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~2024年を振り返って~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 紫陽花(2024年6月撮影)
2024年を振り返って 紫陽花(2024年6月小田原城で撮影)

 

 

今年も通常営業が終了しました。最終日は想像以上に大変で気力体力の衰えを感じました。毎年恒例となるこの1年、2024年(令和6年)を振り返ります。

 

これも恒例ですが1月はじめに掲げた今年のテーマについて。年初に決めた今年のテーマが『灸術を高める』でした。これは艾を捻るお灸が苦手であるという長年の懸念・コンプレックスに向き合うもの。2004年、ちょうど20年前に東京医療専門学校(当時)Ⅰ部鍼灸マッサージ科に入学しました。入学当初から艾捻りを課題として与えられました。艾(もぐさ)とは蓬(よもぎ)の葉を乾燥させて精製させたもの。それを特定の形に指で捻って成形します。それを艾炷(がいしゅ)と言います。艾炷を皮膚の上に乗せて、それに線香で火を点けて燃やす。これが伝統的なお灸のやり方です。何度か触れているように元々あん摩マッサージ指圧師になるために進学しました。鍼灸は本当についで。特に鍼は刺されるのが本当に嫌でした。そのため鍼の練習を専門学生時代ほとんどやりませんでした。一方、灸の方は比較的好きで熱くても耐えられる方だったので灸を受けるのは平気でした。ただ学内実技試験が受かる程度の練習で過ごしてきた結果(※国家試験に実技試験はないです)、国家試験合格後に苦労します。艾を捻る、片手挿管をするというきゅう師、はり師にとって基本的なことが就職活動においてできていないと指摘されたため、国家試験が終了してから必死に練習するはめになります。就職後は鍼を刺す機会がたくさんあり、鍼術は現場で上達していきました。艾を捻るお灸の方はほとんど使う機会がなかったため技術が伸びることがなく。途中、鍼灸マッサージ教員養成科で練習するも開業してからはあまり灸をすることがなく、今に至るというわけです。

 

開業して他の開業鍼灸師と接するようになりました。従業員時代では考えらえないくらい鍼灸を受けに行き、また私が施術することも。そのときにやはり灸術の未熟さを感じてしまう。素人でもできるくらいのお灸ではプロのきゅう師としてはまずいだろう。それは業界内で引け目を感じるという事はもちろんですが、今後自分自身の職域を守る意味で大切であると考えるようになってきました。艾を捻る灸法、主に直接灸になりますが、を臨床で使えるレベルにすることが重要だと結論つけます。

そこでまず行ったのは艾を捻る練習。20年前に学校で配布された竹を持ち出しそこに艾を捻って乗せていく。1年生の最初に習った練習方法です。これを地道にやります。そして線香で火を点火していく。艾を捻る、竹の上に立てる、点火する、その後の処理。大まかに4行程ポイントがあるのですがそれらを注意しながら繰り返し練習します。教員養成科時代もここまで基本に立ち返った練習はしませんでした。持っていた古い艾が全て無くなるくらいやろうと思いやりました。すると指が馴染んできました。4月末に同業者の滝沢先生に艾を捻る動作を見せると、凄く上達していると驚かれました。滝沢先生は3代続く鍼灸師の家系であり、臨床で直接灸をしています。そして2月には乃木坂から新宿区落合に移転してきた飯塚先生の灸を受けにいきます。飯塚先生は教員養成科の後輩にあたりますがきちんと師匠について修業した先生で灸点紙を用いた直接灸を行います。私が考えるモデルケースとなるやり方をしています。更に4月には教員養成科特別授業を一緒に担当してきた内原先生の鍼灸を受けにいきます。内原先生は長らく関東鍼灸専門学校の副校長を勤めていた教員養成科の先輩にあたる先生です。伝統的な鍼灸もできるのです。このように練習と体験を繰り返しました。

改めて学ぶことも大切です。昨年は母校の卒後研修でお灸を練習しましたが、今年も3月に業界団体の臨床講習を受講し、東京呉竹医療専門学校の三村直巳先生が講師をつとめる灸の勉強をしました。ここで大阪で灸の研究と実践をする勝元先生と知り合いになります。5月の当院開院10周年記念イベントに勝元先生が来てくださり、艾を燃焼させたときの温度を測る計測機器を持参してくだりました。確認で艾を捻り温度変化の過程をパソコン表示で確認しました。また11月に私が直接灸を練習しているということを知ると飯田橋で開業している大平先生が別のやり方があるかと教えに来てもらいました。その技術が画期的でお灸を追求している勝元先生や紫雲膏灸をする有山先生にも知らせた方がいいよという話をします。色々あって12月に大平先生と有山先生と私の3人で灸体験会・撮影会を実施しました。そのときに大平先生がする灸術を間近で観察し、また体験することができました。直接灸の練習をしてきたから分かる技術と、常日頃艾を扱っている大平先生、有山先生の会話が、勉強になりました。

 

実際に臨床で活用しないといけません。少しずつ直接灸を患者さんに取り入れています。やり方は飯塚先生、滝沢先生の方法をベースに、技術力が上がってきたらまた自分に合ったアレンジをしていこうと思っています。そうしていると12月に棒灸をしてほしいと新規患者さんから依頼があります。鍼をしている所はたくさんあるが、棒灸をしてくれるところがないというのです。当院のホームページを見て棒灸を扱っていることを知り来院したのでした。棒灸とは灸術の一種です。実はほとんど私は棒灸を使わないのですがホームページに技術解説として掲載していたのです。直接灸よりはやりやすいです。棒灸だけで(鍼をしないで)60分するという初めての経験をしました。この経験で煙、匂い、灰が落ちるなど課題点が浮き彫りになりましたが手ごたえがありました。直接灸だけでなく別の灸術も高めるきっかけになりました。

 

このように『灸術を高める』というテーマは1年を通して実行に移せたと思います。それを技術的に確立させてきゅう師としてレベルアップすることが来年に持ち越しです。灸技術が上がると、按摩・マッサージ・指圧・鍼・灸の5要素が全て納得いく水準となり技術の幅が広がるはずです。

 

テーマとは別に今年を振り返ると、精神面で落ち込んだ年でした。開院10周年という節目に向けて進んできました。新型コロナの影響もほぼ無くなり、何となく5月15日の10周年を迎えました。そこがピークのような感じで燃え尽き症候群のような状況がおとずれます何かやる気がおきない、疲れやすい、持続しない。そんな状態がちらほら出てきました。2020年から数年は新型コロナで今後どうなるだろうかという不安、危機感が常にありました。その脅威が終えると物価高が現実味を帯びてきました。体の体調は悪くないのですが精神面が落ちる。これが更年期というものかなと思うことが出ます。これまでこのようなことは無かったこと。それを払拭するためにある意味無理して箱根や京都に日帰りでいき、勉強研究も含めてブログをたくさん書き、セミナーやイベントに参加してきました。ゲン担ぎかもしれませんが京都にいって神社仏閣を巡ったあとくらいから精神面が持ち直してきた感じがします。

振り返るとメンタル低下に対抗するために学会、講習会、外部イベントらに参加し、自分でセミナーやイベントを開催した結果、たくさんの収穫がありました。外部の学会に参加したのは初めてのことでした。学会、業界団体のことが身近になりました。新型コロナ前に盛んだった業界内の交流が今年は形を変えて復活してきたと実感した年でした。また新たな動きが起きそうな予感があります。最終的にはプラスになった1年だと考えられます。

 

今年1年どうもありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

 

甲野 功

 

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