開院時間
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
京都の文化財が世界文化遺産に登録されたのが2014年12月17日で、昨年12月で30周年。現在それを記念した特別公開などのイベントが開催されています。昨年の大河ドラマは紫式部を題材にした『光る君へ』でした。紫式部は京都に縁があり、昨年から京都への注目がされています。もちろん海外観光客(インバウンド)の人気は凄まじく観光公害(オーバーツーリズム)のやり玉にあげられています。私はここ何年も毎年一度は京都に訪れているのでその様子を肌で感じています。
さて今回は源氏物語と関連が深い野宮神社を紹介します。
野宮神社は“ののみやじんじゃ”と読みます。“のみや”ではないのですね。野々宮とも書かないのです。場所は京都でも屈指の人気エリアである嵐山にあります。ただ天龍寺や渡月橋といったランドマークとなる場所からは離れています。各線嵐山駅からも徒歩10分ほど。その代わり自然豊かで、有名な竹林の最中にあります。私は神社も京都も好きなのですが実は野宮神社のことを知りませんでした。まず嵐山の竹林を歩きたいと思って調べていたら出てきたのです。訪れて調べてみるととても興味深いのです。まず「野宮(ののみや)」とは皇女や女王が斎宮・斎院になるとき、潔斎のため1年間こもった仮の宮殿です。地名ではないわけです。天皇の代理で伊勢神宮にお仕えする斎王(皇女、女王の中から選ばれる。女性)が伊勢へ行かれる前に身を清められたところでした。野宮をどこにするは天皇の即位毎に定められてきました。現在の野宮神社がある場所が使用されたのは平安時代のはじめ嵯峨天皇皇女仁子内親王が最初とされています。ただし斎王制度は、後醍醐天皇時代、南北朝の戦乱で廃絶してしまいます。その後、野宮は神社として存続しています。
本殿の御祭神は野宮大神。これは天照皇大神と同じ。伊勢神宮内宮の御祭神が天照大神ですのでその成り立ちからも当然でしょう。境内社の摂社末社には愛宕大神、白峰弁財天、白福稲荷大明神、大山弁財天、野宮大黒天があります。特に白福稲荷大明神は子宝安産のご利益があると言われています。また野宮大黒天は良縁結婚のご利益があり女性人気が高いです。
野宮神社を訪れるとまず目に入るのが黒木の鳥居です。鳥居の色は朱色がほとんどですがこちらの鳥居は黒をしています。黒色の鳥居は銅製など金属製なら分かりますが木を用いた鳥居で黒いのです。これはクヌギの樹皮を剥かずにそのまま使用しています。保存の難しく原木のクヌギの入手が困難なことから、現在日本で唯一の鳥居です。鳥居の奥に本殿があります。その左右を愛宕大神(本殿北隣)と白峰弁財天(本殿南隣)の社殿が並びます。向かって左側には野宮大黒天があります。ハートの形をした恋愛成就と書かれたものがあります。そのそばには神石(亀石)が。撫でながらお祈りをすると1年以内に願いが叶うとされ、野宮神社最大のパワースポットだと言われています。
右に進むと白福稲荷大明神があります。繰り返しになりますが子宝・暗算のご利益があるとされる白福稲荷大明神。そばに井戸があり龍神とあります。そして有名な“じゅうたん苔”が生い茂る緑の庭があります。これは嵐山の景観を表現しており、白砂の部分で桂川をその上の小さな橋が渡月橋を表しています。近くにある景色を表現するというのも面白く、実際の嵐山・渡月橋と見比べることができるでしょう。
規模は大きくなく、神社が数多くある京都ではあまり目立たないかもしれません。しかし歴史があり、皇族と縁のある野宮神社。源氏物語にも出てきます。嵐山散策の際に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
甲野 功
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