。賀茂川が流れています。聖獣は玄武です。
東は八坂神社。祇園で有名です。東の山に近いです。聖獣は蒼龍で八坂神社の伝説には青龍が登場します。蒼龍も青龍もどちらも青い龍です。
南は城南宮。鴨川と桂川が出会うところ。社名に南が入っているので分かりやすいです。聖獣は朱雀。
西は松尾大社。嵐山から更に西へ。西の山の麓。桂川が近くに流れます。聖獣は白虎。
このように方角と聖獣(四神)が司っています。
平安京が造営される段階で風水や呪術を組み込まれてきました。天皇が住む御所を中心に様々な守りを置きました。丑寅の方向(北東)は鬼門といって邪が侵入する方向とされるため、比叡山を置きました。そもそも奈良(平城京)から都を移す際に自然の状態をみて玄武(北)·蒼龍(東)、朱雀(南)・白虎(西)が守護する土地であるとこの地を選定しております。この思想は現代にも引き継がれており明治時代に創建された平安神宮は建物を平安京の大極殿さながらに建てられており、更に東側に蒼龍楼、西側に白虎楼があるのです。
更に四神には五行の五色が配当されています。東洋医学(東洋思想)では五行色体表というものを覚えます。五色という青・赤・黄・白・黒の5色が万物に当てはまると考えます。それは方角にも言えて、東→青、南→赤、中央→黄、西→白、北→黒となります。そのようにみると東→青→蒼龍(青龍)、南→赤→朱雀、中央→黄→黄龍、西→白→白虎、北→黒→玄武と聖獣(四神)も対応しているのです。蒼龍(青龍)は既に述べたように青い龍。白虎はその名前の通り白い虎。朱雀は赤い鳥ですし、玄武は黒い亀のようなもの。中央は黄色で中国では黄河、中国の伝説の神は黄帝というように、黄色は位の高い中央にいるという考えがあります。
東京五社や東京十社と違い、格式や巡らせるためという意図ではなく、方角が大事でその各方角を守るための神社と言えるわけです。京都という古都が方角を重要視し呪術による結界を敷いてきたことが伺えます。さらにイメージカラーのように五色を考えるとまた興味深くなるわけです。
下に京都五社の情報を一覧にしています。
●賀茂別雷神社(上賀茂神社)
ホームページ:https://www.kamigamojinja.jp/
方角:北
四神:玄武
所在地:京都府京都市北区上賀茂本山
最寄り駅:地下鉄烏丸線北山駅
創建:(伝)天武天皇6年(677年)
主祭神:加茂別雷大神
●八坂神社
ホームページ:https://www.yasaka-jinja.or.jp/
方角:東
四神:蒼龍
所在地:京都府京都市東山区祇園町
最寄り駅:京阪電車祇園四条駅
創建:斉明天皇2年(656年)もしくは貞観18年(876年)
主祭神:素戔嗚尊、櫛稲田姫命、八柱御子神
●城南宮
ホームページ:https://www.jonangu.com/
方角:南
四神:朱雀
所在地:京都府京都市伏見区中島鳥羽離宮町
最寄り駅:京都市営地下鉄、近鉄竹田駅
創建:延暦13年(西暦794年)
主祭神:城南大神(八千矛神、息長帯日売尊、国常立尊)
●松尾大社
ホームページ:https://www.matsunoo.or.jp/
方角:西
四神:白虎
所在地:京都府京都市西京区嵐山宮町
最寄り駅:阪急電車松尾大社駅
創建:大宝元年(701年)
主祭神:大山咋神、市杵島姫命
●平安神宮
ホームページ: https://www.heianjingu.or.jp/index.html
方角:中央
四神:黄龍
所在地:京都府京都市左京区岡崎西天王町
最寄り駅:地下鉄東西線東山駅
創建:明治28年(1895年)
主祭神:桓武天皇、孝明天皇
観光面で京都五社巡りをしましょうというピーアールがあります。
どれも立派な神社で京都を感じられます。一度に巡るのはかなり大変かもしれません。それでなくとも京都には山ほど見どころがあります。私も十年ではきかないくらいかかりましたが全て行くことができました。また東洋医学を知るものとしても興味がそそられるものがあります。
甲野 功
コメントをお書きください