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~2025年のテーマ~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 2025年のテーマ
2025年のテーマ

 

 

今年、2025年・令和7年の通常営業が開始しました。本年もよろしくお願いします。

 

今年は昭和でいうと昭和100年にあたります。また能登半島地震から1年、阪神淡路大震災から30年、地下鉄サリン事件から30年、太平洋戦争終戦から80年という災害・事件・戦後の節目の年になります。都市伝説界隈では今年大きな災害(災難)が起きると数年前から騒がれております。今年がどのような年になるのか。不安もありますが毎年恒例となる今年のテーマを書いていきます。

 

今年のテーマは『按マ指を探求する』です。年初にテーマを決めてそれを意識しながら1年を過ごすようにしてきました。まずは過去の8年のテーマを振り返りましょう。

 

2017年『取捨選択

2018年『ハングリーでいる

2019年『願う

2020年『臨床能力を上げる

2021年『知識技術を届ける

2022年『衝動を生む

2023年『身体を鍛える

2024年『灸術を高める

 

このようになっています。ここ数年はより具体的なものになっています。2017~2019年は何となく心の持ち様な感じです。2020年は年初に新型コロナウィルスによるパンデミックが起きるなど露とも思わず、『臨床能力を上げる』といまいち具体性のないテーマを掲げました。2021年以降新型コロナの困難を踏まえ、より具体的にテーマが絞られてきました。昨年はお灸という技術に注目。きゅう師として堂々とできるようにしようとしました。これは2020年の『臨床能力を上げる』を具体化したものになります。狭めたというか。そして今年は『按マ指を探求する』としました。昨年同様、臨床能力に関することであん摩マッサージ指圧師に注目したものとなります。

 

「按マ指」は按摩・マッサージ・指圧の頭文字です。私は通常平仮名で「あまし」と表記します。今年のテーマはより正確に漢字カタカナ表記にしています。私がこの仕事をするための出発点は徒手療法です。幼少期に母親の肩もみをして上手だと褒められた経験から。大学の部活で夏合宿に部員にマッサージをして喜ばれジュースを奢ってもらったことが後の脱サラをするモチベーションとなりました。国家資格のあん摩マッサージ指圧師になろうと専門学校に進学したのです。このあん摩マッサージ指圧師ですが按摩(あん摩)massage(マッサージ)指圧の3種類の技術を一まとめにした資格です。そのため名称が長いし分かりづらいわけです。世間の人でこの3種類を区別して説明できる人はほとんどいないでしょう。同じ医療職種の鍼灸師、柔道整復師でもほぼいないと思います。発祥も歴史も技術もそれぞれ異なるのですが。またあん摩マッサージ指圧師でいずれか一つの技術を中心にしている術者が多いです。按摩と指圧は衣服の上から行うので世間の人が認識しているマッサージがこれらにあたります。あん摩マッサージ指圧師がいうマッサージ(massage)は皮膚を直接触れて主に滑剤(オイル、パウダー、クリームなど)を用いて行うものなのでエステのイメージが強いでしょう。男性術者でマッサージ(massage)をする人は結構少ないです。また指圧のみという術者もいて、浪越学園日本指圧専門学校卒の先生は多くが浪越指圧を用いていてそれのみという場合が多いです。日本で最も古くからあるのが按摩であり、視覚障害者の生業として古くからありました。東京都八丁堀にある東京医療福祉専門学校吉田流按摩の学校であるため按摩の授業に力を入れています。私も男性であることもあり、マッサージ(massage)をする機会は少ないのですが、コロナ禍で人が来なかった2020年にマッサージのテキストを購入し、少し行動制限が解除されたら知り合いに練習台になってもらって研究と練習を重ねました。このとき知ったのがスウェーデンマッサージでした。

私はあん摩マッサージ指圧師であるから、按摩・massage・指圧の全てをできる術者でいたいと願っています。どれか一つあるいは3つのうち二つ、ということではなく3つの技術全て。そしてそれぞれの特徴、得手不得手、技術の違いなどを整理して説明できるようにする。それができないと各技術が活きないと考えています。

 

このように考えるようになったのは昨年起きた様々な出来事が関係します。7月に鍼灸マッサージ専門学生から骨格矯正とはどのようなものかという質問があり、そこから徒手療法全般に視野を広げて解説したことがあります。軟部組織(筋肉、腱、関節包など)や脈管系(静脈・リンパ・動脈)ではなく骨組織(関節、骨のアライメントなど)に対してアプローチをする方法。それを他と比較して説明したのです。9月には露木美那先生の「後藤流按腹」と「結合織マッサージ」を受けました。「後藤流按腹」も「結合織マッサージ」も存在は知っているが実際に受けたことも見たこともない、私にとっては幻の技術。同じく9月には呉竹医学会学術大会で筑波技術大学名誉教授・一枝の夢財団専務理事の藤井亮輔先生による「マッサージ療法」の実技を見学しました。藤井先生は視覚障害で筑波技術大学は視覚障害者向けの大学です。その「マッサージ療法」はそれまで私が知っているマッサージとは違いました。これらの経験を踏まえて10月に知り合いのあん摩マッサージ指圧師さんを招いて練習会を開催します。その場で東洋鍼灸専門学校が伝える「経絡按摩」を体験しました。同月10月では毎年一にずっと按摩指圧を行うイベント、チャリティーマッサージを開いています。チャリティーマッサージが終わった後に単身京都に向かいました。京都で按摩師として活動する京都仏眼鍼灸理療専門学校卒の先生と会い情報交換をしました。その場で初めて耳にしたのが「関西伝統指圧」でした。11月には日本指圧卒の神田先生と長生学園卒の鈴木先生とともに社交ダンスイベントでマッサージブースを出店しました。神田先生と鈴木先生は生粋のあん摩マッサージ指圧師で他の資格を持っていません。そのお二人と一日仕事をしてみて純粋なあん摩マッサージ指圧師の力を横から感じました。12月には母校の卒業臨床実習で広橋憲子先生のスポーツマッサージ講習を受講します。2020年にスウェーデンマッサージの教本を買って学習しましたがその著者が広橋先生。文字と写真でしかなかった情報に実際の動きを見ることができて理解が大いに深まりました。

このような経験を昨年してより按摩・massage・指圧のことを学びたい、学ばないといけないと感じました。想像以上に技術は広く深いと思いました。

 

更にこれは数年前から感じていたことですが、各学校の技術を調査したい、しないといけないという想いがあります。まず晴眼者のあん摩マッサージ指圧師養成施設は全国に21校です。それは以下のとおり。

 

東京呉竹医療専門学校(東京都)

東洋鍼灸専門学校(東京都)

東京医療福祉専門学校(東京都)

東京衛生学園専門学校(東京都)

日本鍼灸理療専門学校(東京都)

長生学園(東京都)

日本指圧専門学校(東京都)

国際鍼灸専門学校(東京都)

大宮呉竹医療専門学校(埼玉県)

湘南医療福祉専門学校(神奈川県)

神奈川衛生学園専門学校(神奈川県)

横浜呉竹医療専門学校(神奈川県)

東海医療学園専門学校(静岡県)

専門学校名古屋鍼灸学校(愛知県)

中和医療専門学校(愛知県)

京都仏眼鍼灸理療専門学校(京都府)

大阪行岡医療専門学校長柄校(大阪府)

関西医療学園専門学校(大阪府)

四国医療専門学校(香川県)

鹿児島鍼灸専門学校(鹿児島県)

赤門鍼灸柔整専門学校(宮城県)(※今年春に仙台赤門短期大学に変更予定)

 

この中で東京呉竹医療専、横浜呉竹医療、大宮呉竹医療は名称から分かる通り学校法人呉竹学園が運営する姉妹校。私の母校が東京呉竹医療です。聞く限り3校で按マ指に違いはないようです。ただ鍼灸の学校から始まった学校ですので鍼灸の方がメインである印象があります。東洋鍼灸は高名な鍼灸師故柳谷素霊が創設した学校であり、鍼灸に繋げるための経絡按摩というものがあるそうです。東京衛生と神奈川衛生は姉妹校でマッサージから始まったそう。後藤流按腹結合織マッサージは神奈川衛生卒の露木先生から知りました。日本指圧は浪越指圧、長生学園は長生術を主に教えるあん摩マッサージ指圧師単独の学校です。杉山真伝流按摩吉田流按摩という古法按摩があり東京医療福祉は吉田流按摩を継承する学校です。国際鍼灸もマッサージの学校から始まったそう。京都仏眼鍼灸理療は視覚障害者の救済から始まった按摩の学校だそう。

このように各学校でルーツが異なり、重ねてきた歴史と技術がそれぞれあるはずなのです

鍼灸に比べるとその研究や情報は少なく全容が掴めません。昨年行われた第1回あん摩マッサージ指圧甲子園の最優秀選手が四国医療の、優秀選手に東海医療学園の学生です。第1回あん摩マッサージ指圧コンテストのチャンピオンは東海医療学園の教員だそう。四国医療、東海医療学園の先生とほぼ面識がありません。各学校の技術について調査をしたいと考えていましたが、全国で21校、母校を除けば18校ほど。調べることは不可能ではない気がします。

そしてあん摩マッサージ指圧師は古くから按摩師として視覚障害者の生業として我が国にありました。視覚障害者の先生による按摩や指圧、マッサージはまた違うのではないかと考えるようになりました。2年前にヘレン・ケラー学院の実習生の手技を受けたこと、昨年京都仏眼鍼灸理療卒の按摩師と会話したことから、そのような疑問があるのです。それも調べてみたいと考えています。

 

按マ指について、自己の研鑽を積むとともに調査をしていきたい。それが探求という言葉をテーマに選んだ理由です。今年1年でどこまでできるか分かりませんが令和7年を通して取り組む課題にします。

 

甲野 功

 

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